海のはじまり3話あらすじネタバレ
「海、おいで」
水季は海の身長を家の柱で計っていました。
「すくすく育ってます。ママを超すかも。」
「夏君越せる?」
「そりゃ無理だろ。」
仕事へ行く水季を寂しがる海。
「いなくならないよ。いなくならない。」
そう言って海を抱き締め、海の小さな手は、水季の服の生地を掴んでいました。
現在。
「図書館で待っていて、ゆずきちゃんと遊んで。ランドセル見る?ランドセル、海に選ばせてくれた!」
キラキラした瞳を輝かせた海を見守る、朱音(大竹しのぶ)、夫の翔平(利重剛)、そして、夏。
「夕飯、どうする?うどん嫌い?まだいたら海が喜ぶから。」
弥生は同僚と後輩の志織と綾と飲んでいました。
子供の話になり、なんとも言えない、弥生なのでした。
「夏くん…いた。」
「うん。」
「喜んでいると思う。ご両親との仲はいい?」
「ええ。」
「お母さんはいくつ?」
「50…」
「50代、若いな。」
「今年70歳。水季生んだの42歳の時。なのに水季は真逆の状況になっちゃって。妊娠した子供は堕ろす、やっぱり生む、一人で育てる。なんの相談もしてくれなかった。」
「どうして生むことにしたんですか?」
「さぁ…やっぱり生むからってそれだけ。父親に知らせないのは選べないからって。その人、私が生むまで決めたら…他の選択肢を奪いたくないって。だから頼りなかったとか、他に誰かいたとか…そういうのではないんですよ。」
朱音との会話に、知らない顔の水季を感じる、夏でした。
月岡夏(目黒蓮)は恋人の百瀬弥生(有村架純)に海(泉谷星奈)が娘であることを明かしました。
亡き恋人、南雲水季(古川琴音)と別れ、彼女が海を自分に知らせず、一人で育てていた事、当初は、堕ろしたと思っていたことも正直に伝えました。
夏の話を聞いた弥生は、自分の過去に思いを馳せました。
彼女はかつて、夏より前に付き合っていた恋人との子供を中絶しているのです。
しかし、そのことをまだ弥生は夏に告げられずにいます。
弥生は夏が父親になるのであれば自分が母親になることも選択肢に入れてほしいと以前、電話で伝えていました。
夏の実家。
弥生は夏の義理の弟、大和(木戸大聖)に偶然、会いました。
「母は弥生さんのこと今すぐ嫁に来いって感じですよ。」
夏と同棲する家に帰った、弥生。
「月岡くんの家温かいね。生んでっていうのは私もおこがましいけど。」
夏から電話を受けた母、ゆき子(西田尚美)は、夫の和哉(林泰文)と大和(木戸大聖)に夏から家族全員に話があると言われたことを告げます。
弥生との結婚報告ではないかと盛り上がる月岡家。
一方、休日を海と過ごすことになった夏は、弥生を連れて南雲家を訪れます。
「おばあちゃん!」
「来た?」
「うん!」
「こんにちは。この前はご挨拶もできず、ごめんなさい。」
弥生は朱音に挨拶。
弥生からもらったプレゼントをすぐ開ける海w微笑ましく見守る、夏、朱音、弥生、翔平。
「月岡さんちょっと…これ水季の母子手帳。アレルギーはないです。水筒とか持たせて。練習っていうのは嫌だけど練習して下さい、何かあったら不安でしょ?親って何をしなきゃいけないのか。」
一緒に来た弥生を見て、水季の母、朱音(大竹しのぶ)は複雑な思いを抱きます。
「本当に図書館でいいの?遊園地とかあるよ。」と弥生。
「ママの図書館が良い。」
海は笑顔をいっぱいにして無邪気に答えるのでした。
バスを降りて図書館へ向かう途中、写真を撮ろうと提案する、弥生。
その頃、翔太と朱音。
「意外にあっさり受け入れてくれた。」
「ああいう子がいると海にも安心材料になるよ。」
「あの子、お母さんになれますって顔してた。30年前はベビーカー見て苛々してた。なんで私の欲しい物じゃないのって思って。」
「いいじゃないか、水季が来てくれた。」
「またどっか行っちゃったけどね。」
海は図書館で後ろ姿が母に似ている芽衣子に、水季と間違えて声を掛けてしまいました。
海の希望で水季が働いていた図書館に行くと、そこで津野(池松壮亮)と出会います。
津野が図書館で読み聞かせをし、海は他の子供達と一緒に熱心に聞き入りました。
夏と弥生も同席してぼーっと聞いていました。
「彼女さんですか?南雲さんとタイプ違いますね。お2人で育てるんですか?」
「そういうことはなにも決まってないです。」
「大丈夫ですか?無責任とか言われません?」
「すみません。大丈夫です。」
「お母さんにここに行けって?」
「水季ですか?」
「いやいや、おばあちゃん。すぐ謝らないでください、意地悪しているみたいで気分悪いんで。」
「津野さんに会いたかったみたいで」
「海ちゃんが僕に会いたいと思ったことはない。僕は南雲さんが海ちゃん預かれない時にシフトの調整したり…それくらいです。僕は付き合っていません。そういう関係じゃないです。すみません、感じ悪くてそちらもそうだと思いますけど、感情がぐちゃぐちゃで、苛々した感じになっちゃって。海ちゃんが望むことならなんでもいいんです。誰と暮らしても誰が親でも。」
「水季がそう言ったんですか?」
「知りません。」
「母子手帳って見ました?海ちゃんの。いろいろ書いてましたよ。」
海は弥生に本を読んでもらっていました。
「ママの字 !」
母子手帳を見る夏に海が生き生きと声を掛けました。
「これなに?日記?」
「子供の成長っていうか…」
「すくすく?すくすくって言うでしょ?」
「だから今日来たかったの?水季がいないここ来たの初めてでしょ?いないって本当にいないって…」
「読んで!」
「これ?」と母子手帳。
「読んで!」
「自分が外野だって疎外感自覚しますよね…」
「外野、ですよね?」
津野は弥生に、なんとも言えない嫌味をぶつけます。
帰宅すると朱音が弥生に不満をぶつけました。
「楽しかった?」
「楽しかったですね。」
「子供育てたことないでしょ。生むのも育てるのも大変。」
「尊敬します。」
「尊敬されることないけど、生みたくて生んだし…悔しいの、水季がいたはずなのに。血のつながりが絶対なんて思わないけどこっちは繋がろうと必死になってやっと繋がれたの。だから悔しい」
「でも…本当に楽しかったです。有難う御座いました。私まで一緒に。」
「いえ、こちらこそ。」
朱音に嫌味を言われた弥生は、夏との帰り路が複雑でした。
「楽しかったね。」
「楽しかった。」
ぐっすり寝ていた海が目を覚まします。
「夏くんは?」
「海ちゃんを置いて帰っちゃったの。でもいなくならないから大丈夫。…お誕生日しよう。」
夏はその後、会社で仕事。
朱音は海を夏と弥生の家へ連れて行きました。
「宿題見てもらえると嬉しいかも。この前のあれ気にしないで。ちょっとわーって思っていた。大人だって思い出すと気持ちがむしゃくしゃするでしょ?」
「海ちゃん家でも元気ですか?」
「元気ですよ。」
「泣いたりとかご飯食べないとか。」
「ねっ…ねっ…じゃあよろしくお願いします。」
海の宿題を見る、弥生。
「夏くん、元気?」
「うん、元気。」
「海も元気。」
可愛い笑顔で答える海。
「学校楽しい?」
「楽しい。」
「おばあちゃんちは?」
「楽しい。」
「うん」
「なんで元気なふりするの?」
「やめなよ。」
「水季死んで悲しいでしょ?なんで?泣いたりすればいいのに。きついし…」
「ねぇ!」
「元気ぶっても意味ないし…」
「そんなことないよ、みんなが優しくしてくれるだろうから。」
「水季が死んだことから逃れたいんだろうし、悲しいは悲しいって吐き出さないと…」
「海ちゃんごめんね…頑張ってたんだね。偉いね。」
弥生のフォローに、海は夏に抱きついて泣きました。
夜になり、ケーキを持って海を迎えに来た朱音。
「2人の時間奪っちゃったでしょ。これ2人で食べて。」
「柱に身長描いていたの。海とママの2人かっ族だから。すくすく!」
「そうか。」
「夏君は何人家族?」
「ママとパパと弟。でも父親と弟は俺と血がつながっていなくて。父親が前に結婚していた人が弟のお母さんで、母親が前に結婚していた人が俺のお父さん。だから他人だけど今は本当のお父さんと本当の弟。わかる?」
「2人いるんでしょ?本当のパパ。」
「うん、2人いる。」
「うん、わかった。」
学校で絵を描く海は、鳩サブレの絵を描いていました。
担任(山谷花純)は海を気遣います。
「今日、元気ないね?」
「うん、今、ママのこと考える時間。元気ないけど大丈夫。」
夏と朱音。
「お仕事大変でしょ。海には言って聞かせます。」
「今日、海ちゃんと弥生さんと出かけます。」
「気持ち固まったってこと?海の父親やるって。」
夏と弥生はメールで連絡を取り合いました。
弥生は話したいことがあると返事を返すのでした。
海と海で待ち合わせした夏。
朱音に連れられて到着した海。
「重い」
「重くない!」
海を抱き上げてから降ろすと、カメラを教える、夏。
「ここを半押しして?」
「半押し」
「見せて!」
「フィルムだからすぐ見れないよ。今度会う時。」
「今度?」
「うん、今度。」
「ねぇ、パパいつ始まるのって聞いてくれたけど、始めてほしいってこと?パパになってほしいってこと?」
「夏君、パパやらなくていいよ。でも…いなくならないで。ママとパパ、一人ずつしかいないから、だからいなくならないで。」
「パパだからいなくならないでほしいけど、パパやらなくていいこと?」
「わかんない」
「俺も分かんない。認知するとか育てるって簡単に決めるのも無責任な気がするし…」
「無責任って?」
「わかんない、よくわかってないこと。」
「いなくならないではわかる?」
「それはわかる。そうしたい。水季の代わりになれないけど一緒にはいられる。」
「じゃあ、いて?撮る?」
「撮る。」
海の写真を撮ろうとする、夏。
しかし、海は夏の後をついてきます。
置き去りにされるのがつらいのです。
「そこいてね。」
「うん!」
海の言葉の意味を噛み締めながら、夏のなかで何かが芽生えようとしているのでした。
海のはじまり3話感想・みどころ
冒頭からつらすぎました。
海と母の水季の場面は、心を引っ張られるように持っていかれますね。
水季が海の身長を柱に記すシーンはどこか懐かしさを感じさせる温かい涙が出ました。
成長することを「すくすく」という海の幼い言葉使いが可愛すぎました。
朱音が弥生を受け入れられないのは分かります。
「楽しかった?」と聞いたところから始まり、「お母さんやれますって顔していた。尊敬されることないけど。」など、朱音の姑のような弥生への皮肉。
母として待望の娘だった水季を育ててきた朱音にとっては、弥生の海への接し方はなんとも悔しいですよね。
水季が経験するはずだった海との長い親子の時間を他人である弥生に奪われてしまった感情は計り知れないでしょう。
夏は海に男性的考え方で、人の死との向き合い方を教えていましたね。
海が周囲に気を遣いすぎて水季を亡くした悲しみを胸に溜め込んでいることを察した、夏。
あんなに可愛い笑顔で、ずっと、「大丈夫」なふりをする海を見て胸がとても苦しかったです。
言葉はぶっきらぼうに感じましたが、海が父の夏と共に最愛の母を亡くした気持ちを共有できた時間はかけがえのないものだと思います。
海と夏はまだまだ親子にはなりきれていませんが、2人が微笑み合う姿はどこか似ていますね。
海は母の水季に似て天真爛漫で、自由人。
のびのびしているように見えて繊細な一面も持ち合わせているので、夏が海に水季の分まで、愛情を注ぐことを期待したい3話でした。