ザ・トラベルナース5話あらすじネタバレ
九鬼と歩はナースステーションで相変わらず、口喧嘩をしていました。
「命に関わるほうに気付いたんだからいいじゃないですか」
「関わるほうとはなんですか?関わるほうとは?じゃああなたは看護師の仕事を放棄するんですね?」
「人を診て人を直すのがナースですよね」
「わかってるならなんでやらないのはわざとですね?」
「そんなことよりゆずっこ、昨日のサマリーは」
「あ、今すぐに」
「今すぐってことはやってないってこと?」
「え?今できます」
「今できなかったことを謝る。」
「吉子さんの指導はきついね」
「若くて甘いのにはきついのが当たり前」
その頃、労働環境改善の一環で、薬丸(山崎育三郎)は、名医たちと会食するものの、モヤモヤした気持ちを抱えていました。
有田が薬丸に話を切り出します。
「若い君を選ぶのは反対の声も多かったが、私の目は正しかったな」
「有難う御座います。しかしまだ問題は山住です。医師不足は深刻ですし、実績のある医師を他院から引き抜く予算もありません。」
「だからこそ君のマネジメント能力を買って我々の病院を任せてるんだ」
「はい」
「ところでハラスメント研修とやらを開く」
「労働環境改善です」
「我々の時代はそんな研修なんてしなくてもうまくやってましたからね。」
「薬丸くんグラスが空じゃないか。」
「申し訳御座いません。アルコールは適量を越えると体質的に仕事に支障を差し支えますので」
「相変わらず小難しい事を言うな君は」
「有田先生が薦めているんだから飲みなさい」と梨本。
薬丸はパワハラを良しとする名医たちの行動に鬱屈を抱えていました。
パワハラ研修を受ける九鬼や歩たち。
「パワハラを防ぐにはお互いへのリスペクトが大事です。過去に相手がハラスメントだと思うことをしてしまった方、手を上げて下さい」
歩の他、全員が手を上げています。
九鬼が手を上げていない事で違和感を覚える歩。
「手を上げなかった方、実は一番ハラスメントをしている可能性が高いです」
「研修受けても本人が自覚してなきゃ意味ないですよ。静さんみたいに」
「バカナースっていうのもパワハラですよ。なに真顔で否定してるんですか」
「おや私はパワハラだと思いませんが」
その後、パワハラ研修を受けた、歩たち。
「ちょっとすみませんじゃなくて聞いているの!また配信してサボっていたんでしょ。」
「もう患者さんに聞こえるでしょ?」
「パワハラ研修受けたばかりなのに、空気悪い」と福美(野呂佳代)。
九鬼静(中井貴一)の少年時代をよく知る同級生、五味武久(段田安則)が癌を患い、偶然にも静のいる西東京総合病院に入院しました。
「本部長に頼まれて私物を取りに伺いました。本部長ちょっと難しい人なので気を付けて下さい」
「難しい?」
歩はまず、五味の唯一の秘書、茶谷啓介と出会い、五味が要注意人物であることを教えられます。
「さっきの話聞いてた?下請けに丸投げしていいって言っただろ。その年でこれぐらい仕切れないのなら辞めたほうが良いぞ。おい、お茶!」
五味は秘書の男性、茶谷にも高圧的に接します。
ところが、入院初日からごみはトラベルナース、那須田歩(岡田将生)も呆れるほどのパワハラ三昧です。
わざわざ私物を届けに来てくれた部下、茶谷啓介(中島広稀)に罵詈雑言を浴びせました。
「五味さん検温のお時間です。」
「さっき検温は確認しただろ。なんだよ、俺間違ったこと言ってるか?」
検温しようとする中堅ナース、金谷吉子(安達祐実)と新米ナース、中村柚子(森田望智)のことも不遜な態度で門前払いしました。
「お医者さん達どいとくれよ。あ…静坊か」
「静坊?」
静と五味は中学の同級生で、2人は再会を微笑み合います。
中村柚子は別の患者の男性からセクハラされそうになり、吉子が代わりに代行します。
「この病院可愛い子揃ってるね。お、新人さん?」
「五味さん血圧もまだ計れてないからもう一回行ってきて」
「あんないい方されるなら無理にしなくていいかも」
「吉子さん、リスペクトして!」
吉子と柚子の険悪なムードに、福美が割って入りました。
「半人前のナースをリスペクトできない。時間も人でもないなか大勢の患者を診なくちゃいけないの。あんたも胸でもお尻でも触らせて患者診なさいよ」
「吉子さんレッドカード!」
あまりにも酷い暴言に、福美は間に入って止めました。
かたや吉子は半人前のくせに文句を言う柚子を厳しく指導します。
歩らは連日、ピリピリした空気になる2人をフォローするのに必死です。
その頃、中学の同級生だった九鬼と五味が少し和やかに会話していました。
「帝柴電機で開発本部長をやってる。ここにある医療機器の電子ハーネスも俺が担当したやつだろう」
「そうですかそれはお世話になっています」
「気持ち悪いなその敬語やめろよ」
「よく私だってわかりましたね。」
「九鬼家の坊ちゃんとガキ大将の俺。何故か妙に気が合って。お前みたいな頭のいい奴が何でナースに」
「ナースになりたかったので」
「こいつさ、昔から嘘ついてて、こいつの嘘面白い」
「昔から嘘ついていたんですか?」
「なぁこいつは良い上司か?」
その後、歩はタスクシェアを他の医師達に提案。
「会議中ですよ」
「今日入院した五味武久さんのオペについてお伺いしたいのですが」
「何でナースが知る必要があるんだ」
口を挟んだのは大貫太(マキタスポーツ)。
「タスクシェアの一環です。院長にも積極的に外科の力なってほしいと言われています。」
「なんでもかんでもタスクシェアタスクシェアって。お前、ちょっと院長に気に入られているからって調子に乗りやがって」
「院長にタスクシェアを進言しましょうか?ドクターにも経験の為に清拭やおむつ交換をしてもらったらどうかって」
「見せてやれ」
「肝SA多発ガンの10㎝代の肝腫瘤です」と半田。
「五味さん、診察の時も散々文句言ってきた。オペが成功しなかったらどうなるかわからんぞ」
ところが、不満を爆発させた柚子が「完全にパワハラだ」と看護部長、愛川塔子(寺島しのぶ)に訴えました。
「プリセプター金谷さんじゃない人にしてもらえませんか?なんで病院外だと犯罪なのに、病院内では守られるんですか?」
「金谷さんにどういう問題があるか教えてくれる?」
「厳しすぎるし、理不尽でパワハラです。私は患者に触らせて仕事するなんてできません。」
「金谷さんそういうつもりで言ったんじゃないんと思います」
塔子は吉子にも、プロ根性を理解しつつ、注意を促します。
「言葉通りです。今の子たちにはプリセプターなんて務められません。命を預かる仕事なのに今の若い子たちはその重大さをわかっていないんです」
「それはわかります。吉子さんの場合、言い方だけなんだと思うの。言葉通優しく注意する。触らせておけばいいんです。吉子さんの場合、言い方だけなんだと思う。6秒待つと怒りが収まるのって言われるの。注意する前に6秒数えて優しい言葉で言えないか考える。」
看護師寮で飲みながらストレスを発言する、吉子。
「もう無理、プリセプターなんて。仕事できないくせに自分の権利の主張だけは立派。大体、上から教えてもらうのが当然なんて思ってること自体がそもそも間違ってる!自分から学ばないのになんでナースになったんですかって。」
九鬼はそんな彼女におにぎりを握りました。
「吉子さん梅おむすびです」
「有難う御座います、静坊さん」
「静坊のやつ、また何かやらかしてる。それで明日、何かあったら怒られるのは誰?プリセプターの私!」
「吉子さんは優しいんですね。それだけストレスを感じているのは、中村さんのことを考えているのが伝わります。パワハラと言われようが怒ればいいんです。無関心よりはましです」
「不適切発言です、静坊さん」
「静坊は不適切発言です、ハラスメントです。」
「パワハラっていうのはああいう人をハラスメントっていうんですよ。五味さん、部下の人が気の毒です」
「部下がよっぽど使えないんじゃない?気持ち分かる」
「それもハラスメント発言ですよ」
同じ時間に、塔子と薬師丸は働き方改革について話していました。
「どうぞ」
塔子からお茶をもらう、薬師丸。
「働き方改革を守れとおっしゃっている院長ご自身が、超過勤務が続いてる気がするんですけど」
「私を監督する人はいません」
「院長のおかげで環境が改善されたという声がナースから出ています。」
「改善というかそれが当たり前なんですよ。ナースや医師が過労にならず質の高い仕事ができるようになればミスは減少し命を預かるうえで適切な環境になります。前院長の時を覚えているでしょ?酷い労働環境で現場の我々は疲弊していました。あんな環境では患者を満足に診れるわけがない。そのせいで患者の命が危険にさらされる事も。あの時は愛川部長にもご迷惑をおかけしました。」
「ナースの長時間労働が原因になっています」
「愚痴をこぼす上司はいただけませんね」
「私で良ければ喜んでお聞きします」
塔子(寺島しのぶ)は、薬師丸に寄り添うのでした。
翌日。
「メールだけで俺を外すだと?お前みたいなお茶くみ、俺を誰だと思ってるんだ。」
「この同意書にサインを」
「二度と来るな。この役立たず」
そこへ九鬼が。
「五味さん、興奮されるとお体に障りますよ」
「しず坊、俺はそんな悪いのか?看護師なんて何の役にも立たねぇな」
胸を押さえながら、ナースステーションへ行き、福美に質問します。
「来客が来ているはずだが…綿花はできないのか?」
「面会は可能なはずですよ」
「だったら確認しろ。どいつもこいつも仕事ができない。」
しかし、五味は肝臓がん破裂で倒れてしまいました。
彼は、手術適応外となり、ますます情緒不安定になった五味。
「手術できないってどういうことだ?治るって言っただろ?」
「肝臓が破裂して、手術ができません」
「東帝大に良い医者を知ってるから転院させろ。医者でもないお前に何がわかるんだ。病気になったわしを憐れんどるんか?なんだその目は。出てけ出てけ!」
五味は死の不安から、九鬼にも暴言を吐いてしまいました。
ガンの症状で、せん妄の症状が出ていました。
「自己犠牲に成り立つのは幸せになれない。看護は人生最大の喜びの一つだ。これは理想論かもしれません、でも看護が我慢になってしまうのがもったいないと思います」
九鬼は金谷をナイチンゲールの名言でフォローします。
「仕事ですよ。我慢するのは当たり前じゃないですか」
「うちもハラスメント研修の成果は0ですよ」
柚子が看護師として絶対言ってはならないことを口にしました。
「仕事が遅すぎる。お前に聞いてんだよお前」
「うるさい!あんたの命はあと1ヶ月で死ぬだよ!」
吉子は柚子の顔を思わず引っ叩いてしまいました。
あまりの吉子の行動に、偉そうにしていた五味も唖然としました。
「申し訳御座いません」慌てて、謝る、吉子。
吉子は食堂でデザートを食べて、頭をリセットします。
そこへ塔子が吉子に厳しく言い渡しました。
「金谷さん暫く業務を外れて下さい」
「はい。私の発言が中村さんがあんなことを口にしたきっかけになっています。」
その後、吉子は、ナース寮で、柚子に謝りました。
「ごめん、患者に触らせろなんて言うべきじゃない。」
「私こそごめんなさい」
「あなたは謝らなくていい。あなたが謝るべき相手は私じゃないでしょ」
同じ頃、九鬼は、五味の夜勤を担当し、お茶を淹れました。
「お酒を一杯と言いたいところですがここは病院ですので」
「1ヶ月か…」
「その件に関しては私もお詫びします」
「その言葉を聞いてスッキリした。あの若いナースに言われて覚悟ができた。そのあと、ビンタなんてびっくりしたわ。あれぐらいわしらの若い頃は当たり前じゃった。田舎もんじゃ言われんよう、必死だった。仕事しか頑張ったけど、若い頃はアホな上司に頭下げて、こびへつらえてなにくそって頑張ったもんじゃ。お前もそうだろ?静坊?ハラスメント田のなんだの面倒な時代じゃ。わしの人生、全部否定せんでくれや?静坊が医者なら治すことができたのに。」
「私は人を治すことはできます」
「わしの性根を治すことができるんか?」
「はい、治してみせましょう」
ようやく、九鬼といる時だけは、五味の顔に柔らかい笑顔が戻りました。
翌日。
「先日逝ったこと本当にすみませんでした。」
柚子は五味に謝りました。
「この度はうちの看護師が不適切な発言をし、患者さんの目の前で、暴力を働いた事をお詫び申し上げます」
「悪かった。看護師さん達はなにも悪くない」
しかも、この一件を知った院長、薬師丸卓(山崎育三郎)が塔子に対し、吉子の解雇を示唆します。
「リスクマネージメントは重要です。」
「今、金谷さんには厳重注意とのことで。現場復帰させます」
「いい判断とは言えません。冷静な判断に欠いているナースは、プリセプターとして向いていません」
「あの、ナースが感情的になってもいいと思います。患者のハラスメントに対しても怒りの声を上げて良いと思います。」
「九鬼さんはどう思いますか?」
「院長のお考えをリスペクト致します」
「院長に意見しちゃった。どうしよう」
五味の命が危うい時、五味を最後に会いたい人に会わせようと考える、歩。
「五味さん家族も親戚もいない。」
「いないよ。私、五味さんの会社に聞きに行ってきた。自分の顔も名前も覚えない上司のことなんか知らないって」
「せめてみんなでなにかできないか」
九鬼は、五味が残り少ない時間を充実できるように、あるアイディアを考えます。
歩は五味の部下のふりをしますが、本当の沢山の部下たちが来院しました。
「部長、残りの仕事僕達がやります」
「実は私のフォロワーさんなんです。配信で頼んだら、やってくれるって」
部下たちは、偽物で、柚子のファン達でした。
「おい、あの件はどうなってる」
「すでに解決して契約を結んでいます」
「おい茶谷、お茶」
「最期までパワハラ」
「僕はパワハラを受けていたけど、本部長を嫌いにはなれなかった。仕事に真っ直ぐな人だったので」
「賑やかじゃったの」
「ええ」
「誰じゃ。どこから連れてきたんだ。この嘘つき」
「ばれとったか。さすが五味ちゃんは黙せんの。可哀想じゃ」
「患者さんに気遣いさせて申し訳ない…」
「静坊にはナースがぴったりじゃのう」
「最高の誉め言葉じゃ」
九鬼は涙を目に浮かべながら、五味の胸に手を当てました。
歩は静と五味の会話を聞き、胸が詰まっていました。
そして、五味は静かに息を引き取りました。
柚子が、車椅子に乗ったセクハラをする男性患者を五味が使っていた部屋に案内しました。
「寝ないで頑張りました。」
「寝ないで?そんなんで患者さんに対応できるとは思わなかったの?」
「吉子さんリスペクトリスペクト」
「レポートは完璧だから言ってるの」
「僕にはバカナースっていうのハラスメントですよね」
「君に厳しくするのは何故か分かります?まだまだバカナースだからです」
その頃、クライアントの灰原和男(大和田伸也)と会う薬師丸。
「まぁ頑張りなさい。私にできることがあったら相談に乗ろう」
「早速ですが先生、私は現在災害拠点病院の指定を受けるべく動いているのですが、難航しています。先生にお口添えいただけないでしょうか」
「薬師丸君我々が後で聞こう」
「力になりたいが私のの管轄外だ。」
「そうでしょうか?灰原先生は内野前院長にもいろいろ便宣を図ってくださいました。たとえば、例えば緩和ケア病棟建設にあたっての、国有地売却のときも。あれは先生にも利益のある話だったはずです。」
「私を脅すつもりか」
「それは誤解です。私は先生と友好的な関係を築きたいのです。理想の医療を患者に提供する為に、私の医療をもっと大きくするために。私の病院を。」
薬師丸の中で病院改革を推進する意思が固まりました。
ザ・トラベルナース5話感想・みどころ
ハラスメントに関するテーマでした。
九鬼の歩への「バカナース」、吉子の柚子への「胸でもお尻でも触らせておきなさい」発言は明らかに、虫唾が走るパワハラだと思いました。
歩の意見に賛同です。
九鬼達、昭和世代の一部からは、ハラスメントに値しない厳しい指導と言ってしまえばまかり通ってしまいますよね。
薬師丸も会食先で、仕事中にお酒を飲むよう強要される等、ハラスメントを意識しない名医たちに囲まれ、窮屈そうでした。
あらゆる角度から切り取られるハラスメント。
五味と茶谷の関係もまさにそうで、部下達が顔を合わせたくもないほどの横暴ぶりでしたね。
しかし、五味は過去エピソードに登場した医師、大田黒に通じるものがありました。
根本的には素直になれない不器用な男なのです。
五味を演じた、段田安則さん。
末期癌患者を演じる彼の、表情や声色の演技に引き付けられました。
段田さん演じる五味が、癌の症状の一つ、せん妄状態で周囲に攻撃的になる場面や、手術不可と知り、死への恐怖が募る表情変化は、まさに、癌と闘病する患者そのものでした。
私も家族が癌だったので、段田さんの名演は家族と重なる部分があり、涙が止まりませんでした。
九鬼と五味にしか分からない特別な絆も感じられましたね。
九鬼といる時は五味に笑顔がほんの少しだけこぼれた場面も切なくて、温かい気持ちになりました。
五味の最期を見送りながら、無力さをも痛感しているような九鬼の表情は、ハンカチ何枚あっても足りませんよ。
中井貴一さんと段田康則さんって、表情で魅せる俳優ですよね。
後半では薬師丸が働き方改革だけでなく、自分だけの病院を建設しようと、かつてかかわりがあった、灰原の伺いを立てながら頼む様子にゾッとしました。
涙を誘う、九鬼と五味の絆、ハラスメント改善、病院改革、濃厚で次回も待ち遠しい5話でした。
次週の放送は11月28日になります。