嘘解きレトリック

嘘解きレトリック最終回 謎の依頼人の最愛の人とは?

嘘解きレトリック最終回あらすじ・ネタバレ

蘭子と呼ばれた女性には友人がいました。

「おめでとう、おめでとうお嬢さん」

知り合いの女性の吉報を心から喜ぶ彼女の姿は一体…。

稲荷の掃除をしてきた祝左右馬(鈴鹿央士)と浦部鹿乃子(松本穂香)が探偵事務所に戻ると、とある女性に声を掛けられました。

「鹿乃子くんおでん何が好き?」

「大根と里芋です」

「僕ははんぺんが好き。はんぺん」

「はんぺん」

2人は声を揃えて意気投合し、事務所へ帰宅しました。

行き場を失い、お金もなく困っていたところ、事務所の大家に会い、ここに住んでもいいと言われたそうです。

「青木麗子です。一緒に住まわせていただくことになりました。今日からどうぞ宜しく。場所がもう全然わからなくて道に迷っちゃって。寒くて気を失うかと思った。」

「どういうことか説明してくれますか?」

「なに?お湯?ほんとにお金ないんだ。大家さんがしばらくここにいていいって。目を見て?嘘付いているように見える?先生…なかなかの美男子ね。」

「そりゃどうも」

「可愛くなーい」

「大家さんとはどういう関係で?」

「行くとこもお金もなくて困ってたら、九十九夜町で声掛けられて行くとこ決まるなら、ここに住んでもいいよって。住んでるのは断る権利がない人たちだって。まぁ住むところが決まったら出て行くから。探偵事務所、面白そうね」

「お金もないし家賃払えないんじゃないんですか。空いてる部屋ないですし」

「貧乏な上にケチなんですね。こんな寒い日に野宿しろっていうの?はい、左右馬先生がごねるようならこれって。あなた探偵助手なんでしょ?楽しい?」

「楽しい?うーん…」

鹿乃子の耳には嘘は聞こえなかったものの、泊まる部屋がないと渋ります。

すると、大家からの手紙だと言って、麗子は左右馬に手紙を渡しました。

「鹿乃子さん、いてもらいましょう。困ったときはお互い様ですよ。」

その内容は、女性を泊めたらと溜まっている家賃をなしにするというものでした。

「祝さんこの女性は私が会った時、とても切羽詰まっていました。泊めてくれたらたまった家賃をなしにします」

事務所に見知らぬ女性が泊まる事に警戒心を抱く鹿乃子に対し、左右馬は家賃が無しになるという条件を飲みました。

彼女はその後、青木麗子(加藤小夏)と名乗りました。

「青木麗子と申します」

「嘘…それは人が嘘をついたとき、硬いこだまがかかる声」

左右馬達が麗子を連れて「くら田」に行くと、店の常連、六平(今野浩喜)が、麗子を見て褒めそやし、酒を酌み交わし始めました。

「こっちで一緒に飲まないかい?」

「べっぴんさんだね」

「そういえば、僕のはんぺんは」

「堪忍やで、先生、はんぺん今切らしてもうて」

「ええー!」

大好きなはんぺんがなくなり、ショックを受ける、左右馬。

「美味しい。」

「そしたらあれか務めていた会社が潰れたのか?」

「ええ。私、貧乏で両親も頼れなくて。弟と妹もいてまだ幼いですし…」

「ここで働いたらどうだ?麗子さんがいれば客も増えるんじゃないか」

「では雇っていただけますか?」

「堪忍ぇ、うちはもう間に合ってまして」

くら田の女将は、麗子を雇うのを丁寧に断りました。

2人の会話を聞いていた鹿乃子は、麗子が身の上について、嘘を言っていることを早速見抜きます。

左右馬は突然、鹿乃子にこう言いました。

「鈴蘭って夏の花だよね、麗子さんの手袋、鈴蘭がついてる」

左右馬は麗子がしていた冬用の手袋に鈴蘭の刺繍がある事に疑問を抱きます。

「あの人いつまでいるの?困っているようには見えへんというか、そういうわけやからあの人のお題はきっちり先生に受けさせていただきます。」

「手伝えることなんでもします」

鹿乃子と左右馬は、くら田の女将、ヨシ江から栗の皮むきを頼まれ、引き受けることに。

事務所に帰ると、麗子にいち早く出て行ってもらうため、作戦を立てる左右馬。

「まず、青木麗子という名前、嘘ですよね?」

「私は嘘つきなの。ずっと嘘をついている。本当の私は誰にも秘密なのよ」

麗子は酔っていて、自分の素性を明かしたがりません。

「今日は私と一緒に寝ましょう。なんなら左右馬先生と一緒に寝てもいいのよ。いいじゃない?鹿乃子ちゃんが寝ていいって言ってるし、嘘~。大丈夫よ、何もしやしないから」

「じゃあ鹿乃子ちゃんと一緒にいよう」

端崎馨(味方良介)が来て、左右馬を連れ出しました。

「夜分遅く申し訳ない!左右馬を駆ります」

麗子と2人きりになった彼女は、失恋を機に家出したと推測します。

「左右馬先生の床にいるの大変そうね」

「先生は優しい人です。困っている人を助けようとしているし、きっと麗子さんの力になってくれます」

「鹿乃子ちゃんは先生のことが好きなのね」

「え?!ち、違うますよ!助手としてです。」

「じゃあこれからも助手として先生の傍にいる?じゃあ先生が結婚したら?それでも助手として先生の傍にいるの?」

「はい、助手ですから」

「私もそう思っていたんだけどね、あの人の心が私のものじゃなくても、傍にいられるだけでいい、ふっ…寝るわ。じゃあお邪魔しますね」

その後、話し合いが終わった左右馬が帰宅しました。

左右馬が馨に連れ出された用事は馨の姉、雅の件でした。

「あれまだ起きていたの?」

「寝ててよかったのに」

「あ、あの先生これ見て下さい!ほほう」

「千代さんのお父さん立派ですね」

「うちにも寄付してくれるよう頼もうか」

鹿乃子の親友、藤島千代の父、幸弘は小学校に音楽室を寄付する話題で、新聞に載りました。

その日の夜、急に、左右馬の探偵事務所を訪ねてきた馨(味方良介)は、彼の姉で、かつて、左右馬と鹿乃子と事件解決に協力した、怪奇雑誌記者、雅(北乃きい)の行方を追っていました。

彼女が突然、縁談を断って、失踪したのです。

「雅姉さんを探し回るのに焦った。縁談を断った雅姉さんを探して」

「見つかったんですか?」

「見つかるもなにも遊戯室で元気にマージャンしてた」

雅と共に、麻雀を楽しむ、左右馬とそれを見守る、馨。

「馨がただ騒いだだけ。挙句の果てに巻き込まれた。」

「でも何事もなくて良かったですね」

「鹿乃子くん、栗は明日にして。今日はもう寝よう」

夜に、左右馬が結婚するなんて考えたことなかったけど、遠くないうちにそんな日が来るかもしれないと、麗子の言葉を考え込む、鹿乃子。

翌日。

未だに素性が分からない麗子について、左右馬が何かに気付きました。

「藤島千代のお母さんの記事がない。たぶん、麗子さんが…僕達に知られたくないことが書かれていたのかな」

そこへ、千代(片山友希)がやってきました。

「左右馬様の直々のご依頼とならば喜んでやらせていただけますわ。お父様の記事ですわ。小学校に音楽室を寄付しましたの。バイオリンを10兆。」

「蘭子へ心配している、鈴乃」

「千代さん、有難う御座いました。」

「お役に立ててなによりですわ」

なんと麗子は、記事を読むと、千代の父、藤島幸弘と知り合いだと判明しました。

その後、槙原鈴乃(兼光ほのか)という女、鈴村柾(福山翔大)出会いました。

「僕は探偵をしておりましてある女性の素性を探っております。その女性は蘭子と名乗っておりまして他人の家で、勝手に飲み食いする厄介者なんです。」

「それうちの蘭子です」

「もしよろしければ蘭子さんの写真をお見せいただけませんか?…違いますね、どうやら別人のようです。申し上げたように、私は探偵です、これもなにかの縁、もしよろしければ蘭子さんの行方探しを請け負いますよ。今なら格安です」

「お支払いしよう」

「それはイカサマです」

蘭子の居場所を知っていながら報酬目当てに、仕事を引き受けた左右馬にドン引きする、鹿乃子。

「蘭子を探していただけるなら」

「明石蘭子。私と同い年で22歳。身寄りがなくて、女中としてうちに来ました。明るく物おじしない性格で、私達は本当に姉妹のように過ごしてきました。鈴乃と蘭子、姉妹みたいねとよく言ってました。」

「僕は鈴乃さんの家庭教師です。蘭子は物覚えの良い子供で17歳の時に僕が働くテーラーで一緒に働くことになりました。お客さんからの評判も良かった」

鈴乃の婚約者、柾はかつて、麗子こと、明石蘭子と共に彼の実家が、営むテーラーで働いていました。

当時12歳だった鈴乃の家庭教師をしながら、父の営むテーラーもしていた、柾。

「ところが部屋の荷物も、仕事の文書も必要なものだけを残して綺麗に整理されていて、事件ではなく覚悟の家出だとわかりました」

「家出ですね。」

「一つ…」

「鈴乃ちゃん」

「話さないと、もう時間がないんです。ひと月前、私と柾さんの結婚が決まりました。私達、もうすぐ結納なんです。柾さんの傍にいたの蘭子なんです。柾さんが好きなの。」

「彼女はずっと僕の片腕になってくれたんです。」

「一つ疑問なんですが、蘭子さんの家出がお2人の結納が原因なら、蘭子さんを探してどうするおつもりなんです?」

「その気持ちを知って、結婚を喜んでくれたんですね」

「蘭子を苦しめるくらいなら柾さんとの結婚を辞めます。お願いします。」

「お願いします。この誤解を解くために、蘭子を探してください。これで結婚できないなんて」

「どうして蘭子さんのことで嘘付いたんですか?」

「いくら厄介でも、帰りたがっていない人を事情も知らない人を帰すわけにいかないでしょ」

「鈴乃さんも柾さんも誰も悪くないですよね」

誰も悪くないのに…。

心優しい鹿乃子は状況にまた胸を痛めるのでした。

その後、鈴乃と柾の家から事務所に帰宅した、左右馬と鹿乃子。

「蘭子さん、明石蘭子さんでしょ?あなた」

「左右馬先生って本当に探偵だったのね」

「で、どうして私の本名が嘘だってわかっちゃったの?どこまでお聞きしたの?」

「姉妹のように鈴乃さんと過ごしたことも、テーラーをしていたことも」

「鈴村征さんが鈴乃さんと結婚することになったことも」

「聞いちゃったんだ」

「夕べ、蘭子さんが言っていたことって、鈴村さんのことではないですか?」

「だって女中上がりの私と征さんじゃ釣り合わないでしょ」

あれ?

「探偵ってすごいのね全部ばれちゃった」

「鈴乃さん泣いてましたよ。自分の結婚があなたを苦しめるんじゃないかって。あなたを苦しめるなら征さんとの結婚をやめるって。ちゃんと話したほうがいいんじゃないですか」

「そうね、帰るわ。一日だけだったけど楽しかったわ」

蘭子はその後、踏ん切りがついたようで、鈴乃たちの元へ帰る事に。

人はどうして嘘をつくのだろう?

「鈴乃さんと結婚することにした。蘭子も応援してくれるよね?」

「もちろんよ。きっとうまくいくわ」

しかし、本音は全く違い、自分の気持ちを胸に隠します。

実際帰れず、再び、左右馬と鹿乃子に会った蘭子。

「なにやってるのよ」

「蛙だなんて嘘ついて、嘘付き蘭子さん。本当は帰る気ないのに」

「なに?2人の結婚の為に早く帰れって」

「蘭子さんを探してほしいと依頼が」

「あのまま居場所を教えなくてもいいと思いましてね」

「蘭子さんが家を出た本当の理由を話してくれませんか?」

「ふ…本当の理由?じゃあどんな理由にしようかしらね」

「例えばあなたの思い人が槙原鈴乃さんだってこととか。その手袋、鈴乃さんがあなたにくれた手袋ですよね。鈴乃さんが恋敵ならそんな手袋後生大事に持っていないでしょ」

手袋は鈴乃から友情の証にもらいました。

「それ使って!私が蘭子に送るならこの鈴蘭が良いと思って。私達、鈴蘭姉妹の手袋よ」

「性別も身分も理由ではあったんだけど、でもそれよりなにより、お嬢さんの心はずっと征さんだったから。友情でも深愛でも私の大切な人はお嬢さん。それから、恋もね。でもねー、気付いたの。私が幸せを願っていたのは嘘だったんだって。」

「嘘?」

「お嬢さんの幸せを願えない自分がもう心底いやになった。大切なお嬢さんにこんな醜い自分を見せたくないし、心にもないことで嘘をつきたくないの。だからもう帰れやしないのよ」

「嘘でしか幸せを願えないならずっと嘘付いてりゃいいんじゃないですか。なんでも自分の思い通りになりませんよ。たとえそれがあなた自身の心もね。何もかも思い通りになるなら誰も嘘をつかない。思い通りにならないものを思い通りにしようとした時、嘘を付くんです。こうだったらいいとか、こうなって思ってほしいとか、嘘にはつく人の願望がある、欲がある、願いがある。あなたが嘘付いたのは、鈴乃さんの幸せを願えないだけじゃなく、それでも願いたいからじゃないですか?鈴乃さんの幸せを」

「本当ね。願えないけど願えたらいいのに。私面倒くさ」

「こっちのせりふです」

「そうね」

「鈴乃さんのところに帰って嘘をつき続けるのは嫌ですか?」

「いやよ…なんてね」

それは嘘でした。

「つくよ、嘘。心を込めて」

「帰りますよ!寒いしお腹すいたし暗いし電車ももうないし」

「帰りましょ、蘭子さん」

人が嘘をつくとき私の耳には声に金属を叩いたようなかたいこだまがかかって聞こえます。

打算、悪だくみ、見栄や気遣い、保身や人助け、叱られたくない、羨ましく思われたい、喜んでほしい、助けたい、醜かったり優しかったりする。

そして、蘭子は鈴乃と柾の元へ帰りました。

「蘭子!」

「心配かけてごめんね。私はお嬢さんと柾さんの幸せをずっと願っている」

嘘をつくことでしか見えないとしたら、耳に聞こえてくるのは、そんな人の願いなのかもしれないと感じる、鹿乃子。

「お世話になりました」

「滞在費は追って払って下さいね」

「また遊びに来てください」

「私、左右馬先生と一緒にいてもいいと思ったんだよね。片思いは間に合っているのよね。先生には一緒にいる人がいるし。頑張ってね鹿乃子ちゃん」

「わ、私は助手として!」

左右馬を好きな気持ちをまた蘭子に見透かされた鹿乃子はどぎまぎしてしまいました。

「大丈夫、先生には嘘は聞こえない」

「今日のご飯はなんだろな」

「蘭子さんが剥いてくれた栗で栗ご飯ですかね」

「鹿乃子くんは何が好きなの?」

「栗きんとんですかね」

「甘くてしっとりしていいねぇ」

「先生はなにが好きですか?」

「栗ようかんだね。くら田のおかみが作る栗ようかんは絶品なんだ」

「お腹空いたね」

「空きましたね」

そして翌日。

「鈴村征様、鈴乃様のお使いで参りました。」

なんと、左右馬と鹿乃子に、鈴村征と鈴乃の使用人から、「青木麗子」こと、明石蘭子を見つけた依頼報酬100円が届きました。

当時のお金で高価な100円、そして、鹿乃子と左右馬に、鹿と馬の刺繍が施されたマフラーが届きました。

「やったぁー!100円!鹿乃子くんは鹿」

「先生のは馬ですね」

2人はなんとも気まずい思いで、マフラーを受け取るのでした。

外で、鹿乃子と左右馬は、くら田が商売繁盛したことで、雑誌に載る事に。

倉田達造(大倉孝二)、タロ(渋谷そらじ)、ヨシ江(磯山さやか)が微笑ましく撮っていると、雅(北乃きい)、藤島幸弘(杉本哲太)雪乃(櫻井淳子)、六平、千代子、利市(橋本淳)、ヤイコ(永尾柚乃)らも集まり、みんなで集合写真を撮りました。

嘘解きレトリック最終回感想・みどころ

最後まで心温かい優しいミステリーでしたね。

謎めいた美女、「青木麗子」こと、明石蘭子。

なにか悪巧みを考えるようにも見えず、左右馬と鹿乃子に災いをもたらす人物ではないと思いました。

女中時代に自分が世話をしていた、鈴乃に恋をしていたという、多様性な恋愛にフォーカスしたところが良かったですね。

シスターフッドのような、蘭子と鈴乃の関係と、2人を繋いだ鈴蘭の手袋がとても微笑ましかったです。

家出した理由も、優しい嘘をつくことの切なさが伝わり、嘘をつく人の背景にある物語性と寂し気な蘭子の背中に哀愁を感じました。

嘘解きレトリックの登場人物は、鹿乃子と左右馬じゃないけれど、みんな心根が優しく、誰かを思いやる為にボタンの掛け違いが起きていると思いました。

心の中で、蘭子が鈴乃を思う気持ちや、鈴乃が蘭子を傷つけるくらいなら柾との結婚をやめようとする愛が素敵ですね。

繊細な鹿乃子の目線を通し、人が嘘をつく理由の多様性を知ることができました。

今回はイカサマで報酬を請け負った左右馬を最終回の今日は許してあげたくなります。

左右馬の役に立つ助手でいたいと願うと同時に、密かに左右馬に想いを寄せる鹿乃子が可愛すぎました。

あんなにピュアじゃ、蘭子みたいに少しからかいたくなりますよね。

鹿乃子の胸に秘めた、左右馬への純愛に、彼が気づくのはそう遠くない最終回でした。

 

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