海のはじまり9話あらすじネタバレ
夏と弥生が出逢った頃、夏は弥生の同僚からこう思われていました。
「勿体ないなー、見た目いいのにパッとしなくて惜しいですよね。」
夏は弥生の後輩たちから受けはいいものの、寡黙なところに違和感を抱かれていました。
しかし、弥生は、夏のどこか言葉足らずで不器用なところに惹かれていました。
その後、弥生は父親と迷子になった子供を颯爽と交番に届けるなど、対応する中で、自分には持っていない魅力を持っていると感じた、夏。
「先ほどは有難う御座いました。」
「あ、私が戻るのを待っていたとか?済みませんコンビニ寄っちゃって。」
迷子の子供にうろたえていた夏は、弥生が助け舟を出してくれたお礼を伝えました。
月岡夏(目黒蓮)は、百瀬弥生(有村架純)と南雲海(泉谷星奈)の3人でショッピングモールへ出かけます。
弥生は海の手前、明るく振舞いますが、夏は弥生の表情に違和感を覚えます。
子供服売り場で、海の母親と間違えられた弥生。
「弥生ちゃんママに見えるんだよね」
「私が本当のママになったら嬉しい?」
「うん」
海を南雲家に送り届けた帰り道、夏は弥生に海とのことをどうしたいか尋ねます。
「弥生さん海ちゃんのことどうしたい?3人でいる時、なんかつらそうに見えるんだけど。別れたい?」
弥生に夏は切り出します。
「別れたくない。」
「弥生さんからの手紙読んだ?」
「まだ読んでない。」
ショッピングモールに出かけた日から少したって、夏は弥生を夕食に誘いました。
「弥生さん仕事終わった?」
「うん、もう少しで終わる。行きたかったラーメン屋に行きたいな」
「あのさ、海ちゃんと3人で食べようと思って。後々、南雲家に用事があるから。」
「ああ、ごめんまだ終わりそうにないや。」
弥生は夏に嘘をつき、複雑な気持ちを胸に抱いていました。
ファミレスで、義理の弟、大和(木戸大聖)と海と食事していた、夏。
夏と弥生の話を聞いた大和は核心に触れるような事を言いました。
「弥生さんさ、仕事終わってないって嘘ついたんじゃない?」
夏はその言葉に言い返すことができませんでした。
夏はその後、津野に連絡を取りました。
「夏君の恋人へっていう水季さんの手紙、読むかどうか悩んでいるんだけど。母親になるっ人に当てた手紙を読んでいいのかわからない。」
「いや、母親になる人とか・・・読んだほうが良いと思いますけどね、何かに迷っているなら猶更。」
津野の言葉に詰まる、夏。
弥生が後日、夜に訪ねてきて、2人は夕食を食べた後片づけで気まずい雰囲気になりました。
「お皿片付けてくれる?」
「あのさ、弥生さん、一人で親になるのが不安だった。つらそうなの少し前から感じていたけど、無視した。なのに無神経に弥生さんの前でも水季の話をして、気持ちを尊重するなんて口だけで自分の思い通りにしようとしていた。子供がいるって知って最初は面倒だと思った。このまま弥生さんと2人でいつか子供ができるかも。今は2人でいたいと思ったかも。でも今は海ちゃんが凄く大切になって、弥生さんが母親になってくれて正直そうなったら楽だと思った。」
「今は本音というか言えないことが多すぎてまとまらない。結論も自分がどうしたらいいか分からない」
「手紙読んだ?わかんないけど、母親になる人じゃなくて、俺と一緒に親になるかどうか悩んだ人に宛てたと思うから、だから弥生さんが読んで?」
「わかった」
その後、弥生は、帰宅し、水季が「夏君の恋人へ」と宛てた手紙を読みました。
「初めまして。面倒なことに巻き込んでしまってごめんなさい。はっきりしない夏くん、まだ幼い海、短気な母、気の抜けた父、厄介な人達に挟まれてそれはそれで窮屈だと思います。海ができた時、海を中絶しようと思っていました。でも、相手のことを考えすぎた。でも珍しく他人の言葉に影響されて自分が幸せになる道を選んだ。夏君ではなく、海を選びました。海を見るたび、話す度思う・・・正しい選択だったと思える。たぶん人より短い人生だから幸せだと言いたくない。他人にあの子は幸せだったと思われるのはいやです。でも海と過ごした時間は、幸せだったことは私だけが言える事実です。誰も傷つけない選択なんてきっとありません。だからといって自分が犠牲になるのが正解とは限りません。他人に優しくなりすぎず、ちょっとズルをしてでも自分で決めて下さい。どちらを選択してもあなたの幸せのためです。海と夏くんと同じくらいあなたの幸せを願っています。」
後日、再び、弥生が夏のアパートを訪ねてきました。
「知り合いの出版社からもらってきた。これは私がレジへそのまま持って行っちゃって、店員さんに姪っ子にあげるものですって誤魔化した。」
出版社からもらってきた、小学生用のドリルと、弥生が海の為に買ったイルカのパペット。
「ありがとう」
「誰かの役に立てているって思いたかった。私がいないとだめだと思ったことがあると安心してた。最初は居心地が良かった。3人でいて楽しいしなりたかった母親にもなれる、3人でいて何の不満もない。でも3人じゃないって気付いた。ずっとどこかに水季さんがいる。それを感じて、私が奪い取ったみたいな気持ちになる。水季さんのことを知らない自分だけ仲間外れにされたような疎外感があった。3人でいるのがだんだんつらくなった。でも月岡君のことは好きだしなぁ、海ちゃん可愛いなぁ、お母さんになりたいな・・・別れたいとかじゃない。一緒に痛い、でもいると苦しい、でも頼られると嬉しい。お母さんに間違えられて嬉しくて苦しかった。お母さんさせてもらえるのに水季さんにはなれないから嫉妬していたの。」
「うん」
「私なんかよりずっと大変な思いをしてきたのわかっているのに羨ましくて仕方ない。月岡君が水季って言うたびに、海ちゃんがママって言うたびに、羨ましいとか苦しいとかちょっとずつ溜まっていった。2人のことは好きだけど2人といると自分が嫌い、3人でいたいって言われて嬉しいのにやっぱり私は月岡君と2人でいたかった!」
涙をこぼし、夏に本音を伝えた、弥生。
「あとは?あとは言いたいことない?」
「海ちゃんのお母さんにはならない」
「うん」
「月岡君と別れたい。そっちはなんか言いたいことある?私が頑張ったせいで頑張らせちゃったでしょ?ちゃんと言って良いよ。」
「3人が無理なら、どちらか選ばなきゃいけないなら、海ちゃんを選ぶ。」
「うん」
「うん、良かった。私も、好きな人と離れても自分が納得できる人生とつらい気持ちのまま2人のためにする人生、どっちにするか考えて自分を選んだ。2人のことは選ばなかった。だから同じ。良かった、帰るね。」
「待って・・・駅まで送るよ。」
その後、弥生を駅まで送ることにした、夏。
「今日まではいい?駅送ったらそれで終わりにするから。それまで海ちゃんの事忘れて。今日終わるまで。」
「雨止んでよかったですね。」
「そうですね。」
「仕事はどうですか?」
「いつも声が小さいって怒られますね。」
駅につくと、夏と弥生はお互い泣きたい気持ちを堪えて明るく振舞います。
「終電あるうちは今日だよね」
「今日の終電だから」
「じゃまだ今日、なんでもない話をするの。ねっ、久し振り」
「手汗凄いからちょっと離してもらっていい?」
弥生の手を放したくない夏はぎゅっと握っていました。
「水季さんの手紙を読んで別れるって決めたの。」
「なんて書いてあったの?」
「幸せになれる方を選んでねって。あんなに嫉妬していたのに水季さんのこと好きになっちゃった。だから海ちゃんのことも好きなままでいられる。読んで良かった、海ちゃんには私から話させて、お別れしたよって。」
「もう少し話を・・・」
「これからもなにかあったら頼って?もう2人と関わりたくないとかそういうのはないから。あ、海ちゃんのママができたらそれが一番だけどね。」
「俺!やっぱり弥生さんのこと・・・!」
「頑張れ」
「弥生さん」
「頑張れ、パパ、応援してる。ちょっとだけおかあさんできたの本当に嬉しかった。それはホント。ホントに本え。頑張れ。」
終電に乗る弥生の背中を見送りながら、夏は涙を堪えきれませんでした。
弥生もそれは同じで、涙を電車の中で流しました。
そして、夏は南雲家へ海を迎えに行きます。
玄関で開口一番に、娘を愛おしく思い、抱き締める、夏。
「海、まだパジャマのままじゃない。着替えなさいって言ったのに・・・どうかした?」
朱音(大竹しのぶ)に声を掛けられて、まだ弥生との失恋が癒えず、言葉に詰まる夏。
「2人で久たしたいと思っています。一番大切にします、他の何よりも優先します、頑張ります。」
「当たり前でしょ。そうじゃないと困ります。」
夏は、海の本格的に海の父親になる決意を固めるのでした。
海のはじまり9話感想・みどころ
海というかけがえのない存在との距離が縮まる一方で、父親として、本当に我が子の為に必要な事を考えた時、弥生の「別れる」決意に納得した、夏が切なすぎました。
弥生の夏と2人だけの恋人関係でいたかったという苦しい胸の内が伝わりました。
2人とも好き同士で、喜びも苦いこともまだ沢山共有したかったでしょう。
しかし、弥生は3人でいることのつらさがもう耐え切れず、自分の幸せを優先するために、別れを決意しましたね。
夏と弥生と海って、海は弥生に心を開いているけど、親っていうのはやはりハードルが高いと思います。
「ママ」の水季と、大好きな大人のお姉ちゃんの「弥生」が母になるというのは、母の水季を想い続ける海にとって思い悩んでしまうところでしたね。
海にとって、何が幸せなのか、夏と弥生が考えた選択、2人が本当はどうしたいのか悩みに悩んで出した答えが、別離とは、何とも胸が詰まります。
水季は夏を大切にしてくれる弥生に手紙を宛て、弥生がどんな選択肢をしても見守る、受け入れる決意を固めていて、一人の夏を愛した女性としての、水季の溢れるばかりの愛が泣けました。
海の父になるスタートを切った、シングルファザーの夏の本当の海との始まりはまだここからだと感じた9話でした。