院内警察1話あらすじネタバレ
手術中の榊原(瀬戸康史)と他の医師たち。
榊原の手術の腕は有能で、武藤や、外科部長の倉田祐二(神尾佑)も感心。
阿栖総合病院が誇る若き天才外科医、榊原俊介(瀬戸康史)がドイツから帰国。
榊原は、帰国直後にも関わらず、難易度の高いオペを執刀し、素早く正確な技術を披露して周りの意志を唸らせていました。
病院内で起こる患者同士のトラブル対処やクレーム対応、落とし者管理などを担う、民間組織「院内交番」。
その菜の通り、「病院内の交番」として、院内の秩序を守るために設置されるこの組織には、一般的に警察OBが定年退職後に従事することが多いのです。
元警視庁捜査一課の刑事、武良井治(桐谷健太)は、阿栖暮総合病院内に設置された、院内交番に所属します。
患者の清宮(でんでん)が入れ歯が誰かに盗まれたと大騒動。
野島の入れ歯を間違えて清宮がつけていたことが判明し、解決しました。
「ブライよ、大きな声出して悪かったな」
「清宮さんの活舌、今日いつもより超絶悪かったから。」
そんななか、今日から医療事務として働く、川本(長濱ねる)が到着。
「ブライじゃなくて、武良井ね?」
「あの、武良井さんはお医者さんなんですか?」
川本に聞かれ、ニヤッと笑う武良井。
「あれって外科医の榊原先生ですよね?灼熱大陸でも紹介されていました。めちゃくちゃ腕が良いって評判ですよね。」
有名医師の榊原に興奮する川本を連れて、職場へ。
院内交番には、武良井と室長の横堀仁一(市川正親)が所属していたのですが、そこに事務員として、川本響子(長濱ねる)が配属。
有名病院の医療事務としてやりがいのある仕事ができると張り切っていた、川本。
「ここが君の職場、ようこそ、院内警察へ。」
「ああ、あなたが川本さんですね?室長の横堀です。」
横堀(市村正親)に温かく丁寧に歓迎され、自分のデスクへ着く、川本。
「院内警察は病院の秩序を守るために設置されました。退職後に私や武良井のような者が配属することになります。遺失物紛失、迷子の保護など、交番で行うことを病院で行うかんじかな。」
川本は院内で防犯カメラが見えるところで床に寝そべり、警備室に電話連絡していた、武良井に違和感。
「川本さん、仕事は楽しみながらやるものだよ。」
早速、子供が院内に落ちていたティッシュを届けて、問題が解決。
院内警察でお茶をする、清宮ら高齢男性の患者たち。
院内で、「軽薄で、空気の読めない、給料泥棒」を意味する、3K交番と揶揄されている場所に配属されてショックを受けます。
川本と共に、院内のパトロールに出かけた武良井は、山際修平(渡辺光)という男が入院中の妻、恵美の検査の件で、医師と揉めている姿を目撃します。
「また検査ですか?恵美の体の負担を考えて下さい。」
「榊原先生の指導の元、適切な治療をしていますのでご安心ください。」
「あの、なにかトラブルでしたか?」
「あなたは?」
「院内交番の武良井です。」
「あーはいはいはい、あなた方に心配されるほど落ちていないですよ。」
「ああ、あそこまで言うことないじゃないですか」
嫌味を言う医師に怒る川本。
「インフォームドコンセントって知ってる?」
「ええ、医療事務としてそれくらいは。」
その後、病院の庭で子供達とサッカーをするなか、小さな女の子の患者が何か不安を抱えていました。
「おおーどうした?」
「これ食べる?」
少女、美紀は首を横に振ります。
その後、迎えに来た母親と一緒に病室へ戻って行きました。
美紀は手術をもうすぐ控えていました。
入れ歯を見つけ、監視カメラの居場所も確認、そして庭で患者の子供達と遊ぶ…。
仕事らしい仕事をしておらず、暇な環境に、川本は不満。
さらに、清宮ら患者の男性に日本酒を飲ませている武良井に怒りをぶつけました。
「あの患者さん達に飲ませているんですか?信じられない、ここは病院ですよ。給料泥棒、軽薄、空気読めない、おまけにクソつまんない…!武良井さん4Kですよ!」
「川本さん昔学級委員だった?たまには患者さん達にも息抜きは必要だよ。」
自由人な武良井の態度に苛々し、望んでいた医療事務の仕事ができない事に納得がいかずに、帰る、川本なのでした。
翌日。
川本が出勤すると、腫瘍内科医、尼子唯織(さとほなみ)が休んでいて、驚愕。
生足が出ていたので、思わず目が点な、川本。
「尼子先生と武良井さんとの関係は?」
「医師と院内刑事?」
「語尾、疑問形になって上っていましたよね。」
間もなく内線が鳴り、昨日、中庭で会った美紀が手術に不安を抱えている事で呼び出されました。
「美紀ちゃん、美紀ちゃんが寝ている間にあっという間に治しちゃうからね。」
そう声をかけるものの、だんまりする、美紀。
「美紀ちゃんは手術を控えていますが、本人の意志を確認せずに手術は行えません。」
次に、昨日の妻の恵美を案じる、山際が女性事務員を人質に騒動を起こしていました。
武良井は医師の格好をし、すい臓癌だと伝えました。
「あんた医者じゃないだろ?」
「いや、マジだよ。あんたの奥さん、すい臓がんです。」
そこへ、榊原が言葉を続けます。
「奥様の恵美さんは初期の膵臓癌です。」
「嘘だろ…あいつの母親もすい臓がんだったんだ。こんな不公平なことってあるだろ」
「榊原先生ならきっと治してくれますよ。」
山際に声をかける男性内科スタッフ。
彼はなんと、先程、武良井をバカにした男でした。
「やめてください、そういう軽々しい声掛けが山際さんを追い詰めてしまったんですよ。責任は医師の私にあります…」
山際に土下座をする、榊原。
「後悔ならよそでやってくれる?その指、庭で遊んでいるから指輪外すんだよ。罪の意識にさいなまれた時、男は弱い。バカだな…助かりたい患者とその家族、ここにいて良い人間はそういう人だけじゃない?」
夜遊びばかりを繰り返し、妻の病気に気付けなかった後悔を抱えていました。
パトカーに乗る再、山際は武良井の言葉に感化され、訴えました。
「俺は妻を支えて一生守るって決めたんだ。俺に夫になるチャンスを与えてください!お願いします!お願いします!榊原先生には伝えてください、俺の命はどうなってもいい、恵美だけは助けて下さい!」
ふと、取り乱した山際に、かつて自分も愛する人(入山法子)を守れなかった過去がフラッシュバックした、武良井。
「武良井警部補、お疲れ様です!」
巡回中の警察官に声を掛けられ、切なく微笑む武良井。
「人違いですよ。」
その後、美紀の件で本格的に動く決意をした、武良井と川口。
「悪かったね、美紀ちゃん、わがままな大人に振り回されて遅くなっちゃった。気が付いたよ、どうして美紀ちゃんが手術したくないのか?この子だね?」
「わかんないの、どこかに行っちゃったの。」
「やっぱり原因はぬいぐるみか」
「話してくれればよかったのに」
「話しにくい事もあるよな?美紀ちゃんにとってぬいぐるみはお守りだったんじゃないかな」
「パパが買ってくれたから。」
「金魚ちゃんがいないと手術できないか…大丈夫」
武良井はネームプレートに、「ぬいぐるみ警察」と書き、美紀を安心させました。
「俺たちはぬいぐるみ警察だ。今から鯉ちゃんを必ず見つけ出すからね。」
その言葉に初めて微笑んだ、美紀。
美紀のぬいぐるみの場所を特定した、武良井。
武良井の主治医、伊藤に連絡。
「あのぬいぐるみはGPS付きで、美紀ちゃんが亡くなったお父さんからもらったものなんです。ぬいぐるみの居場所はアプリでお母さんと連絡をとって見つかります。ぬいぐるみの居場所は見つかったら、またご連絡します。」
伊藤は怯えていました。
それを知っていた榊原は伊藤の様子を不信に見守ります。
そして、勘付いた武良井は、伊藤に声を掛けます。
「伊藤先生、ポケットに入っているもの見せて下さい。怖がらないで、ほーらあった。」
案の定、伊藤が最初から持っていました。
「盗もうと思ったわけじゃないんです、拾って後から帰そうと思って。」
「美紀ちゃんが手術をしないのが好都合だからですか?」
「どうして僕だってわかったんですか?」
「先生は美紀ちゃんに話しかける時、膝を開き、手をもじもじさせながら座っていましたよね。ぬいぐるみを隠していた後ろめたさかな。伊藤先生は前回のオペ以降、手術していませんよね。前回のオペの時なにかあったのではないかと思って。このパソコンのデータに入っていますよ。」
武良井は伊藤の手術歴が入ったノートパソコンを見せました。
「指導医として入っていた榊原先生がいなければ患者は亡くなっていた。画面が真っ赤に染まる光景が頭から離れなくて…」
「美紀ちゃんが手術を怖がっていることを知り、他の医師に執刀させようと下。
「外科医なのにメスを握れないなんて、情けないです。」
「くくく、外科医なのにメスを握れないって…外科医がメスを握ったら殺しちゃうよ。美紀ちゃんは伊藤先生にとってそんな存在なんだろ?殺しちゃえばいい。」
「美紀ちゃんは大切な患者です!そこまで腐ってない!」
伊藤は美紀に金魚を返しました。
「美紀ちゃん、ぬいぐるみ警察さんが見つけてくれたよ、大切なぬいぐるみだったんだね。」
「うん、水族館でパパに買ってもらったんだ。」
かつて、父、幸次が生きていた時、家族で水族館へ行った美紀。
「金魚さん達、離れ離れで大丈夫かな。」
「金魚さんたちは目に見えない赤い糸でつながっているから。はい、これ、美紀のと、パパのと、ママの…」
この優しい思い出に、伊藤は自分がしたことをとても後悔しました。
「美紀が死んでも、これで天国のパパに会える。」
「大丈夫、美紀ちゃんは死なないよ、絶対に美紀ちゃんを助けてあげるからね。」
美紀の切ない言葉に胸がいたたまれなくなった、伊藤は気持ちを引き締め、弱い自分の心と闘います。
手術を始める時に、小学生の時、大便をもらして好きな子に笑われ、学生時代も失恋したこと、そして、手術をすることが怖くて美紀のぬいぐるみを隠したことを他の医師達の前で白状しました。
「僕は手術が怖いです。もし僕が取り乱したら、僕を助けて下さい、美紀ちゃんを助けて下さい!」
「バイタル安定しています。美紀ちゃんが伊藤先生を信じている証拠ですよ。」と麻酔科医。
「伊藤先生、大船に乗った気持ちでいてください。」
「はい…それでは、相良美紀さんの手術を始めます。」
そして、美紀の手術が無事、終わりました。
美紀の母は自分と亡き夫の金魚のぬいぐるみも、美紀の金魚と一緒に枕元に置きました。
その後、川本が武良井が山際の事も、伊藤の事もコミュニケーション不足だと指摘しました。
「コミュニケーションが円滑にできていれば、やりがいのある仕事に繋がるかもしれません。」
「武良井さん、患者さんのことなど思いやって良い人ですね。」
「まぁ人は思っていたよりも色々あるからね。」
屋上で、尼子と話していた武良井。
「なにかヒントはあった?」
「まぁヒントになる手がかりはあったかな。」
実はこの病院に、武良井の愛する人の死の真相を握る医師がいるのです。
山際は拘置所で、恵美の癌治療に希望があると知って涙します。
「榊原先生、武良井です…覚えてくれていて嬉しいな」
「あの時、なぜ山際さんがすい臓がんだってわかったんですか?データでしか知り得ませんよ。本当の事を教えてください」
「榊原先生には誤魔化しきれませんね。山際恵美さんはERCPを受けましたよね。手術が必要な疾患…限りなくすい臓がんの可能性が高い。」
「さすが元警察ですね。」
「患者のことは全て頭に入っているんで。」
「患者のデータは300人以上あります。その全てのデータを把握していると?」
「まぁね。はい、先生の質問に答えた。山際さんの体、ERCP以外、検査していましたけどあそこまで何度も検査が必要だったのかなって…」
「不必要な検査はしていません」
「あの患者のお母さんはすい臓がんで亡くなっていますよね?負担が大きい患者…本来ならすぐに手術可能ですよね。先生は既にご存じじゃなかったんですか?山際恵美さんが早急にオペが必要な事。海外にいたのも、自分がメスを握りたいから。相良美紀ちゃんの手術も伊藤先生がぬいぐるみを隠したことを知っていた。さすがに突飛でしたかね?」
「確かに、仰るように、私が時間を稼ぐよう、手術しました。」
武良井は愛する存在(入山法子)の顔が頭に過りました。
彼女の亡くなった原因は、榊原の不必要な検査等が原因だと睨む、武良井。
「榊原先生は優秀だと有名ですよね。でも本当は英語じゃなくてドイツ語の方だったりして。」
ギフトのドイツ語の意味は、「毒」。
院内警察1話感想・みどころ
院内警察は、病院内ではお荷物扱いをされているものの、緩んでいるように見えて、抜群の洞察力と並外れた頭脳を持つ、武良井の活躍が爽快でしたね。
手術に自信がない患者の美紀の背景にとても胸が痛み、美紀の金魚のぬいぐるみを手術の怖さに隠してしまった伊藤の後悔の念が画面越しに伝わりました。
家族を象徴する大切なものを大人の都合で隠されてしまった美紀の気持ちを思うと意畳まれませんが、伊藤が改心して良かった。
また、山際の妻、恵美もすい臓がんを患っていることが分かりながら少し治療に希望が見えてきましたね。
しかし、優秀な外科医として帰国した、榊原は、神の手ではなく、毒を持って、患者たちの元に舞い戻ってきたという恐ろしさ。
美紀のぬいぐるみの件も、榊原が指示していたというから、榊原の闇ある人間性が信じられません。
自分が手術を執刀したいがために、患者の治療にも不必要な検査を受けさせ、美紀の事も彼女の心の支えとなる物と、伊藤の心の弱さを逆手にとるとは。
一方で、榊原あるいは、榊原の身近な医師に、この院内で愛する人を医療的に殺された、武良井の復讐に満ちた目が忘れられません。
とてもパートナーを愛していたと思われる武良井が受けたショックは計り知れません。
山際に「ここで後悔するなよ。庭で遊んでいたから指輪を外した。」等、厳しい声をかけた時、胸がギュッと締め付けられるような思いでした。
かつて自分も愛する人を病気から守れなかった後悔とトラウマが見え隠れしていて、とても心が痛かったです。
自由人に見えて、内面は、愛する者の復讐に捉われているようにも見える武良井の心の闇が、物語を追うごとに癒えていくことを願いたい1話でした。