海のはじまり10話あらすじネタバレ
海が小学1年生になりたての頃、水季(古川琴音)が海の名前を入学準備のノートなどに書いていました。
「家族がお揃いにするのが苗字、家族からもらえるのが名前だよ。」
「名前、書きたい!漢字で書きたい」
「じゃあ海だけ先に覚えようか。最近、字が上手になったね。さんずい」
「さんずい。ママと一緒。名前もちょっとお揃い。」
それで、海は自分の名前を言う時、夏に「さんずい」と説明していたのです。
現在。
海のお迎えに行く朱音と夫(利重剛)。
月岡夏(目黒蓮)は3年以上付き合っていた弥生と別れ、娘の南雲海(泉谷星奈)と2人で暮らしていくことを決意します。
夜、パソコンで「一人親支援」について情報収集していた、夏は、学習ドリルを手に取り、海の苗字をどうするべきか悩むのでした。
「これからは子供のことだけ考えます。」
「去年奥さんケガで入院して飯食わせるだけでなんであんな時間とられるんだ。ん?ん?待って、仕事どうするって転職ってこと?慣れない2人暮らしなんてやめろよ転校させろよ。君にやれる保証ある?自覚と香責任とかそんなんで子供育たないよ。」
夏は、会社の先輩、藤井(中島歩)と居酒屋へ行き、海のことと今後の生活について相談します。
既に既婚者で子供のいる藤井は、自分の妻が入院した際、子供にご飯を食べさせて寝かしつけるだけで一苦労したと経験を伝えました。
「それも覚悟の上です。海を転校させない為、自身が転職することを考えます。子供にストレスをかけない方法を探りたい」
「親がストレスでボロボロになったら子供は二次災害だよ?」
藤井は子育ての先輩として、夏に一番肝心な忠告をするのでした。夏は、小田原の小学校に海を迎えに行き、水季(古川琴音)の思い出話をしながら歩きます。
「ごめんね、車じゃなくて」
「ママと一緒にいた家行っていい?歩きたい。ママもこの辺で靴紐解けたの!」
「学校は楽しい?」
「うん」
「転校するってどう思う?」
「やだ。」
「うんやだよね。」
「転校しなきゃだめなの?」
「うちで一緒に住むのどうかな?」
「転校しないと一緒に住めないの?」
「そういうわけじゃないけど仕事のことってどうしても」
「ママ死んじゃったのに。ママがいなくなって色んな事が変わったのに?まだ海が変えなきゃダメなの?なんで?」
「大人の都合でしかないよね。」
夏の実家にいた弥生。
夏と弥生が別れたことを知った、月岡ゆき子(西田尚美)は、弥生の背中を後押しします。
「楽しく生きなさい。夏と別れたなら気にせずちゃんと幸せになりなさい。」
「有難う御座います。」
その頃の南雲家。
「ママおやすみ」
「どうした?」と朱音
「海、ママと一緒に住みたい。」
「うん今準備しているから」
「ここにママといたい。ママと学校に通っていたし、ママとここに住んでいたし」
「大丈夫、そういうことわかってもらってから一緒にいようね。」
朱音(大竹しのぶ)と、翔平(利重剛)は、海の気持ちを受け入れました。
「ただいま」
「お帰り。」
「色々話し合って。お父さんお風呂。夏も食べる?弥生ちゃんが仕事で持ってきたいいとこのゼリー・・・噛み締めてお食べ?」
弥生の手土産を進める、ゆき子(西田尚美」
「一人で育てようと思ってる」
「一人は無理よお母さん知ってる」
「一人は無理だから頼らせて下さい。」
「はいわかりました。転校するならさ苗字変えるタイミング気を付けなね」
「名字は変えない」
「親と苗字が違うのも大変じゃない?」
「小4で俺も転校して持ち物に前の苗字書いてあるのクラスの子に嫌な事を言われたり・・・」
「ごめん全部書き換えたつもりだった」
「転校も当たり前に決まってて、友達に理由聞かれても親の再婚とか言いにくいし」
「ごめん」
「子供が全部大人の都合に合わせて変えなきゃいけないのは違うんじゃないかって。ごめん別にお母さんたちを責めているんじゃない。」
「この先パパと苗字が違うことで海ちゃんが嫌な思いしたら?海ちゃんがどうしたいか聞きなよ、南雲さんともちゃんと話しな。」
「あ、ただいま」
「よく食べれるね、ゼリー。弥生ちゃんが謝る事なんてないのに」
「うわ、兄ちゃんいる。よくうちの敷居を跨げるよね」
「うわぁ」
夏の義理父、和哉(林泰文)と義理の弟、大和(木戸大聖)は本気ではない嫌味を夏にぶつけました。
「うちからは変わらず愛されているから、これからも海ちゃんと仲良くしてあげてって。」
夏は津野から、海のことを報告すると、心配な彼にせっつかれました。
海は放課後、かつて、水季が働いていた図書館へ。
「会いに来た!」
「うん、いらっしゃい」
「海、転校になるのいやだ。夏君困らない?津野くんにも会えなくなる。私のこと嫌いになっちゃう?」
「困らせちゃいなよ子供のことで困るのが生き甲斐なんだから。あと絶対に嫌いにならないよ。それは大丈夫。」
そしてその夜、海は夏に電話しました。
「夏くん、海転校したくない!やだ!」
「うちで住むことは?それはやじゃない?」
「いやじゃない。夏くんの住む家、弥生ちゃんも一緒に住むの?」
「弥生さん海ちゃんと話したいことあるって。」
弥生と公園で後日会う海は、コロッケをもらいました。
「美味しい!」
「お肉屋さんのコロッケ美味しいでしょ?手作りでしか愛情伝わらないってそんなことないんだよね。ん?」
「夏君も呼ぶ?」
「呼ばない。お別れしたから。お別れしたの。もう恋人じゃないから、海ちゃんと3人で遊んだりないかも。」
「ママにならないの?」
「うん、ならない。」
「海、夏君と一緒に住むよ。弥生ちゃん一緒じゃないの?」
「うん、一緒じゃない。」
「もう会えないの?」
「会えるよ。パパとかママとじゃない大人にも味方はいるの。親にすがらなくてもいいし」
「夏君嫌いになったの?」
「好き。海ちゃんも好き。一緒に暮らしたり過ごすのがなくなっただけ。海ちゃん学校にお友達いる?」
「いる。」
「お友達は会いたいときあって頼りたいときに頼ればいい。どちらかが嫌なら縁切ればいい」
「仲良くしたいときだけ仲良くすればいいの?」
「そう!海ちゃんのママにはなれないけど、友達になってくれる?」
「うん」
「家族に話づらいことは友達に話すと良いよ。友達だから会えなくなったわけじゃない。夏君との暮らし楽しみ?」
「うん、楽しみ。でもちょっと不安」
「なにかあったら相談して。いつでも聞くから。」
「じゃあ」
「じゃあ!」
「弥生ちゃんバイバイ」
その頃、南雲家は海が夏と暮らす寂しさを、朱音と翔平が感じていました。
「あっ!子供がいるってこんな感じよね。懐かしいわ。海のお迎え行ってくるね」
海の着せ替え人形の子供の櫛を踏んだ朱音はこぼします。
「・・・うん」
夏が間もなく南雲家を訪ねます。
「仕事帰りに直帰で来ました」
「忙しいもんね。」
「転職も考えていて」
「あ、ほんと?じゃあここに住めるね。4人でここに住めばいいんじゃない。夏君が息子同然なんだから4人で夏の延長みたいにまた暮らせばいいよ」
「嬉しいけど甘えてしまう気がして。自分がしっかりしないと」
「孫や子供に甘えられてなにが悪いの。娘もいないし。ほらあの学校が始まって昼間静かになったからちょっと寂しくてね。」
「すみません」
「あ、ごめんごめん、気にしないで。」
「夏君!ただいま!今日ね学校で漢字いっぱい練習した!」
海は無邪気に授業のノートを夏の膝上に座って、伝えました。
「海、遊ぶ前に手洗いうがい」
朱音は海に少し注意します。
「はい」
「お父さん今まで言わなかっただけよ。さみしいに決まってる。だからしっかりしてよねってこと。意地悪言えば奪うようなものなんだから。」
「はい」
「はい、うちにあった荷物」
後日、弥生が訪ねて来ました。
「うちにあった荷物他にあるか見てみて。」
「うん、転職?」
「子供の気持ち考えたくて。南雲さん達離れるの辛いみたい」
「何かを選ぶって他の何かを妥協するみたいだよ。仕事は生活に繋がる。これからの生活は海ちゃんがいる。自分だけが犠牲になればいいってことじゃない。ごめんお節介がまた。帰るね、帰る。」
「自分が背負ってればいいって思ってればいいわけないよね」
「水季さんも言ってた。誰も傷つけない、自分が犠牲になればいいってことじゃない。だからわたしは2人を傷つけたと思うけど後悔していない。なにが引っかかってるの?」
「弥生さんが水季から俺と海ちゃんを奪った気持ちになるって。」
「南雲さん達から海ちゃん奪うかんじ?」
「それで、2人で暮らすの諦めるの?」
「やだ」
「やだって子供みたいに」
「海ちゃんがやだやだって」
「大丈夫、ちゃんとしたところに流れ着くよ。」
南雲家に海と2人で暮らす決意を話した、夏。
「良いよ2人で決めたなら」と翔平。
「水季の遺した大事な娘で孫だから。私達にとっても大事。ちゃんと説明してあげて。」
朱音も厳しくも、夏の決意を受け入れました。
「そうだ、水季が昨日牛乳こぼしたから残りがほとんどなくて。水季じゃない、海、海がこぼして」
「うん明日買ってくる。」
「宿題終わった?」
「もうちょっと」
宿題をする海に決意を話すことにした、夏。
「お話していい?」
「うん」
海は夏のほうをしっかり向いて話を聞く姿勢を整えました。
「やっぱり転校してほしいと思ってる。」
「やだって言った!何回も言った。」
「どうしてもそうじゃないと2人で暮らせない。落ち着いて安心して生活できる自信がないと、俺は一緒に暮らしたくない。おばあちゃんたちから引き離せない。だからどっちか選んで。転校して一緒に暮らすか、転校しないでこのまま別々に暮らすか・・・」
「ずっと?」
「ん?」
「一緒に住んだらずっと一緒にいれるの?」
「ずっとは、ないよ。水季と今は離れてるでしょ。ずっとはないんだよ。でもできるだけ一緒にいる。水季がいなくなっていろんなことが変わってつらいのは凄くわかる。なんで子供ばっかりって思うのも分かる。俺も思ったことある。でもだからできるだけ一緒にいる。できるだけ長く一緒にいれることを考えて決めた。一緒にいたいから転校してほしいんだよ。」
「海も夏君と一緒にいたい。いなくならないでね。」
「うん。」
「ママがいたとこ連れてってね。りおちゃんに手紙書くから手伝ってね。」
「転校して、いいの?」
「毎日会えるんでしょ?」
「毎日会えるよ。」
「じゃあ良いよ。」
「うん、ありがとう。」
夏は海の頭を撫でました。
「お節介だと思うけどこういうことさせて。不安なの。海が転校したくない理由分かってる?海あなたと一緒にここにいたいけどあなたとも同じくらいいたいのよ。」
「友達と別れたくないから、おじいちゃんとおばあちゃんと一緒にいたいとか?」
そして、海の転校を担任(山谷花純)に伝えた夏。
「わかりました残り短いけど宜しくお願い致します。」
「あの娘が転校したくない理由なんでかわかりますか」
「お友達と離れること、お母さんと暮らした場所だからじゃないですか。登下校をしたり、ただの廊下とか一緒に歩いた記憶が大切なんだと思いますよ。」
夏は水季と海が手を繋いで廊下を歩く姿を思い浮かべました。
その夜に、海は弥生に南雲家から電話をしました。
「はいはい、どうしたの?」
「友達にちょっと聞いてほしいことがある」
「うん聞くよ。」
「海、転校することになった。夏君のおうちで一緒に住む。ほんとは転校したくない。」
「うん」
「でもすることにしたの。」
「偉かったね。」
「新しい友達なかったらどうしよう」
「今、誰と電話している?大丈夫だよ。友達だから。」
「うん、弥生ちゃんもさみしくなったら電話してね。」
そして、夏の家に来た海。
「夏くんち久し振り。ママの字だ!」
「今度一緒に読もう。海ちゃんとの生活は一人で頑張りたいから水季には頼らない。」
「ふぅん、ママの字見て!」
「そうだ、もう一つ海ちゃんに相談あって。あの好きなほう選んでほしいんだけど」
「なに?」
「南雲って苗字月岡になるのどう?」
「夏君の苗字。書いて?」
夏は苗字を書きます。
「今まで通り、南雲でも良いし月岡でも良い。」
「わかった、月岡になる!大丈夫、なる!」
「大丈夫?あんなに嫌だって言っていたのに。海ちゃんはママと一緒じゃなくていいの?」
「名前がママと一緒だから大丈夫。見て。」
「うん、水季」
「さんずい。ママとちょっとお揃いなんだって。名字は家族でお揃いにできるんだって。だから海、夏くんと一緒が良い!」
「うん、わかった。」
「キ書いて、」
「はい。」
「どういう意味?」
「夏!」
「俺もすごいちょっとだけどお揃い。」
「書いて!」
ノートには、「月岡海 水季、夏」家族3人の名前が微笑ましく並んでいました。
海のはじまり10話感想・みどころ
名字は家族がお揃いになる名前、名前は家族に選んでもらう名前。
水季の発想が感受性豊かで、子供心を持ったピュアさに頬が緩みました。
海は適応能力が高く、本当に賢い子ですよね。
でもその分、周りの大人を困らせてはいけないと、幼いなりに気を使ったり、考えるところがあって胸がキュっと締め付けられるときがありました。
海の「さんずい」は、ママの水季と少しだけお揃いなんて可愛いですね。
弥生は夏の家に来て、夏と交際関係を解除したことを伝えたものの、月岡家は引き続き家族のような距離感で、彼女の味方になってくれるでしょう。
長女気質で我慢を強いられていた弥生は、夏にも別れてからも、長女のような物言いだったりしますが、月岡ファミリーという、困った時に少し頼れる存在が彼女にあって良かったです。
夏だけでなく、海にとって、温かく一歩距離から見守る大人として、弥生の存在は心強いですよね。
そんな彼女を子供扱いせず、親といつまでも一緒にはいられない現実を柔らかく伝えた夏は、今の時代らしい育児だと思いました。
海はまだ7歳ですが、夏は海を独立した一個人として見ているところが見受けられますね。
大人の意見を噛み砕いて、海が自分で考えて答えを見つけられるように促しているところは、精神的な成長に繋がりそうですね。
ただ、夏が海がどうして転校を嫌がり、南雲家から離れることを執拗に嫌がるのかピンと来てなかったところは、もう少し子供の気持ちに寄り添ってほしかったなと思いました。
我儘も聞くけど、子供にどうしたいか選ばせる夏の令和的な子育てに期待したい10話でした。