シッコウ~犬と私と執行官~4話~あらすじネタバレ
小原(織田裕二)から「執行官」という仕事についての熱い思いを知った、ひかり(伊藤沙莉)。
人の人生の極限に向き合い続ける現場に、「胸がザワザワする」ひかり。
これっきりで執行官の仕事をやめようと思うのですが、小原から「その心は執行大事なものではないかと思う。気が向いたらまたザワザワしよう」と言われ、考え直します。
間もなく、ひかりが住むアパート「サニーハイツ青柳」の空き室に執行官事務員の栗橋(中島健人)が引っ越してきました。
栗橋がなぜ、今の仕事に就いたか聞いた、ひかり。
なんと彼は、執行官の日野(勝村政信)、渋川(渡辺いっけい)、間々田(菅原大吉)に癒しを感じていたのです。
「執行官は知的で渋めで癒される」
恍惚な表情を浮かべる「おじ専」な栗橋を唖然として見る、ひかり。
その頃、小原は2人の保育園児を持つシングルマザー、山家佳菜江(さとうほなみ)の執行に向けて調査を進めていた。
思わず佳菜江に一目惚れのような錯覚を覚えた、小原。
ふと、通りがかった男性保育士と園児たちのなかに、山家ナナとミナを見つけました。
ひかりが犬を連れていることで、2人はひかりを「犬のおねえさん」と認識。
さらに、立会人の須川悟(モロ師岡)が現場に来られないことを知り、途方に暮れていた小原の前に、犬を連れていたひかりが。
「もう少し執行官の仕事を知りたい」という言葉に小原は大喜び。
今回だけ、ひかりを「立会人」として佳菜江の家へ連れて行きました。
佳菜江の2人の娘、ミナとナナを使ってまで家に案内させたことを心苦しく思う、ひかり。
債権者のデルタ商事から債務者の山家に執行の申し出があったのです。
自宅の金品の差し押さえを開始する、小原。
差し押さえの延期を頼みたいと泣き出す、佳菜江。
幼い2人の娘は母親に何があったか知らず、佳菜江をなぐさめます。
経済的に苦しく、友人の結婚式の関係で、お金を工面するために借金したとのこと。
しかし、その友人は1年もたたずに離婚。
返済のタイミングで派遣先を切られ、洗濯機も壊れるなど災難続き。
一方、ひかりは佳菜江に共感。
佳菜江の指輪を1カ月先に差し押さえること、債権者に1カ月先までに支払えば、延期ができるとフォロー。
真面目で誠実さが覗かれる、佳菜江に、小原とひかりは優しめに接します。
お茶を出そうとした際、職務上断りますが、佳菜江が夫を亡くして娘たちと2人暮らしの現状に胸を詰まらせる小原とひかり。
その日の夜、母が湯布院の温泉施設で働く近況を知り、母の吉報に微笑む、ひかり。
その後、同じマンションに住む執行事務員の栗橋がラーメン好きだと知り、今度一緒に食べに行く約束をしました。
小原は佳菜江に心揺らいでいる様子をひかりに指摘されます。
「馬鹿か君は。そんなのトレンディドラマを見すぎた世代の悪い癖。君こそ栗橋くんと今度一緒にラーメン食べに行きましょうねって約束していたじゃないか。僕は君と違って頭の中は古くない」
「盗み聞きは古いドラマのやり口ですよ。たち悪い。」
そして、差し押さえ売却期日当日。
ひかり、奈良井司(皆藤空良)、解除技術者の砥沢譲吉(六角精児)らを連れて、佳菜江の家へ。
なんと彼女は差押え品売却期日にまさかの逃亡。
大家の話では3日前に佳菜江たちは引っ越してしまったそうです。
保育士には実家の福島に親の介護で帰ると言っていた、佳菜江。
しかし実態は、夫とは離婚、佳菜江は両親の実家にも帰っていません。
小原はすっかり不貞腐れて、ひかりに八つ当たります。
「もう誰も信じない。あんな逃げられると思わなかった。君ももう犬たちのところへ帰っていいよ。」
「年齢関係ない絆とか言っておいて!じゃあ私を犬を理由に呼び出さないでくださいよ!…クソじじいめ」
そして2人は不器用にもぶつかり合って別れてしまいました。
その日の夜、ひかりは三戸夏奈(駒井蓮)と栗橋とラーメンを食べながら小原とのことで愚痴をこぼします。
女性の執行官が少ないことを話の流れで栗橋から聞いた、ひかり。
「ざわざわする」感覚を持ち、依頼者の為に動く行動力があることを小原から褒められたことを思い出し、複雑な気持ちになる、ひかり。
翌日。
小原は佳菜江の過去のデータから彼女の現住所を特定。
他の金融機関からもお金を借りていたようです。
債権者、日の丸クレジット、債務者、山家佳菜江。
佳菜江の現住所を突き止めた小原は単独で動産を執行。
「すみません、あの時は動揺してしまって…」
「返済する気はないようですね。次に逃げたら犯罪ですよ。もう差し押さえ当日に、あんなことはしないでくださいね。」
事務所に戻ると、ひかりが正式な執行補助者として働くことが、長窪桂十郎(笠松将)の計らいで決まりました。
ひかりは改めて、執行補助者として、佳菜江の家へ小原達と同行します。
「子供に不憫な思いをさせたくなかったんだけどな。父親がいない可哀想な子にしたくなかった。結婚だけはやめときなよ?今の世の中、ろくな奴いないから。やっと長女を寝かしつけたと思えばご飯まだーって。殺してやろうかと思った。体も心も限界で、手伝うようにいけたのに、へぇー育児楽しめないんだ、週に一回の休みぐらい好きにさせろよ、ふざけんな、あんたと結婚してからいつ私は休みがあるんだ、なんでこんな奴と結婚したんだろうって思った。で、気づいたの?いないほうがましだって…借金なんかするなら離婚しなきゃよかったって親から言われたけど、どれだけつらくても死ぬほど誰かを恨まずに済む私のベストな選択なの。ああ限界だな…悔しいな。」
佳菜江の家庭事情を知り、胸が詰まるひかり。
小原に対し、親と兄弟に話し、今度こそ真摯に対応していくことを約束する、佳菜江。
きちんと債権者に対応していけば、連帯保証人なしで借入できる可能性もあると小原はフォロー。
「家族の為に一生懸命、働いているのになんで私は幸せになれないの?公務員ですよね?税金って何のために使われているんですか?なんで、税金が還元されないの。」
思わず、ひかりは涙を浮かべ、佳菜江の2人の娘たちに声を掛けます。
「あのね、お姉さんもお母さんと2人暮らしなんだ。家族同士でありがとうを言い合うと幸せになれるよ、試してみて」
「ありがとう」と佳菜江は涙を浮かべます。
その後、売却した古物商の住所を栗橋からもらった、佳菜江。
家族みんなで利用していたソファーを買い戻し、新たな生活をするために、再出発。
ひかりの頑張りに、小原は栗橋に、「仕事、取られちゃいそうだな…」と微笑みます。
ひかりは仕事帰りになんと、かつての上司で、不正が発覚したのち、音沙汰になった、上野原美鶴(板谷由夏)と再会します。
「吉野さん!久し振り!元気だった?!」
何事もなかったかのように陽気に、ひかりに声を掛けた美鶴。
イヤな予感しかない、ひかりなのでした。
シッコウ~犬と私と執行官~4話感想・みどころ
ひかりと小原がまさかの衝突。
佳菜江と出会った瞬間、離婚歴はあるものの、恋に落ちる寸前の小原の表情が可愛かったですね。
しかし、ひかりに対して、小原を執行できなかったからって子供の喧嘩のような八つ当たり方。
ひかりも、ひかりで、ボソッと「クソじじいめ」って…小原さんまだそんな年じゃないんですが。
大人げなかった2人が、執行官と執行補助者として新たに向き合い、不安定な生活を送るシングルマザーの佳菜江親子を救う爽快な展開でした。
依頼者の身になって、「胸がざわざわする」ひかりの繊細さこそが、執行補助者としての素質であり、彼女の長所だと分かっている小原が良い。
「仕事取られちゃいそう。」と栗橋に微笑む場面にこちらもほっこり。
皮肉屋ですが、素の優しい面が覗かれていると思いました。
栗橋が執行事務員になった経緯が意外過ぎる、まさか、「枯れ専」だったとは…。
そりゃ、泣き落としと、夫を亡くしたシングルマザーという誰がどう見ても、強く責め立てにくい状況を作れば、言い訳して雲隠れできますよね。
執行補助者として小原に同行した、ひかりが出会ったのは一見、真面目そうなシングルマザー。
「六本木クラス」、「あなたがしてくれなくても」などドラマでの活躍ぶりが記憶に新しい、音楽グループ、ゲスの極み乙女のメンバー、さとうほなみさんの名演が素晴らしかったです。
夫を亡くし、幼いミナとナナを育てる健気な母親を演じ、小原とひかりの同情を誘う卑劣さ。
また、子供達には愛情はあるものの、子供を出汁にしたり、借金を繰り返し、債権者から逃げ回る日々。
正直、ミナとナナが振り回されて可哀想でしたし、彼女といることでお金に関して敏感になりそうだなと心配していました。
しかし、夫が一切、家事に協力的ではなく、自分の心配だけをする人物だったこと、ワンオペ状態の育児で、精神的なストレスが張り詰めていた部分は、少しひかりのように彼女に心を寄せてしまいますね。
頑張っても税金が還元されない、働いても幸せに普通の暮らしがなかなかできない焦りと苛立ちから、借金を重ねて逃げ回る生活を続けていた、佳菜江。
小原とひかりの根気強い対応と熱意に今度こそ我が子2人と再生してほしい。
そして、一難去ってまた一難、ペットサロン&ホテル社長で、美鶴が…。
美鶴はかつて、小原達に差し押さえを食らい、夜逃げしたいわくつきの人物です。
ひかりに慣れ慣れしく声を掛ける彼女の目的が気になりますね。
ひかりが新たなトラブルに巻き込まれそうな予感が否めない4話でした。