探偵由利鱗太郎最終回あらすじネタバレ
オペラ歌手の原さくら(高岡早紀)が何者かに殺される事件が起きました。
さくらの亡くなり方がかつて死んだ新人歌手、藤本章二(池岡亮介)の事件を連想させる不気味な状況でした。
アシスタントマネージャー、雨宮順平(水沢林太郎)、さくらの夫の総一郎(大鶴義丹)、マネージャーの土屋恭蔵(鈴木一真)、後輩歌手の相良千恵子(吉谷彩子)、さくらと犬猿の仲のコンダクター、牧野(大河内浩)と蓮見(本郷弦)ら全員が、亡霊になったさくらを目撃し、その謎多き現象に怯えています。
また、その場に居合わせたさくらの関係者の一人で、テノール歌手の小野竜彦(佐野岳)と、バリトン歌手の志賀(水橋研二)も、さくらの亡霊に遭遇していました。
志賀はさくらの亡霊に酒を注ぎ、自分だけの世界に浸っています。
今度は、宿泊先のホテルにて、雨宮が急死する事態や、千恵子が行方をくらまして大騒動に発展。
雨宮は、総一郎の部屋から転落死したと思われていましたが、彼の首の痕跡から絞殺と断定した、由利(吉川晃司)。
犯人は窓の外にいたという由利。
由利の助手、三津木(志尊淳)や大阪から来た刑事、浅原(板尾創路)や、由利の頼もしい存在で関東地方に住む刑事、等々力(田辺誠一)も駆け付けました。
さらに、由利の推理によると、5階の衣裳部屋から雨宮が何者かに絞殺されたのち、突き落とされたことを指摘。
嵐で停電が起きた時、雨宮は4階の部屋で殺害され、5階に運ばれたと言葉をつづけた由利。
ここで、小野が重い口を開き、衝撃の真実を口にします。
小野はさくらの遺体が発見される前に、謎めいた子どもから暗号が書かれた手紙を渡されました。
暗号には、「すぐ宝塚へ来たれ」というメッセージがあり、さくらと小野は頻繁に暗号メッセージを利用してやりとりをしていました。
さくらは、亡き若きアーティスト、藤本の母親で、小野にだけそれを話していました。
それに加えて、黒いコートの男には絶対に近づかないようにと小野に忠告。
三津木はその男を事件が起こってみんなが混乱している時に窓から見たことを思い出します。
由利はこれですべてが繋がったことを確信します。
黒い燕尾服を見て、由利はさらにピンときたことがありました。
千恵子が以前、演じた役で燕尾服にシルクハット姿の黒ずくめだったということ。
千恵子に問いただすと、彼女はさくらのためならなんでもやるつもりで、さくらの部屋から事件の鍵となる写真を持ち出したことを告白。
その写真は、さくらの息子、藤本の幼少期が写っていました。
しかし、由利は言葉を続け、藤本はさくらの息子ではなかったのです。
小野が目撃したフロッグコートの男も偽物、その正体は燕尾服を着た千恵子でした。
さくらは自分を本当に愛してくれる男性を欲していて、小野はさくらに嘘をつかれていたのです。
無邪気で子どもっぽい性格のさくらは、人の心を弄ぶことがよくあり、由利はそんなさくらをもしかしたら何らかの精神疾患の可能性があると推理。
千恵子は犯罪は犯しておらず、小野に藤本がさくらの実子ではないということを伝える為にさくらの部屋から燕尾服に変装して写真を持ち出したことを認めるのでした。
さらに、志賀が自殺。
「マダムバタフライ」が自滅するときに使用した短剣で自らの命を閉じました。
この時、志賀はさくらの亡霊を見ていて、心臓麻痺を起こし、発作的にこの行動をとったと推理する由利。
さらに、事の真相が全てわかります。
さくら楽団が見たさくらの亡霊は、千恵子。
志賀はさくらと杯を交わしたと言っていて、携帯にさくらへの愛や自死する決意を固めたメッセージ動画を残していました。
由利は「さくらと酒を飲んだ」というのは、志賀が妄想と現実の境目がわからなくなってこのようなことを言い出したとばっさり斬ります。
つまり、さくら楽団の関係者全員は、誰がどう見てもかつらと衣装以外を除けば、千恵子だとわかるのに、さくらの死で精神的にさくらの亡霊を見たと勘違いしたとのこと。
それから、さくらは、性機能障害で子どもを授かれない体質でした。
そのきっかけは、高校時代、ライバルの恋人から乱暴されそうになり、偶々通りかかった一般人によって、強姦されずに済みました。
しかし、男の顔を見るとそのトラウマが蘇ることもあったとのこと。
さくらは生前、藤本を訪ねたことがありました。
そこで、彼が息子だということは創作だということを彼にがなり立てられながら指摘されたことを機に突発的に藤本を殺したことも明らかに。
殺された雨宮はさくらの夫、総一郎が別の女性との間に生ませた子どもであることもわかります。
雨宮を殺したのは、土屋でした。
土屋は元々、雨宮にパワハラをしていて、彼を心底、憎んでいました。
1階にいた土屋は雨宮を意図的に殺し、遺体をカーテンに包んでロープで吊るして殺したのです。
さくらも土屋によって殺されました。
由利は、真犯人を言い当てた後、さくらの死後、別の女性と関係を結ぶ総一郎と、総一郎を最後に殺そうとした土屋の犯行を阻止しました。
最後に、千恵子は土屋が元々、楽団の女性に手を出す恐ろしい一面を持っていたことや、さくらの精神疾患の症状から、このままだとさくらの身が危ないことを案じていました。
そして、さくらは、人を驚かせることが好きで、蝶々夫人の衣装姿で自分がコントラバスケースに入っていたら面白いなどといたずらっぽく生前、千恵子にだけ話していたことも発覚。
千恵子は犯罪に関わらずに済み、事件を解決してくれた由利と三津木に礼を述べるのでした。
最後に、総一郎はさくらの幻覚を見て、階段を踏み外して他界。
志賀と由利は相変わらずバディを組むことにしますが、志賀は由利のこれまでの活躍を小説として自分のパソコンのデータに書き残していました。
探偵由利鱗太郎最終回感想・みどころ
さくら楽団の全員には、なぜ、さくらの亡霊が幻覚のように見えるのか?非常に不思議ですよね。
子どもと大人が同居したような女性、さくらは悲惨な亡くなり方をしましたね。
学生時代のトラウマのせいで性機能障害という病気にかかり、子どもを授かれなくなったことをきっかけに精神をきたしているところが凄く切なくて、胸が痛みました。
藤本にとってはさくらの妄想と現実が入り混じった「親子説」はとても迷惑なものでしょう。
勝手に親子にされたことに腹立たしい気持ちが伝わってきました。
さくらの夫、総一郎は妻にあまりにも無関心で、別の女性に雨宮を生ませ、自分のスタッフとして雇っていたとは・・・。
総一郎も心が冷淡でしたたかでしたね。
「由利鱗太郎」1話の新川優愛さんとその息子の悲しき過去を思い出してしまいました。
さらに、土屋が一番身勝手な人と思いましたが、土屋のほかに、志賀がストーカー的にさくらへの片思いを抱いていて、さくらは自分を愛してくれた人の人間性に恵まれていない気がします。
男性を惹きつける魅力があるのにもかかわらず、心から彼女を大切に思ってくれる人に出会えなかったさくら。
でも、さくら楽団のなかでは唯一、千恵子と雨宮が「まとも」でしたね。
由利と三津木はこれからもバディを組んで、事件を捜査してくれることでしょう。
由利鱗太郎、ミステリアスで怪奇なケースが見応えがあり、もっと続きがみたくなるほど見応えがありました。
また、由利と三津木に出会える日を心待ちにしたい最終回でした。