しょせん他人事ごとですから~とある弁護士の本音の仕事~3話あらすじネタバレ
保田(中島健人)が弁護を請け負うことになった兄妹アーティストの「ヌーヌー」のリオ(野村周平)。
情報開示請求という反撃に、軽い気持ちで誹謗中傷していた人達の間で動揺が広がります。
広告代理店勤務の中山(小手伸也)もその一人。
「インターネットのプロバイダ―から意見侵害の件で連絡がきました。」
人知れずヌーヌーへの誹謗中傷や観察をするヲチ対象として見ていました。
秘書がこのことを中山に伝え、内心、焦ります。
中山は、10代の娘からテレビに出ているヌーヌーの存在を知りました。
そして、調べているうちに、例のヌーヌーがいじめをしていると拡散された動画を発見。
会社のパソコンから、リツイートして、拡散してしまいました。
「そもそも、あのアカウントが私のものだとばれるのがまずいから。というか開示請求って何だよ…誹謗中傷って。」
中山は自身の心配が募り、不吉な想像をしてしまいました。
会社のパソコンを壊そうとするものの、躊躇います。
「むしろここから炎上からどんどん広がる…ここからもう後戻りはできない。どんどんその先へ飛び火していく。」
弁護士の保田理(中島健人)は、パラリーガルの加賀美灯(白石聖)に事態の深刻性を伝えました。
しかし、そんな彼をうっぷん晴らしに攻撃しようとする別の男が。
「ヌーヌーを誹謗中傷したのは別の人?逃げられないのがネットなんだっつーの。垢消し逃亡したって無駄。フォロー済みだから見れちゃうよー」
いくつものパソコンを使い、「ジャスティス速報」と名乗る、アラフォーの男性は、中山の個人情報を中山のSNS投稿に映る名刺に気付きました。
ジャスティス速報と名乗り、中山にSNSで絡んできました。
「部長どうしたんですか?」
「いや、乗っ取りに会って。パソコンの情報はこれで削除されたはず。」
リオと連絡を取った、理ですが、しばらく多忙で、法律事務所に来れないとのこと。
「先生、いい機会じゃないですか!行きましょう」
ヌーヌーのファンである灯はあることを思いつきました。
「開示に応じたのは5軒、情報開示と差し押さえを伝えました。」
灯はリオとリホが仕事をするレコーディングスタジオへ出向き、状況を説明。
「とにかく和解に応じる気はねぇから。とことんやろうぜ。」
リオは妹を守るために一人で背負ってきました。
マネージャーにも気遣い、リホを守るために闘う彼は心の疲れを感じています。
会社に意見照会書が届いた中山は、深刻な状況に陥ります。
中山が出社すると、会社にクレームが殺到していました。
そこで、若手社員たちが気を遣って対応しますが、若手たちは中山を家に帰した後、愚痴を言い合っていました。
「中山部長、セクシー女優にリプ送りすぎ」
「イタ電止まんねぇ。七色のおっちゃんって…。」
「おい、プレゼンなかなかよかったぞ。」
「まじかよ…誰のせいでこうなったと思ってんだよ!」
中山は思わず自宅で呟きます。
「なんでだよ…そんなに俺悪いことしたか…ちょっと呟いただけだろ。」
ヌーヌーのリオは、リホの前では気丈に振舞いますが、彼もストレスが蓄積していました。
理と灯がレコーディングスタジオを後にすると、リオはトイレで荒れて叫んでいました。
「最近は一般人も炎上するケースが多いですね」
「ヌーヌーを誹謗中傷している人、個人特定されたんだ。」
「なんかやだなぁ、こっからも黒いものが漂っている。叩く人とそれを叩く人…」
「モノ申したくなってきているねぇ、SNSにどっぷりはまると、そこから抜け出せなくなる。そこから書き込むまであと一歩だよ。」
柏原(片平なぎさ)と、灯と理は世の中のネット中毒のなりやすさを話し合いました。
ネットに依存し、書き込むことで勝手な正義感が芽生え、「誰かのために」の名目で、誹謗中傷となってしまう難しさ。
灯と理が馴染みの店、「喫茶柏原」から出ると、リホが来ていました。
「開示請求を辞めたいんです。マネージャーにスマホ没収されているんですけど、誹謗中傷とかぐるぐるしてきて…つまり、なんかいや!辞めたいんです。」
「依頼人はお兄様なので、君からのお願いはダメ。リホさん、弁護士は依頼人を助ける勇者と思っていませんか?」
「たしかに思っているかも。実際は勇者は依頼人のリオ君です。弁護士はただの道具にすぎません。その道具をどう使うかを依頼人が決める。闘うのはリオくんです。」
「でもリオはほんとうは闘いたくない。何年も一緒に住んでいるから分かるんです。無理して気合入れたりしていて。」
リオがトイレでストレス発散をしている様子を思い出す、灯。
「今辞めるとあの動画は逃亡かなど書かれますよ。なんのために誰のために動くべきなのか考えてみてください。辞めたいと思っても言うべき相手は僕達じゃない。伝えられくても言葉にしなきゃダメな時もあります。」
理はリホに柔和な口調で厳しく助言をしました。
「リオ、開示請求辞めよう?」
「じゃあ今はリオは満足?」
「当たり前だろ。俺らの無実が証明されて充分だよ。」
「リオ、私やファンを守る為見て見ぬふりしていることあるでしょ。私たちを守ろうとしてくれた人がいじめられってる。リオ、歯を食いしばれ。」
リオに殴りかかる、リホ。
「なにすんだよ!」
「リオ、ヌーヌーは一人じゃないんだよ!一人で背負わせてごめん」
「じゃあリホはどうしたいんだよ。」
「ちゃんと言葉で伝えなきゃ」
リホはカメラを回しながら生配信を開始。
「あの体調不良で休んでいました。嘘の投稿を広めていた人について興味ありません。私達を中傷していた人が中傷されています。その中心にヌーヌーがいる気がします。今その人たちが苦しんで…リオも、ファンのみんなもそう思っている。こんな状況楽しくない。これはヌーヌーのやりたかったことじゃないから。ヌーヌーが、みんなの笑顔の中心になる。こんなのヌーヌーじゃない…」
「俺、ずっと自分を誤魔化していたのか?」
その頃、中山は娘に怒鳴られて家族を悲しませていました。
「誹謗中傷ってなんなの!恥ずかしくて学校行けないよ。最低」
「開示請求は辞めません。辞めたら今後闘う人を苦しめてしまうことになる。私たちは誹謗中傷で苦しみやりたくない誹謗中傷で苦しむ。誹謗中傷された人たちは私達に訴えられて苦しみます。本当はこんなことやりたくない…けどやらなきゃ。誰の為に何をすべきかそれを考えるべきか、ある人が教えてくれました。起きたことはもうひっくり返らない。私達にできることをします。私達にできることは歌う事。もう何があっても歌うことは辞めない。ファンの想い、晒上げて不幸になってしまった人たちの為にも私達は歌います。悲しい事はもうやめて!」
ヌーヌーの告知を見た中山を含めたネット民たちは自分たちの行いを反省します。
リホは生配信で思いを伝え終わり、兄のリオとアイコンタクトをとりました。
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫。」
「俺達には俺達の闘い方がある。」
そこで、リオとリホは「ヌーヌー復活ライブ」を路上で開催することに。
「先生、私も行っていいですか?」
「何言ってんの?勿論行ってきてください。依頼人に寄り添うのも君の仕事でしょ。」
ヌーヌーのリオとリホは、デビューしたあの場所でライブをすることに。
「正義の味方なんて誰かにとって悪役だ。そんな世界で僕らにできることはなんだろう。笑顔も涙も強がりと全部ぎゅっと抱き締めるから。僕のペースで良いから今を生きていこう。よそ見しないで。何度も生きていこう、心、共鳴させて。何度だって歌おう、僕ら一人じゃないから。世界中巻き込んで走れ、ただ真っ直ぐに。」
ヌーヌーの路上ライブには中山も来ていました。
中山は改心する気持ちを持ちますが、ジャスティス速報と名乗る男は、相変わらず書き込みます。
案の定、彼のところには他のネット民から反論が殺到しました。
「祭りも終わりかな…」
ライブが終わり、疲れから解放されたヌーヌーの2人。
「これで宣伝乙とか言われるかな。」
「気にするな。好き勝手する奴はほっとけ。」
「良かった、ヌーヌーがなくならなくて…」
「本当の泣き虫発見。」
リオとリホは心から自分たちのやってきたことが無駄じゃなかったことを共感。
「法律はしょせん法律。武器でしかない。見ている人の感情が動かされ、強烈な説得力が生まれる。これは良い前例になるかもね。」
リオとリホ、灯と理は祝福をします。
その頃、とある居酒屋にて。
「…お前!」
飲み会の席で、女性社員(入山法子)が、後輩の男性社員(浅利陽介)と口論になり、突き飛ばされて負傷していました。
その後、男性社員は逮捕されていきます。
しょせん他人事ですから3話感想・みどころ
誹謗中傷をされた側も、リオとリホの件を見て、彼ら兄妹を誹謗中傷した人を叩いた側も、人が人を叩き合い潰す歪な世界を感じました。
リオが妹を守るために、自己犠牲的な面がつらかったですね。
誹謗中傷をテーマに取り上げ、ちょっとした気持ちで書き込んだ人全員が、ターゲットになり、名誉棄損をした加害者になってしまう現実。
ひどい言葉を使わなくても、リホとリオ兄妹の件に首を突っ込み、相手を傷つける言葉を使わなくても、煽ったり、ネタにすることがいかに罪深いかが伝わりました。
リホとリオが自分たちが本当は何がしたいのか?ヌーヌーを続けるため、原点に返って復活ライブをした様子は心打たれました。
リオとリホの歌は、歌詞が今、生きにくい世の中で、もがき苦しむ人たちを元気づけるような温かさがありました。
「正義の味方なんて誰かにとって悪役だ。そんな世界で僕らにできることはなんだろう。」
今日のエピソードに寄り添うようなメッセージ性があり、言葉の難しさが蔓延る現代に訴え掛けていると思いました。
作詞した人が誰なのか気になりましたね。
理は相変わらず依頼人の件に他人事でも、弁護士は、依頼人を助ける道具にすぎない、本当の「勇者」は依頼人という言葉は納得です。
彼の言葉がなかったら閉じこもりがちで、兄のリオに頼ることをどこか申し訳なく思っても、動けずにいたリホが変わる事はできなかったと思いました。
リオとリホ兄妹に幸あれ!
そして、一難去ってまた一難。
居酒屋の男女トラブルに、理と灯はどう対処していくのでしょうか。