あなたを奪ったその日から8話あらすじネタバレ
旭(大森南朋)が隠ぺいしている事実を明らかにする為、被害者の母親として、取材に応じてほしいと砂羽(仁村紗和)から頼まれた、紘海(北川景子)。
「皆川灯ちゃんのお母さんですよね。真実を明らかにして、結城旭に責任とらせたい。そうでしょ?だったら私達目的は一緒、手を組みませんか?」
「一ついいですか?この前お会いした時に、常務はYUKIデリの元社員に、500万円を支払ったって言ってましたよね?本当なんですか?」
「その元社員、鷲尾勇の銀行口座です。振り込まれたのは事件の直後、だけど、鷲尾は、最後まで1円も手を付けず亡くなりました。がんでした。わたしがどんなに病院行こうと思っても、行こうと言っても耳を貸さず、最期まで治療を拒否して。」
「あなたは?」
「鷲尾勇の娘です。離婚して、私は母に育てられました。わたしにとって鷲尾は世界でたった一人の父親だったことは変わりありません。料理に全ての情熱を注ぎ続けた人でした。あのピザの事件から明確に海老を入れたことを否定しました。人が変わってしまいました。父は明確に海老を入れることを否定していました。となると、他の誰かが厨房に立っていた。例えば、結城旭自身。結城は自分のミスを隠すために口止め料として500万円払った」
「それはどうでしょうか。あの日、常務がうちに来た時、既にピザは店頭に並んでました」
「灯ちゃんと結城旭、どちらの味方ですか?すいません言いすぎました。とにかく中越さんも私も同じ立場のはずです。大事な人を失ってその背景に結城旭がいた。隠された真実をどうしても知りたい、そうでしょ?取材に応じて下さい、お願いします」
砂羽は事件から時が経過した今でも、旭を追い続けている理由を紘海に打ち明けました。
砂羽は基YUKIデリの調理責任者、鷲尾の娘だったのです。
紘海は、旭を知るうちに、彼を100%悪人だと思えなくなり、葛藤します。
一方、梨々子(平祐奈)と食事をすることになった、玖村(阿部亮平)。
「なに?」
「この前、この前って、もしかして休みの日に親のスナックに呼びつけた事?酔っ払って正体隠して、迷惑かけたこと?俺にSNSでセクハラされたってばらしたこと?君に怒るのどうでもよくなった。なにか奢ってよ」
「どうしたの?」
「パパにむしゃくしゃして、手伝ってくれって頼まれてさ、葉山になんか行くんじゃなかった。」
「別荘か。やっぱ次元が違うよ」
「違うのはおじいちゃん。パパは単に目を掛けられてもらっているだけ」
「え?この人って」
先日、接待があった葉山での、紘海の写真を見せられます。
「パパの部下って言ってたけど。中越さん」と梨々子。
美海は柊に恋していて、夕方、声を掛けます。
「こんにちは」
「ああこんにちは」
「この前は有難うございました。」
「怪我大丈夫でした?」
「はい、全然、大丈夫です」
「それは良かった。では」
「あの!お名前聞いて良いですか?」
「柊です」
「柊さん。好きな駅舎のタイプは?一番好きな列車の型は?ちなみに私の推しは、2053Fで、インペリアルブルーやアズールブルーの帯も良いけど、やっぱり伝統のロイヤルブルーの…」
「済みません業務中なので」
「あ、ごめんなさい。私、鉄道設計士になりたくくらい鉄道が好きで…電車の話すると、話をすると止まらなくなって。済みません」
帰宅した美海は紘海から手紙のことを聞かされます。
「手紙読んだよ。どうしてお母さんが何か隠してるって思ったの?」
「どうしてって。お母さんあのさ、やっぱいいや」
翌日。
玖村は中越の保育園へ向かい、当時、紘海と働いていた保育士から情報収集をしました。
「あの、僕、以前ここで自販機の補充をしていた者ですけど、前にここに中越さんという方、働いていましたよね。中越さんにお世話になったのに、お礼言わないままやめられたって聞いて」
「紘海先生。良い調理師さんだったけどあまり周りに深い話しないから」
「気の毒な人よね」
「気の毒ってどういうことですか?」
梨々子は勤務中に、男性からのメールを見て、震えました。
「梨々子、どうしたの?顔真っ青だよ」同僚は梨々子を心配します。
帰宅した梨々子は顔色が悪く、結城が心配します。
「お帰り。梨々子、どうした?」
「…パパ、なんでもない、疲れたから寝るね」
「最近美海がなんだかおかしくて。帰りも遅いし、誰に借りたのか知らないけどメイク道具もあって」
「それ貸したの私です。彼氏とかいるんじゃないですか?恋って突然落ちるものじゃないですか」
「同級生かな」
「なんかピンチの時に助けてくれた人みたいだよ、携帯拾ったみたいな」
そんななか、近頃、帰りが遅くなり、メイクをするようになった美海(一色香澄)を怪訝に思うようになった、紘海は、美海の面倒をよく見てくれる近所の野口初芽(小川李奈)に相談しました。
変質者に声を掛けられたところを助けた駅員の柊(小林虎之介)と親しくなりました。
しかし、彼は薬指に指輪をしています。
夕方、美海と会い、夜のベンチで座る、美海と柊。
「何やってるんですか?娘をこんな時間に連れまわして。まだ12歳ですよ?」
「誤解されてませんか。お嬢さん鉄道業界に興味があるので、仕事の話をしていただけですよ」
「お母さん最低だよ」
「確かに、あの駅員さんには悪いことをしたって。美海、本当に仕事のこと?柊さんと仲良くなりたいんじゃないの?人を好きになるのは良い事だけど、大人を好きになるのは危険なのよ」
「お母さんとそういう話したくない。先生みたいなこと言うのやめて!これなんの箱?ほら言えない、隠してるじゃん。悪いことしてなかったら言えるはずだよね。間違ってるのは私だけなの?」
思春期の彼女は、恋心を傷つけられ、母とのずれを感じるのでした。
一方、紘海は美海の怒りに共感し、自分が灯を失ったことを機に、美海の実母のふりをした、誘拐犯だと自覚し、正しい道を間違えているのは自分だと気付きました。
美海は、小石川雪子(原日出子)のところにいました。
「もしもし、紘海先生。美海ちゃんうちで預かってるわ」
「じゃあ今すぐ」
「お母さんが迎えに行くなら他の人のところへ行くって。暫く頭を冷やす時間があるなら落ち着くと思うから。私が預かる」
結城は、望月(筒井道隆)と共に夕食をとっていました。
梨々子は市販薬を服用して、自死未遂をしました。
「なぜ薬なんか。娘と話してきます」
「お嬢さんは誰にも会いたくないようです。今はそっとしておいてください」
看護師に諭された、結城。
両家で起きた出来事は紘海と旭の距離を縮めることになり、それがきっかけで旭の苦しみを知ってしまった紘海は、これ以上、旭の傍にいられないと悟り、決意をします。
「中越さん」
「常務お疲れ様です。さっきお客様アンケートが消えてしまっていることに気付いて」
「明日の朝じゃダメなんですか?」
「明日の朝、木戸会長に見せるので」
「今日はもう帰って良いですよ。お嬢さん待ってるでしょ」
「喧嘩して家出したんです。仕事してるほうが気が紛れるので大丈夫です」
「手伝います。集計していいですか?僕も今夜は帰っても一人なので」
「美海ちゃんは手際がいいわね」
「ゲーム感覚なんです。果たして10分で終わらせられるかみたいな」
「紘海先生みたいなこと言ってる」
「血の繋がった親子ですから。」
その言葉に、美海を気遣い、言葉を選んだ、雪子。
「紘海先生は働き者ね」
「働きすぎですよ。腰をおろしてだらだらしているとこ見たことないです。働き蜂と働きアリを掛け合わせて生まれてきたみたい。それにおせっかいでなにかっていうとあれこれ世話を焼いて、休みも取らないし、おしゃれもしないし、自分のことはいつも後回しで、ほんとバカみたい。もっと幸せになってくれればいいのに、もっと楽しいことしてただげらげら笑って。…バカみたい」
紘海は仕事が終わりました。
「こんなに早く終わったのも常務に手伝ってもらったおかげです」
「終電何時ですか?」
「まだ時間ありますね」
「この前の納会の残りです。良ければ出すけど」
ビールを取り出す結城。
「会社でビールなんて悪いことしてるみたい」
「断ってもいいんですよ。上司からの誘いなんて断りにくいですよね」
「私ハッキリ言う性格なので」
「アルコール慣れてなくて」
「いつ依頼ですか?」
「10年と10カ月、僕の作った総菜で、亡くなった女の子。たった3歳。その長い人生を僕が奪いました」
「僕が?」
「3歳の女の子の命を奪ったのは僕らYUKIデリです。誤って海老を混入させてしまった」
「たしか事故の原因は不明だって」
「いいえ。僕の責任です。償うことは到底できないほど、大きな罪を僕は犯しました。それなのに僕はご遺族の方に未だ謝罪で来てない。ご遺族の立場だったら殺してやりたいと思うことでしょう」
「どうして、どうしてそんな話を私に?」
「分かりません。なぜか中越さんに聞いてもらいたくて。事故の後、罪の重さに耐えきれなくて、逃げるように仕事に没頭しました。娘たちにも沢山の迷惑を。だけどその時は、まだ本当の意味では分かってなかった。子供を奪ってしまった本当の罪の重さをです。下の娘が萌子がいなくなったのは翌年の冬、夕暮れ時でした。あの時になって初めて分かりました。娘がいない現実の胸が抉られる程の苦しさを。毎朝、目が覚めて娘がいない現実がまた始まると知った時の恐ろしさを。萌子から目を離した、あの夕方の自分を…僕は一生許せないでしょう。だけどすべては報いだったんです。灯ちゃんの命を奪い、犯した罪から逃げた。報いを受けた。報いを受けて僕はやっとわかったんです。皆川灯ちゃんと灯ちゃんのご両親にどれだけ、どれだけ申し訳ないことをしたか。本当に申し訳ない事を」
紘海は結城の着信メロディーが、灯と萌子が好きな電車のメロディで、紘海はこらえきれず、号泣してしまいます。
「中越さん」
「私はあなたの…」
萌子を奪い、いま、一緒に暮らしていることを言いかけた、紘海は何とか堪えるのでした。
気まずい空気で帰宅し、美海は家に帰っていました。
クローゼットから驚かせようと飛び出る、美海。
「わぁ!反応薄いよ。せっかく帰って来たのに」
「ただいまは?」
「ただいま」
「お帰り」
「お母さんあの箱のことだけど、もう聞くのやめました。そんなことより大事な事に気付いたから。お母さんに笑っていてもらうこと。お母さん?ちょ笑ってるの?」
「なんかなんかのコマーシャルみたいんだなって」
「ひどい、恥ずかしいの我慢して言ったのに」
「ねぇどっか行きたいとこない?」
「山手線でまだ降りたことない駅」
「北海道でも沖縄でも」
「じゃあ姨捨。長野にある鉄オタの聖地」
「じゃあ美海の誕生日に行こう」
「やったぁ!でもお母さん仕事は?」
翌日、紘海は室長に退職届を出します。
その頃結城は、梨々子のメンタルが不安定だと知りました。
「娘さん、まだ安定してません」
結城は望月から、紘海の退職届に戸惑い、突き止めました。
「中越さん」
「私この仕事に向いてないんです」
「そんなわけないでしょ」
「僕と一緒に働くのが嫌ですか」
「感謝してます。こんな私と一緒に働いてくれて。ごめんなさい」
「頼む、やめないでくれ」
紘海の手を掴む結城。
「結城さん、私そんなふうに優しくされる資格ないんです」
「どういう意味ですか?」
「人の心は万華鏡っていつか仰いましたよね。あなたは本当の私を知らない」
間もなく、東砂羽に連絡します。
「中越です。取材の件ですが、協力できません。真相も分からないのに、一方的に貶める記つな記事を出すことが、正しいのかどうなのか。」
「その真相を隠しているのが結城旭ですよね」
「ただ常務は自分の保身のために、なにかを隠す人ではないような気がして」
「まるでミイラとりがミイラになったみたい」
「会社はもう辞めることにしました。あの人は私が思ってるような人ではなかったので。あの人がただの悪人だとはどうしても思えないんです」
砂羽は、父が最後に、残した言葉を思い出します。
「あの日厨房に立ってたのは俺だ」
「じゃあ海老はお父さんが?」
「違う!俺達があの子を殺してしまった」
父の言葉に考えを巡らせる、砂羽なのでした。
「俺達…」
梨々子の見舞いに、母、江身子(鶴田真由)が訪ねてきました。
「来たわよ。オーバードーズだって?なにやってんのよ。で、話って」
「助けて。助けて、ママ」
梨々子はようやく家族にSOSを出すことが出来ました。
結城は、紘海が辞めることに納得いかず、望月に相談。
「中越さんが辞める?」
「望月なにか聞いてないか?なんだかひどく追い詰められているようだった。なにか切実な事情がある気がする」
帰社した、結城は、玖村に紘海の正体を打ち明けるのでした。
「玖村くん?」
「お久しぶりです」
「なにしにここへ?」
「どうしたの?」
「あの気付いてますか?あの事件の被害者の母親。」
「え?」
「気付いてないんですね。皆川灯ちゃんの母親がすぐそばにいることですよ。中越紘海は皆川灯ちゃんの母親です」
望月は、紘海が電車のアクセサリーをつけていることや、杉並区西高井戸に住んでいることなど、徐々に、パズルピースを頭の中で埋めようとしていました。
紘海の正体を知った結城は、頭が真っ白になっていました。
紘海は、美海との初旅行の為に調べものをしながらも、何か不吉な予感を感じるのでした。
あなたを奪ったその日から8話感想・みどころ
紘海に忍び寄る、真実の足音を感じました。
紘海が、「中越美海」の母親でいられる時間は、あまり残されていないと思います。
一方で、萌子は柊に恋してしまっているけど、柊は既婚者。
大丈夫なのかな?って紘海の親心が理解できます。
結城も紘海も互いの人柄を知り、根っからの悪人ではない結城に動揺する紘海の心に共感しました。
結城が、灯にとても申し訳ないことをした本音を口にした時、紘海が自分の正体をうっかり言いそうになりかけて、ザワザワしました。
美海こと、結城の娘、萌子は、自分と母親は血が繋がっていると信じるものの、母親が何か自分に隠していることを追及できずに、心に蓋をしてしまってますね。
萌子を「美海」として育ててることが、人として踏み間違えていて、美海の為に本当にするべき選択に悩む紘海が倒れないでほしいです。
玖村が結城旭に、紘海の正体を明かした場面で、一瞬音が止まった瞬間、本気で寒気がしました。
まるでホラー映画のように、紘海の闇が結城の心を直に直撃してると思いました。
梨々子も、玖村も、中越紘海という人物の事実に辿り着こうとしていますね。
しかも、梨々子は自分が紘海の娘、灯の死に関与しているかもしれない恐怖を感じてる気がします。
彼女が闘う恐怖の真相が次週、明かされるのが楽しみです。