海のはじまり

海のはじまり8話 父になる者と父だった者

海のはじまり8話あらすじネタバレ

夏はかつて、大学時代に、水季(古川琴音)をカメラに収めていました。

「かわいい?」

「水季面白いじゃん。いろんな顔しててお父さんのカメラだよね?」

「3歳の時に離婚していてそれから会ってないんだよね」

「そうか。」

「撮れた?」

「フィルムだからすぐ見れない」

「えー見たい。見せて。」

夏は、今は、娘の海(泉谷星奈)を撮影していました。

スイカを美味しそうに食べる海をからかう夏。

「スイカの種ペッて出して良いよ」

「飲み込んじゃった」

「じゃあスイカの芽が出るかもしれないよ…冗談だよ。」

「もう!」

「ほらほら芽が出てる」

夏(目黒蓮)は、南雲家で暮らす1週間を終えました。

水季(古川琴音)の両親、朱音(大竹しのぶ)と翔平(利重剛)に見送られて、南雲家を後にするのでした。

一人娘の海(泉谷星奈)にも見送られます。

知り合いの写真屋、新田良彦(山崎樹範)の店で写真を受け取るのでした。

そして新らたに2つのフィルムを現像に出します。

「ペース早いな」

「旅行帰りだから」

ベッドに横たわり、海の笑顔に、思わず頬が緩みます。

「ブレてる」

翌日、夏は仕事の休憩中、ある人物へ電話します。

呼び出しの音の相手は、電話を摂りますが、なにも言いません。

「急に済みません、母から連絡先を」

「夏?おお、元気?」

「はい」

その人物は夏をよく知っていました。

その頃、海は祖父の翔平(利重剛)と祖母、朱音(大竹しのぶ)に見守られて宿題をしていました。

「何で見るの?宿題しているところ撮るの?」

「ううん、見ているだけ」

「夏くんすぐ写真撮るよ」

「そうだね。なんかわかるかも。」

夜に、夏は恋人の百瀬弥生(有村架純)とスーパーへ行きました。

「今日、俺作るから。」

「やった、何作ってくれるの?コロッケ作ってみ?びっくりするよ面倒くさくて」

「栄養とかバランスとかちゃんとしているのがよくて。好き嫌いほとんどないんだよ、偉いよね。」

「そうだね。子供の為に考えないとね。」

弥生は喜びますが、夏が海のことを考えて料理をしようとしていることを察する、弥生なのでした。

当たり前のように海の話が多い夏に複雑な気持ちを持つ、弥生。

翌日、朱音は夏と出かける海の髪を結います。

「可愛い?」

「なんで海も連れて行くのかしら」

「きっと心細いんだろう」

「認知、するんだって」

「だろうね。いいんじゃない?面白くない?」

「ちょっと羨ましくなっちゃった。」

夏は海を連れて喫茶店へ出かけました。

振り返ると、誰かを探している男を見かけました。

彼こそ、夏の実父、溝江基春(田中哲司)だったのです。

電話の相手は彼でした。

「おお、いた!違った?夏じゃない人?」

「ああ…」

「なんだ合ってるじゃん。知らない人の顔するなよ。なにこの子」

「言える?」と海。

「こんにちは南雲海です」

「どうも溝江です。で、誰?」

「娘です。」

「あ、そう…ゆき子あいつそういうのは連絡くれたっていいのにな。いつ結婚したの?」

「してません」

「離婚したの?」

「してません」

「そうじゃなくてこの子の母親が…」

「俺、関係ないし、いいんだよそういう複雑な事情みたいなの苦手なんだよ、聞かされるの。二十うん年してから会いたいって、ただ会いたいってことはないだろ。」

「この子が娘がいるって知ったのが最近で2ヶ月くらい前で。それで自分も父親に会っておきたいって思うようになりました。」

「ん?それだけ?」

「はい」

「あ、そう、あじゃあもう終わり?会えたけど?」

「いくつか聞きたいことあって」

「おお、どうぞどうぞ」

「写真趣味だったんですか?」「

「写真?趣味は競馬くらいかな。パチンコは行かないんだよ。やる?釣り、競馬、麻雀。」

「やらないです」

「お前ほんとに俺の子?あとはなに聞きたいの?あ、愛していたかとかそういう話なしね。生んでもないし保証とかないし。なんだっけ名前?」

「海!」

「海、変な名前だね。ハハハ、母親変わってるんだな。」

「もしもし」

不快感を感じ、義理の弟、大和に来てもらいました。

「誰?お友達?」

「弟。」

「再婚の姉の連れ子か。」

「大和と待っていて。」

「はぁ…ちっこい子どもいてなんで再婚とかするかね。あれ?2カ月前に知ったって言った?なにそれマジ?それもう絶対お前の子じゃないだろ。女ってそう?ずるいよな。産めるってずるいよな。」

水季を侮辱されたことに、夏は思わず、椅子を蹴っ飛ばします。

「お前今いくつ?まだ反抗期なの?」

「大学生の時の彼女が…別れたあとに子供産んでました。それがあの子です」

「へぇ」

「その人が病気で2カ月前に亡くなりました。葬式で子供がいたって知りました。」

「ほう」

「育ててないけど、俺の子です」

「おう」

「だから育てられてないけど、親に会ってみたかっただけです。」

「育ててなくても血がつながっている親は子供を思って、離れてっても、愛し続けているに違いない。って期待しちゃったの?残念だったね。育ててない親なんてしょうもないってわかっちゃったね、可哀そうに。」

「夏君のパパだって。大和のパパと違う人だった」

「パパってあだ名みたいなもんなんだよ。」

「大和!ごめんな。」

「大丈夫か?」

「怖い。怒ってる?」

「ごめんね…怒ってないよ」

海を気遣う夏ですが、険しい表情で、海を見ていた為、海に怖がられてしまいました。

横江はその後、夏がよく行く写真店に行き、新田良彦(山崎樹範)と会いました。

「あれ、横江さんじゃん。月岡くんかと思ったよ。上背が」

「月岡って…ああ、あいつそんな苗字なんだ、夏?」

「気軽に連絡取ればいいのに、似た者同士だな。」

海を抱き上げて落ち着かせると、その後、公園へ向かいました。

大和は事情を話して、弥生に来てもらいました。

「弥生さんの親の話し聞いて、親ってだけで期待しないと思って」

「私も実家に帰って今日こそうまくやれると思って帰るんだけど。」

「弥生ちゃん!」

「海ちゃん、遊びに来ちゃった。」

「そっか。それおしゃれだね。遊ぶ時危ないからとろうか」

「やめて!」咄嗟に夏が止めます。

「水季の遺灰が入っているんだ。」

「ごめんね、可愛いからアクセサリーだと思った。…優しいね。」

その頃、夏は写真展に来ると、写真展店主から、溝江が来ていたことを知りました。

「溝江さんに競馬と釣りとマージャンに連れて行かれたよ。子供と行きたいけどまだ赤ちゃんだから連れて行けないって言ってた。」

「来たんですか。あの人…」

「で、理想の親子の再会じゃなかったわけね?連絡すればいいじゃん。2人とも似てるんだよな。不器用で。」

「今、この釣り場にいるって。」

そこへ行くと、案の定、基春がいました。

「なに?まだ話したい事あった?」

「ここにいるって聞いたから」

「お前、小さい時トイレ行くだけでついてきて面白かったな」

「なにが?」

「子供。生まれてから違うまで毎日違う顔していて。目が合うだけで笑うし、面白い生き物がいるもんだなって」

「母が全然育児に協力してくれなかったって」

「育児なんかしてないよ殆ど。毎日違うから残しておかないと勿体ない気がして。現像しなきゃいけないし面倒くさくて、デジカメのほうが良いよ。」

夏がデジカメを見せると、基春は笑います。

「そうそれそれ!撮ってみるとな、素人でもいいかんじになって。欲しいかって聞いたことあった。趣味じゃなきゃあげねぇよ、こんな3つの子に。」

夏にカメラを向けて撮ろうとします。

「ここだめだ、魚が生意気だ。よくそんな父親なんてやる気になるな」

「昔の女が勝手に生んでいたなんて。俺なら無理。立派だよ。やっぱ俺の子と思えないわ」

「そんなことないです。面倒くさいことになるなと思っていました。おろしたと思っていたので…でも生きていて良かったと思っています。今、3年付き合っている人がいて」

「あっちゃー最悪だ。」

「知らなかったこと責めてくる人もいるし」

「隠されていたのもつらいけどな。でもたぶん俺よりつらいから、しかも優しいから言えない。こういうの言えない。怒ったりわがまま言ったりその人達より悲しそうにできない。俺だって悲しいのに。嫌いになって別れたわけじゃない人をそのまま1回も会えずに死んで、子供のことも病気も何も知らないまま死んで…」

「ここだな!周りがみんな優しくて悲しい悲しいつらいって辛いな。その優しい皆さんに支えられてしんどくなったら連絡しろよ。」

「面白いと思えたならなんで一緒にいようとしなかったんですか」

「久しぶりにお前を抱っこした時重くなったなっていった。そしたらゆき子が泣き出した。なんとか検診で成長が引っかかってて、面白いだけなら趣味楽しみたいだけなら趣味、競馬とか釣りと子供を同じように考えている。責任もない心配もしないフェンス越しに見てただけ。あ、お前、あれ偉かったわ。子供の前で蹴っ飛ばさなかったの。でもお店の椅子蹴っちゃだめだからな、子供じゃねぇんだから。本音言いたくなったら連絡しろな。」

「おお、夏聞いて!美味しいビールあるから一緒に飲もう。」

帰宅すると、義理の父、和哉(林泰文)とゆき子(西田尚美)、大和(木戸大聖)に、戸籍を出して、海を認知することに決めました。

「海ちゃんの父親になる事にした。」

「了解」

「夏、ビール美味しいよ。」

「海ちゃんのパパ、始めようと思う。今は戸籍上は他人だから、戸籍出して、周りから認めてもらおうと思っている。」

「一緒に暮らすの?お仕事の日も?休みも?」

「うん」

そして次は朱音に話を切り出しました。

「仕事の事今後の事、いつでも相談して」

朱音は水季からの手紙を夏に渡しました。

「隠してたんじゃないのよ。親になるって決めたら渡してって言われていたの。」

そこにはイルカの付箋紙が。

そして、手紙を読んでから、弥生を呼び出し、水季が弥生に宛てた手紙を渡す、夏。

「もらっていいの?」

「うん。水季から。海ちゃんにも親になるって話した。またゆっくり話そう。俺たちがどうするかは。」

≪夏くんの恋人へ≫

翌日。

弥生は水季がかつて働いていた図書館へ行き、津野へ。

「海ちゃんが番号知っているって言いましたよね。」

「私が津野さんのところにくるのも変ですけど」

「直接来るのも変ですけどね。生きづらそうな性格ですね」

「はい。水季さんが書いたお手紙をいただきまして」

「恋人でってやつですよね」

「ご存じなんですか?」

「ええ。中身は見ていないけど。怖いですねー何書かれているんでしょうね。まだ読んでないんですか?」

「海ちゃんの母親になる人が書いたなら私が見ちゃうのも」

「はぁー」

「月岡くん優しいんです。」

「いいじゃないですか」

「ふとすごく悲しい顔するし」

「元カノ亡くしていますからねそりゃ悲しいでしょ」

「何も言えなくなるんです。たぶん月岡君もそうです。私がつらそうにするから無駄に優しくするから本音、言えなくなっています。」

夏に本音が言えない苦しさ、夏もまた自分に言えないなにかを隠していると察し、心を痛める、弥生なのでした。

海のはじまり8話感想・みどころ

離れて暮らしていた父の基春と再会した夏。

夏と基春の間には独特の間があり、彼も夏と同じで自分の想いを伝えるのがとても口下手なんでしょうね。

「はぁ…ちっこい子どもいてなんで再婚とかするかね。あれ?2カ月前に知ったって言った?なにそれマジ?それもう絶対お前の子じゃないだろ。女ってそう?ずるいよな。産めるってずるいよな。」

父親からこんな言葉が出るなんて、夏も予想外だったと思います。

女ってって言い方も私としては女性を見下しているように感じました。

ゆき子も言っていたけど、「傷つくのは女の子のほう」だからこそ、夏と水季の間の苦悩を知ったらそんな言葉でないと思うんですがね。

「育ててなくても血がつながっている親は子供を思って、離れてっても、愛し続けているに違いない。って期待しちゃったの?育ててない親なんてしょうもないってわかっちゃったね、可哀そうに。」

薄情な言い方だなとも思いましたが、夏を育てることを「よその子は同じ顔なのに、自分の子供は毎日表情が違って、面白い生き物だな」と言っている場面は、彼を心の底では愛していたことが伝わりました。

どこまでも不器用で頼りなく、情けない父親だけど、父になる夏を遠目で寂しそうに見つめる視線が切なかったです。

夏とこの父親のなかには、彼らにしか分からない親子の絆を感じましたね。

父親になることを認知した夏が新たな一歩を踏み出そうとしていることに自分の存在が弊害になっていないか気にしているのではないかなと思いました。

津野との間にも独特な距離感があり、弥生が津野から「生きづらそうな性格」と指摘された場面は、少し皮肉だなと思いつつも、弥生の行動や態度は確かに生きづらそうですよね。

夏と弥生がそれぞれ納得するかたちで、海を支える人として、幸せになってほしいと願います。

水季が夏と弥生に宛てた手紙の内容がもう気になりすぎました。

海を生む決意をさせてくれた弥生にどんな手紙を綴ったのか、胸がザワザワした8話でした。

 

 

 

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