ザ・トラベルナース8話あらすじネタバレ
手術が極めて困難なすい臓がんを抱える元看護師、八木めぐみ(若村麻由美)。
1年半前。
「わかりました。こちらで対応いたします。オペ患の高橋さんが急患になり、今、ご家族が来ます」
間もなく、高橋の家族が来ました。
「おやじ!」
「輸血部に誰か連絡してない?」と、塔子。
「今日、八木さん休みだっけ?」
「八木さん辞めたんですよ。院長の指示を聞いてなかったのかな」
「八木さんは複数の患者を対応していたので私の責任です」
「この病院は改革が必要だ」
1年半前まで働いていた西東京総合病院に来院。
院長、薬師丸卓(山崎育三郎)を執刀医に指名し、オペを依頼しました。
愛川塔子(寺島しのぶ)の顔色が一変します。
実は1年半前、薬師丸のオペを受けた患者が術後の合併症で急死したのです.
めぐみの致命的なミスが発覚した上に、当の本人はまるで逃げるように退職したのでした。
遺族には合併症だと説明しました。
めぐみの不可解な行動に、塔子は憤りと不信感を募らせます。
「八木さんどうして病院に」
「薬師丸先生に診てもらいたいの。病院は大きく変わった?」
「当たり前でしょ。あなたがあの時逃げてどれだけ大変だったか。あなたをここで診ることはコンプライアンスに違反します」
「コンプライアンスなんて私と先生には関係ない。」
「前院長派の看護師の派閥があって私と彼女は一緒に頑張ってきたんだけど、完全に裏切られた」
「なぜ、八木さんが病院に戻ってきたか」
「八木さんの状態は?」
「八木さん、良いナースだと思っていたのに。状態はかなり悪いです。」
翌日。
カンファレンスを開く歩たち。
「八木めぐみさん、すい臓がんステージⅢ。膵体部に4㎝の腫瘍、腹腔動脈周辺に浸潤が見られます。」
「皆さんの意見を伺えますか?」
「この腕は院長の腕でも難しいかと」と、消火器外科医の大貫太(マキタスポーツ)。
一方で小山衛(渡辺大知)も八木の件について横から口を挟みました。
「しかし放っておいたら早ければ3カ月で命を落としますよ」
「3カ月ですか」
「ちょっといいですか?アメリカで同じ症例のオペについたことがあるんです」
「腹腔動脈を合併切除することで腫瘍の摘出を可能にしました。」
「お前が執刀したわけじゃないだろ」
「ただのオペ看ではなく、NPとして準備から携わりました。今回もオペに入れば力になれると思います」
「でもこれ虚血性胃症を引き起こす危険ありませんか?」と半田。
「その通りですよ。オペ中に急変したら命が危険です。」
モディファイルディーピーカーを利用した手術を提案する歩。
「でもこれが命を救える唯一の方法だと思います」
薬師丸は、トラベルナース、那須田(岡田将生)をめぐみのオペに参加させることを決定しました。
「那須田さん有難うございます。那須田さんにはオペに入ってもらいましょう」
ここで、薬師丸は新しい患者が、政治家の灰原だとみんなに報告するのでした。
「別件ですが、明日、新しい患者さんが来ます。灰原和男さんです。1泊2日の人間ドックなので丁重に対応してください」
その矢先、政治家の灰原和男(大和田伸也)が人間ドックの為に入院します。
「私の事は入院にしてほしい。近く私に関してある記事が出る」
「記事?」
「大したことではないが、マスコミがうっとおしくてね。入院中ということにしてるんだ。人間ドックで良くない結果が出るとありがたいんだけどね」
「私にできることは尽くしますが、お口添えいただいている災害拠点病院の件は問題ないでしょうか」
「問題にしないために頼んでるんじゃないか」
病院の更なる環境改善に必要な補助金を得るべく、灰原と秘密裏に繋がる薬師丸は丁重に対応する塔子に指示。
選民意識丸出しで、セクハラや度を超えたパワハラを繰り返す、灰原にナース達の怒りが爆発します。
福美は間もなく、灰原にお尻を触られました。
「あんな病気でもない患者を入院させるなんて院長どうかしてる」
昼休み、九鬼は八木に声を掛けました。
「八木さん?初めまして九鬼と申します。お茶いかがですか?」
「有難う御座います。」
「昔の職場が懐かしいようですね。」
「ああ、そうですね」
「九鬼さんから見てここはいい病院ですか?」
「私から見て?どうでしょうか。患者さんから見ていい病院だと思っておけるようにナースとして日々努めております」
「凄いですね。私はそんな事言えなかったな」
「薬師丸院長が当時信頼できる外科医だったんですね?」
「はい、院長のことは信頼しています。院長に就任されここの改革も大成功、ですよね」
「院長の改革がどのようになるか私も興味を持っております。」
「院長、院長、私もそんな風に呼びたかった」
塔子は薬師丸に、灰原について他の看護師達から苦情が出ていることを伝えました。
「灰原さんに関してナース達から苦情の声が上がっています。要求が多く人手をとられてしまい、他の患者さんにも影響が出てしまうと」
「分かりました。私から本人に話をします」
病棟では、灰原の入院の為に、個室から集団の部屋に移り住んだ、川尻が。
川尻はかかっている病気の為、足が不自由。
そんな彼女が苦しみだし、歩が対応していると何故か、看護師をしていたことから、八木も参加しました。
「川尻さん大丈夫ですよ」
なんとか川尻が落ち着き、歩は川尻に礼を言いました。
「有難う御座います。川尻さんのおかげで助かりました」
「元ナースですけど。そういえば、塔子さんから私のこと聞いてない?」
「聞いてますよ」
「それでも診てくれるんですね」
「当たり前ですよ。患者さんなんですから」
「灰原さん1日2日で出て行ってくれると思ったのに。セクハラするんですよ」
「院長には伝えてきました」
「失礼ですが、部長、みんな環境が変わらなくて心配しています」
九鬼は塔子にちくりと指摘。
「わかってます!あ、済みません」
塔子は院長と八木の件で苛立っていました。
その夜、歩は薬師丸と会食している時、急にこんなことを言われました。
「腹腔動脈合併切除の際に胃や肝臓の虚血が問題になりますが、この時は術前に総肝動脈を塞栓することによって、解決しました。…なんですか?」
「オペの話をする那須田さんはイキイキしている。将来の医療の話をしませんか?」
「将来の?」
「最初に言いましたよね。貴方は私の改革に最も相応しいブレーンだと。自分を取り巻く環境に満足していない那須田さんに、私はシンパシーを感じているんです。遠くない将来医療界も改革するつもりでいます。日本のNP制度も変えることができるかもしれない。」
「そうなれば有難いですね」
「那須田さん、トラベルナースを卒業しませんか?金額は白紙になっています。那須田さんの満足いく金額を記入してください。特別な人間にはしかるべき待遇があります」
薬師丸からの好待遇での正式スカウトを受けた、歩。
同じ頃、看護師寮では塔子がみんなが寝静まった後にワインを飲んでいました。
「おや、部長がお酒を?」
「本日は出過ぎた真似をして済みませんでした」
「いえ、静さんも飲みますか?」
「では少しだけ…お疲れ様でした。」
「あの日、あ、あの1年半前の…患者さんが亡くなった後、突然八木さんがいなくなって私もその日は夜勤で…残された私が院長から叱られて、遺族には怒鳴られて、警察にも行って、もう何がなんだかわからなくてナース辞めようと思ってました。その時、院長が来てくれたんです。」
「先生…」
「院長…怖かった」
「愛川さんが必要です」
そう言われた彼女は、ナースとしてやり直そうと決意したのでした。
「あんな私たちナースのことを考えてくれて、患者さんのことも考えてくれて素晴らしい先生だった…だったって過去形になっちゃってますね」
「一つ気になっていることがあります。以前、大田黒前院長が入院された時、薬師丸さんは入院を拒否した。でも八木さんは受け入れた。あの2人の間には何かが…」
九鬼も八木の薬師丸への執着に違和感を抱いていました。
薬師丸は上層部との外食をしていた際、患者の高橋が下血して亡くなりました。
「症状と療養期間について発表してください」
「私は明日、オペが入っておりまして」
視線で大貫(マキタスポーツ)に圧力をかけた、薬師丸。
「はい、すぐ調整してまいります」
病棟では手術が延期になり、すすり泣く川尻を気に掛ける、八木。
「大丈夫ですか?」
「手術が延期になってしまって…早く家に帰りたい」
九鬼は灰原の入院を辞めさせるよう、薬師丸に提案。
「これはこれは院長、うちのおむすびを食べていただきたくて」
「これから人と会う約束があります。九鬼さん本件を仰ってください」
「恐れながら申し上げます。灰原さんのこれ以上の入院はお勧め致しません。院長の目指す改革に逆行する行いかと存じます。恐らく断れない事情があるかと思いますが、おむすび本当に宜しいでしょうか?」
「パン派なもので」
「ああ」
「九鬼静さん、医者一家で育つも敢えてナースを選び、その道を究め、さらには、フローレンス財団を設立し、理事長をやってらっしゃる。」
「院長はよくご存じで」
「あなたはナースです。誰が入院するかは私の指示に従っていただきます」
「八木めぐみさんも。八木さんの礼の話しも聞きまして、コンプライアンスになるのではと。」
「個人的には人手不足の中で働いていたナースを救えなかったという思いがあるんです」
「救えなかったのは患者さんだと思いますがね、一つ申し上げます。患者さんを救うなら私はナースとして手段を選びません」
九鬼は川尻を灰原が入院していた部屋に通し、灰原を集団の男性患者が多い部屋に案内しました。
「お荷物は先にこちらに移動しました。」
「なんだもっといい部屋があるのか。私は院長に話を通してある。ナースは黙って、患者の言うことを聞いてろ」
「患者様のことは、看護師が対応します」
「院長、院長うるさいです。患者様のことは看護部長の私が決めます」
「どいつもこいつも私を誰だと思ってる」
「おどれが誰か病気だと嘘付いてる卑怯者じゃい!」
九鬼の変貌に、思わず、ぎょっとして言葉を失う、灰原なのでした。
その日の夜。
「なんで今日勝手に灰原さんの部屋を移動させたんですか?」
「患者さんのためです」
「人をバカナースバカナースっていうけど、それこそバカですよ。」
「NPとしての僕の腕を買ってくれているだけです。僕の案を受け入れてくれました」
「今の院長に八木さんは治せます」
「しかしあなたは医師ではありません」
「医師と同等のことができます」
「八木さんがなぜこの病院に戻ってきたと思いますか?八木さんは心を取り戻しにきたんです。院長が変わらない限り八木さんの心を取り戻すために来た」
「繰り返しますが、ナースは人を診て人をなお‥‥」
「わかってます!」
「わかってますか?今のあなたは病気ばかり見ている。今のあなたには八木さんを救うことはできません」
そして、翌朝、九鬼の契約が薬師丸によって解除になりました。
「院長待ってください、九鬼さんは優秀な看護師です。どうか考え直していただけないかと」
「愛川さんあなたもです。」
「え?!」
なんと、塔子の契約まで解除しようとする薬師丸。
そこへ、患者の八木が歩行器を使ってその場に立ち入ってきました。
「ちょっと待ってください。先生あの時、約束してくださいました。患者は勿論、働く医師も、看護師も守ってくれるって。私は先生を信じたんです。ここがいい病院になるって信じたんです。だからここで、私の命を預けるなら先生しかいないって思って。でも、先生は苦しんでいる患者をないがしろにしています。しかも愛川さん達をクビにするなんて約束が違います」
「八木さん!これ以上は」
「私は先生を守るために…!」
「八木さんそこまでです。八木さん!」
1年半前
「八木さん、私の判断ミスで患者を死なせたとわかれば私は終わりです。でもナースの八木さんなら…」
「え?」
「私はここでつまずくわけにはいかないんです。私はこの病院を、いや、日本の医療を改革しなければならないんです。八木さん、八木さん…お願いします!」
なんと八木に頭を下げた上で、薬師丸の医療ミスを庇ったのです。
「この病院を変えるって約束してくださいました。患者も医師も看護師も誰も見捨てないって。全員救ってくれるって約束しました。なのに…!」
「やめて!デタラメ言わないで!」
「塔子さん騙してごめんなさい」
塔子は思わず声を上げました。
「院長、嘘だと言ってください、院長!」
「ふっ…、証拠があるんですか?八木さん、なければクビになったナースの戯言です。現実を見て下さい。患者の命には優先順位があるのは当然のことです。雇用される側も同様です。ただのナースと医師である私、どちらがより価値があるか!考えるまでもないでしょう。」
薬師丸の暴言にショックを受け、八木は倒れてしまいました。
「患者さんが倒れました。」
何食わぬ顔で医師を呼ぶ、薬師丸。
「八木さん、大丈夫だからね」
塔子は思わず、薬師丸の頬を叩きました。
「私は間違いを犯しました。病院の為だって思っていたんです。患者さんと家族に嘘をついて、これは罰です。私はこのまま死にます」
「あなただけの責任じゃありません、どうか諦めないで下さい」
九鬼はそっと、八木に寄り添うのでした。
その会話を聞いていた歩は何かを思いました。
「院長、八木めぐみさん腫瘍の浸潤が上腸肝膜動脈の神経叢まで広がっています」
「残念ですが、手術適応外です。いくら患者の頼みとはいえ、院長の私が手術に失敗したら問題になります。NPとしての那須田さんの経歴にも傷をつけてしまいます」
「院長は僕が提案した術式に賛成してくれました。」
「検討すると言っただけです」
「最初からオペをする気がなかったんですね。じゃあどうして入院させたんですか?」
「緩和ケアに切り替えましょう。本人も望んでいることでしょう。」
「このまま死なせる気なんですね。余計なことを喋られる前に」
「那須田さん、錯乱した患者の言うことを信じないで下さい。」
「その件に関して僕がどうこうできる問題じゃありません。僕ができることは今いる患者を診ることです。」
「いいえ、あなたができることはもっと高みにあります。あなたは他のナースとは違うんです。患者一人の命に心を乱される人間であってはならない。あなたは特別なんです。オファーした契約は今も有効です。将来多くの患者を救える医療従事者になるか、あるいは平凡なナースと同じ道を進みますか?」
やがて、非常事態が発生します。
愛川、吉子、福美、パク、九鬼、そして、ナース紹介所の西千晶まで解雇しました。
「なんで?みんなは関係ない!」
塔子はナースステーションで薬師丸の圧力の強さに怒りました。
一方で、歩は何らかの考えがあり、薬師丸側につきました。
「急にナースが代わってご迷惑をおかけします。」
「同僚が誰であろうと10人分働けますから」
「頼もしい。元々更なるDX化を進める予定だったんです」
間もなく、有給中に柚子(森田望智)が帰ってきました。
歩はナース寮を出て行き、薬師丸についていってしまいました。
「あれ、那須田さんは?」
「那須田歩の話はタブー。ここ出て行ったよ。静さんもクビになった。今は朝早く起きておむすび握って配達中。」
そして西東京病院では、外科もないかも、電子カルテに不具合が起こる不穏な事態が発生。
「院長、病院全体のパソコンにウィルスが。」
「全てんファイルを暗号化した。システムぐっきゅうを望む場合、メールで金の受け渡し方法を」
「犯行声明です。病院がサイバー攻撃を受けています」
「そんなウィルス対策はしているはず」
なんと、ランサムウェアが発生し、病棟の医療機器に障害が起こっているのです。
病院のネットワークをハッキングしてシステム復旧の代わりにお金を要求されるのです。
歩は予想外の事態に駆けまわります。
ザ・トラベルナース8話感想・みどころ
薬師丸の恐怖政治がスタートしました。
物腰柔らかい姿勢は偽りの姿でしたね。
ガンステージⅢで、かつては、薬師丸の為に彼の医療ミスを庇った八木にまであんな暴言を吐くなんて信じられませんよ。
患者の命に優先順位をつけるなんて人間として見損ないました。
塔子含め、九鬼もとうとう西東京総合病院を解雇になり、歩だけはなぜか薬師丸について行くことに。
歩は自分の技能を薬師丸に認められ、危うく洗脳の一歩手前でしたが、八木への非情な対応にナースとしての心を取り戻せて良かったです。
しかし、そのまま薬師丸側にいて、彼の止まらぬ暴走を目の当たりにした彼は、看護師として人を診て人を治せるのでしょうか。
歩にとって、看護師として最善の患者に寄り添う選択に期待したい8話でした。