しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~

しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~4話 軽い気持ちの炎上にご用心

しょせん他人事ごとですから~とある弁護士の本音の仕事~4話あらすじネタバレ

ジョギング中の男性、黒川大樹(浅利陽介)はパトカーに敏感に反応しながら、毎日を過ごしていました。

「喫茶柏原」に来店した、保田理のパラリーガル、加賀美灯は、優しい笑顔に似合わず、依頼人にも厳しい保田のきっかけを知りたがっていました。

加賀美灯(白石聖)は、「喫茶柏原」で、保田理(中島健人)の相談者への態度に日々、見がち事務想いをしている胸の内を明かしました。

「その時に相談にのってもらって。昔、店がちょっと炎上したことがあって。それをきっかけにネットを見るのをやめた。逆に保田くんは弁護士になった。他人事の掛け軸もそのきっかけ。あれはもう10年近く前になるかな」

そんな灯に柏原麻帆(片平なぎさ)は、普段は素っ気ない保田が店を救ってくれた昔の出来事を語り始めます。

10年前。

「当時、バイトくんと2人で経営していたの。」

バイトの高梨(本田響矢)と切り盛りしていた当時、「こんな店潰れればいいのに」という電話がかかってきました。

「ひどい店ですね。最低」

「あの?なんですか?!」

「逆ギレ?やば!」

高梨が喫茶柏原に関するSNSの誹謗中傷をすぐ、柏原に伝えました。

身に覚えのない書き込みが拡散されて炎上。

なんとケーキに破片が入っていたというあらぬ疑いまでかけられました。

頭を抱えていた時に保田が現れました。

「まんまるパンケーキ下さい。」

「あの人なんか怪しいんですけど」

「見ない顔よね」

「もうなくなってる!何者なんだろう」

店の名物「まんまるパンケーキ」を美味しそうに頬張る保田を見守っていると喫茶柏原を隠し撮りする若者もいました。

「警察に行っても、無料法律相談に行っても、ダメだった。」

「今よりも誹謗中傷が認識されていない時代でしたからね」

保田が弁護士だとわかった麻帆。

「とっつきにくそうな人だと思っていたけど、他に縋りつける人いなかったから。嫌な奴だと思ったけどこのチャンスを逃したくなくて。」

保田にサービスと言ってパフェとババロア、チーズケーキを出し、懐柔しようとします。

「あの弁護士さんですか?」

「専門家のアドバイスはただじゃありませんでしたからね。…分かりました、30分だけ相談にのります。」

そこで、保田法律事務所を訪問することになった、柏原。

「殺風景な事務所ですね。本当に弁護士事務所ですか?」

「できたばかりの事務所ですから」

「これが問題の投稿です、うちのミントケーキにプラスチックの破片があるって…」

「異物混入したんですか?」

「してません。だってそんなのが刺さっていたら、お店で出せないでしょ。どうにかして?」

「具体的にはどうされたいのですか?」

「どうにかはどうにかよ」

「情報開示請求、削除請求、IPアドレスを特定してもらう、サーチプライスの海外法人に問い合わせて…まぁ簡単に言えばめちゃくちゃハードル高そうです。虚偽の立証をしてみましょう。店側に非はないことを伝えましょう。炎上なんて、すぐ終わりますし、落ち着くまで待つしか。僕の事務所もよくあることないこと書かれます。」

「あの店は亡くなった父の店なの。名物まんまるパンケーキの味をそのまま30年受け継いだのよ。30年よ?30年続いた店を、潰したくないのよ。私は店を守りたいの。」

「こういうレビューサイトは歴史が浅いので…樫原さん、10万、20万円払えますか?実験で」

「実験って…」

「では削除請求と情報開示請求、承りました。」

そこで高梨にも保田の件を話しました。

「あの人に頼むことにしたわ。うちのスイーツをあんなに美味しそうに食べてくれるし、悪い人じゃないと思う。くよくよしても仕方ない、できることをやりましょう。」

当時は誹謗中傷に対して時代が追いついておらず、判例資料も少なく、今よりもハードでした。

ガラの悪い男性客が来店しました。

アップルパイを出すと男はすぐアップルパイの写真をSNSに載せてから食べました。

男のことを保田に話す柏原。

「アップルパイを食べてSNSに載せただけなのよ。でも怪しくて」

「柏原さん、人物が特定したら、情報開示請求だけじゃなく賠償請求もできますよ。」

サーチプラスに問い合わせた保田。

「ケーキに異物が入っていたら、従業員が気づきますよね。投稿者は2回、喫茶柏原を批判しています。悪印象のある店に何度もレビューする方、います?」

サーチプライス社に問い合わせて、情報開示請求を求める段階になりました。

あの例の男性客は、ダイエットで食べたケーキを投稿しているだけでした。

「個々の店のケーキ美味いんだよね。ダイエットで食べたケーキをSNSに載せてるんですよ」

そう言われてみると、お客全員を疑ってはいけないと思う、柏原。

「昔は保田さん真面目に仕事していたんですね」

「ええ。何かと熱心になってくれてあっさり解決したわ。」

加賀美に10年前のことを話し続けていると、とある男性客が。

ジョギングをしていた男性(浅利陽介)です。

保田は10年前、喫茶柏原のケーキの異物の正体をレビューサイトに載る疑惑の写真から見抜きました。

馴染みの優しい客もいるなかで、無事、業務が終わった、「喫茶柏原」。

閉店時間に訪ねる、保田。

「どうも、無事IPアドレスが開示され、プロバイダから、投稿者に情報開示請求をして、そこから裁判です。」

「あの…いや、なんていうか」

「心が痛むっていうか、そこまでしなくてお…あ、いや、怖いですよね。炎上って。」

「怖いと言えばこんな話を聞いたことがありまして。知人から聞いた話ですが、大学生のAが、同じ大学のバイト仲間と働き、充実していました。厨房でふざけ合っていました。仲間同士身内ウケを狙ったつもりなのでしょう。店のキスの一夜干しを持って、キスにキスという渾身のギャグを披露。そのあくる日、その日はなんだかスマホの通知が鳴るんです。ななんだこれ…そう!彼、SNSで大炎上していたんでし。バイト仲間がSNSでAくんを特定し、炎上。これがバイトテロというます。軽い気持ちで上げたものが炎上する、バイトテロ。店から賠償請求をされ、心身共に憑かれて引きこもりになりました。本当に怖いのはその後…数年後、就活をして気持ちを立て直したA。最終面接まで行くけど、内定がもらえない。企業がバイトテロの件を知り、不採用にしたのです。デジタルタトゥーと言いまして、人生に暗い影を落とすことになります。もちろん悪質なレビューの投稿者も招待が知られたらそれも例外ではないでしょう。まぁそういう話です。」

「あのどうして僕にそんな話を…あの・・・すみません」

保田は意味深に高梨を見ました。

店を批判する投稿と、ケーキの犯人は、高梨だったのです。

「あの済みません、僕があのレビューを投稿しました」

「やっぱりそうですか…柏原さんも気付いていたんですよね。あの写真の投稿。ソースがケーキにかかっていませんでした。僕の食べたものにはかかっていました。確証がなかったので揺さぶりをかけてみたわけです。」

「高梨くんに味見してもらったの。来週から出すスイーツだから。味がソースで引き締まったから。」

「ごめんなさい!ずっとバレるかびくびくしていて」

「どうして!」

「お店に恨みはないんです。お店のこと大好きです。就職活動していた時に休憩しようって入ったら紅茶とパンケーキが美味しくて。店長も優しくて癒されてバイトするならこの店が良いって。だから恨みとかじゃないんです。自分でもホントなんでこんなことしたんだろうって思っているんですけど。ただ自分だけ就職できずにバイトしているなかで、大学の仲間たちが新入社員として働いていて、悔しくてむしゃくしゃして、その気持ちを裏垢で毒づいて…なんかいろんなことが重なってむかついて。まさかこんな大事になるなんて思わなくて…」

「大事になるなんて思わなかった、みんなそういうみたいですね。ネットで誹謗中傷する人の動機はそんなもんです。不快理由なんてない。これで開示請求する手間、省けました。犯人が分かったので、あー、このことをSNSでアップするのもいいかもしれません。氏名は書かないにしても特定作業が始まっちゃうかも。」

「高梨くん、ここは父が経営した店なの。だからあなたがしたことを許すことはできない。だからといってあなたを訴えたりしないわ。あなたが反省したことは充分伝わっていたから。あなたは必死に挽回しようと頑張ってくれていた。そんなあなたの未来、奪うことはしたくないから。」

「いいんですか?」と保田。

「私は真相が知りたかっただけ、炎上も収まってきているし、うん、うん、それでいい…だから高梨くんしっかりはんせいして、これからは自分が納得できる道を真っ直ぐ進んで長大。」

「ごめんなさい。ほんとうにごめんなさい」

「保田先生がいてくれたおかげで丸く収まることができた」

「僕は残念です。このまま実験ができたのに。あーあ、楽しみだったのにニャー」

「先生はずっと他人事ですね、まっ、それで私は助かっている。」

「その言葉しっくりきました。距離があったほうが親身になれるって。うん!それだ、しょせん他人事ってことです。」

その後、保田は、「他人事」という掛け軸を法律事務所に貼りました。

依頼人とは、距離感があるからこそ、親身になれるのです。

「保田くんには感謝しているのよ。おかげで炎上も忘れられて、店にはこんなにお客さんが戻ってきた。実は依頼者思いの先生なんじゃないかって。」

「面白いから、沢山の情報が拡散されて…ゲームみたいな。あ、今日のログインボーナスまだもらってないな。今日2倍デーなのに」

「さすがミスター他人事。」

そんな喫茶柏原の10年前の話を黒川大樹(浅利陽介)は耳を傾けて聞いていました。

深夜にジョギングをして、警察に怯えていた男です。

黒川はジョギングから帰宅すると、幼い一人娘と妻、黒川知代(佐津川愛美)が待っていました。

ドーナッツ店を経営しながら、黒木は慎ましく家族と暮らしています。

彼は自分の名前をエゴサーチし、「黒川大樹 傷害事件」という言葉を見つけて、落ち込むのでした。

未だ自分がしたことは消えない事実を痛感する、黒木。

黒川は10年前、同僚の女性、鏑木香織(入山法子)と飲みの席で口論になりました。

「おい、お前、いつの話し?酔いすぎ!痛いって!」

「黒川ー!反省しろよ!」

「お前…!」

鏑木を突き飛ばし、助けようとした店員も突き飛ばしました。

たまたま店にいた他の客は黒川が飲食店で鏑木を突き飛ばした様子を写真に撮っていました。

翌朝。

鏑木は、喫茶柏原を訪ねます。

「あの先日、弁護士先生との話を聞きました。」

「ああ、お恥ずかしい」

「その件で、弁護士先生を紹介していただきたくて…ネットの炎上で。」

柏原に、保田を紹介してほしいと恐る恐る申し出た、黒川なのでした。

しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~4話感想・みどころ

掛け軸に「他人事」と保田が書くようになった10年前の喫茶柏原の炎上出来事。

犯人は熱心で協力的だった従業員の高梨でした。

周囲は就職していて、自分はずっとアルバイトという状態に鬱屈を感じ、店を愛しているにもかかわらず、軽い気持ちでやってしまった過ち。

軽い気持ちでやったことが、どんどん拡散し、一般人でもあっという間に、後ろ指をさされるようになってしまう恐怖が伝わりました。

試作品のケーキに敢えて異物をいれたり、店を炎上させるなんて…。

保田が話したバイトテロの件も、今回の高梨の事も、誰が当事者になってもおかしくない現実ですね。

どんなに人生に迷いがあっても、ようやく自分を受け入れてくれた柏原を裏切らないでほしかったです。

本日は、浅利陽介さん演じる、黒川大樹と、同僚の鏑木の件がメインかと思いきや、保田が10年前に喫茶柏原の危機を救い、掛け軸に「他人事」と書くようになったきっかけでしたね。

依頼人の案件を解決するためには、依頼人に深入りや感情移入をしない距離感が、保田のやり方なのでしょう。

しょせん他人事だからこそ、速やかな提案ができるし、加賀美のように、人情味を出しすぎてしまうと、どんな方法が依頼人の案件に最適なのか分からなくなりますよね。

そして、「炎上」をテーマに、今度は、黒川大樹が10年前に同僚の鏑木を宴の席で負傷させてしまったケース。

鏑木は黒木にひどく酔いすぎて彼を批判し、カッとなった黒木が彼女を突き飛ばしてしまいました。

10年経過しても「時効」ではない現実を突きつけられますね。

自分を知る人間がどのくらいいるのか不安になる黒木の心理を深く切り込む次回に期待したい4話でした。

 

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