院内警察7話あらすじネタバレ
夜中に、唯織(さとうほなみ)が、榊原の病院長室で休もうとしていました。
阿栖暮総合病院院内交番の武良井治(桐谷健太)は、室長の横堀仁一(市村正親)と共に、警視庁捜査一課長の城川尚(テット・ワダ)と再会しました。
「根治的手術を待っている人がいる。既存の抗がん剤では効かないのにあの薬は効いた。同じ抗がん剤を飲んだ患者が言っていた。もしかしたら肺炎の症状が起きたことを隠していたのかもしれない。違和感を感じたら治験を中止されてしまうから、患者たちは肺炎の徴候を隠して、治験に参加していたのかもしれない。もう被害者をだすわけにいかない。俺は知りたいんです。誰が美咲を殺したのか。病院かあいつか…それとも…」
亡くなった患者たちは肺炎症状が出ていたことを黙っていた可能性があったかもしれないと、城川に伝えました。
「息が苦しくなる時もあるけど、大丈夫。」
武良井は、阿栖暮総合病院で行われていた治験により、原因不明の間質性肺炎で亡くなった、ステージⅣの胃癌患者だった、元恋人の夏目美咲(入山法子)の真相に関して疑問をずっと抱き続けていました。
その治験の責任者は、名医と評された、榊原俊介(瀬戸康史)でした。
城川によれば、製薬会社側も、治験患者が間質性肺炎で相次いで亡くなっていることを把握しており、内部調査を始めたそうです。
武良井は、美咲が残した日記を読み直していて、気づいたのでした。
阿栖暮総合病院で、小児病棟の子供達の節分の相手をするなど、面倒見の良い14歳の少女、今井結依(梨里花)。
結依は、屋上に行きたいと川本に言いますが、安静にするよう、諭されます。
結依の屋上に付き合う、武良井。
「本当はどうなの?具合。」
「生まれた時からこうだから良くも悪くもかな。元気ってどうなんだろう。手術したら元気になれるのかな。お母さんが調べてくれて、ここに来た。お母さん朝から晩まで私のこと考えてくれて体張っているんだ。発作の時とかお母さんのほうが心配しすぎて、私のほうが心配になる時があるよ。どっちがお母さん。」
最近まで元気いっぱいで、病院内で起きた「盗難事件」の手掛かりも手助けした、結依。
しかし、彼女は、HLHS(左心定型性症候群)という心臓疾患を持っていることが判明しました。
その病気は、榊原の亡き妹、希(井田すず)と同じ病気。
希も14歳で亡くなったのです。
武良井と結依の母の会話を偶然、聞いていた、榊原は動揺します。
「お誕生日おめでとう。」
妹の希に帽子をプレゼントした中学生の榊原。
希のように無邪気で素直な人柄が、結依にも共通しています。
「榊原先生、部長さんになったんでしょ?」
「外科部長だ、病室に戻りなさい。」
「みんな心配しすぎだよ。」
「HLHSでしたっけ?結依さんが倒れていた時、動揺していましたよね?」
「なんのことです?」
そんな折、入院患者の清宮(でんでん)が退院することになりました。
清宮から退院報告を受け、喜ぶ、川本達。
清宮はそこで、頼みごとがあると言って、武良井に人探しを頼みます。
「依頼したいことがあるんだけどさ、いいかな?」
その夜、榊原は、待合室にいる結依に気付きます。
「先生…?気になる?これね、前の病院の時の友だちから借りたんだ。」
「もらったんじゃなく?」
「そう。私の病気が治ったら返しに行くの。いきなり来てさ、サプライズとかしてみて。」
「コラ、踊らない。」
「榊原先生、貸し借りとかしないよね。何言うか当てようか?病室に戻りなさい。わかってまぁす。」
結依は病室に戻って行きました。
結依の天真爛漫な態度に、妹の希とますます、重ね合わせてしまう、榊原。
清宮は、遠藤康恵という10年以上前に出て行った妻を探してほしいと依頼。
「結婚式のお写真楽しそうですね!」と、川本(長濱ねる)。
「楽しくなんかねぇよ!口を開ければ小言ばかりだよこいつ!娘の結婚式を境に喧嘩して出て行っちまった。家の権利で署名が必要なんだ。ああ、ごめん。イマドキはこういうのだめだよな。横堀さん、すぐに見つけられるだろ?」
「やるよ。」
「”ブライ”?本当か?」
「見つけてやる。」
希の月命日で、墓参りに訪れる、榊原。
あの日の記憶が蘇ります。
「そんなに勉強して何になるんですか?」
「医者だよ。」
「じゃあこれ貸してあげる。」
「ありがとう。」
墓参りで、僧侶に気持ちをこぼす榊原。
「もらってばかりで何も返せなかった。」
「過ぎ去った不幸を嘆くのは新しい不幸を招く元ですよ。」
僧侶の言葉に少し救われる榊原。
その頃、武良井と、川本響子は清宮の妻、康恵を突き止めました。
「阿栖暮総合病院の院内警察です。清宮さんは今、入院されていて、家の権利が必要です。病院にお越しいただけないでしょうか?」
「嫌です。強引で身勝手で大声で癇癪起こせばなんでも通ると思ってる。娘の結婚式の写真にも顔も見たくない。お引き取りいただけますか?」
「あの…清宮さんもうすぐ退院なんです!昨日だって何回も絶好調って言っていて本当に病気だったのかなって思っちゃうんです。元気な姿を康恵さんに見せたいんだろうなって。会ってあげてください。」
清宮は退院する前、物を八つ当たり。
しかし、結依には孫娘のように温かく接します。
「ねぇ退院したらやりたいことリスト?」
清宮のノートを見て、結依は話しかけます。
「私、退院したら桜の季節にお花見しながら、飲むわらび餅が飲みたいんだ。学園祭で流行っているんだよ。あれ、後でやろうよ!」
ジェンガを指さした、結依。
「後でやろうね。」
「おお!やろう、やろう。」
その頃、武良井は着信を受け、ある場所へ向かいました。
榊原は希とあまりにも似ている結依を気に掛けけていました。
結依が書いた、「元気になったらやりたいことリスト」を偶然見た榊原。
希と同じように、海へ行きたいと書いてありました。
学生時代、2人で海へ出かけた時、榊原は風が吹いた勢いで、帽子が落ち、橋から転落しそうになり、希が走って釣り人を呼びました。
「希、体、大丈夫か?」
「こっちのセリフだよ。」
「大丈夫?なら良かった…」
しかし、希は走った勢いで倒れてしまいました。
阿栖暮総合病院に搬送された希に付き添うのは、榊原だけでした。
武良井は病院に戻り、榊原を追求。
「榊原先生、お尋ねしたいことがあるんですが。治験者からまた間質性肺炎が出ているんだ。責任者は榊原先生だよね?もう6人も地権者が肺炎を起こしている、」
「過去にとらわれすぎじゃないですか?いくら探しても夏目美咲さんは帰ってこない。」
思わず、榊原の胸倉を掴んでしまう、武良井。
川本は思わず、止めました。
「お帰り、で、どうだった?」
「ダメだった。」
「なんだよ、こっちがお願いしているのにあいつはよぉ!」
「なぁ清宮さん退院したら何するの?」
「家帰って酒でも飲んで悠々自適ってやつよ。」
「そんな時間ないんじゃないの?そろそろ話してよ。本当のことを。」
「参ったなぁ。」
清宮は唯織から余命宣告を受けていました。
薬物療法を行うこともできるが、在宅緩和ケアをすすめられていたのでした。
「ブライには敵わねぇや。いつ頃から気づいてたんだよ。」
「依頼に来た時からかな。横堀さんも気付いていたでしょ。」
「ほとんど顔を合わせていますからね。」
「彼奴元気にしていたか?」
「清宮さんの悪口いっぱいっていました。」と川本。
「聞いたよ、絶好調のことも。」
「あの人が絶好調という時は相当無理をしている時なんです。過労で倒れた時も絶好調って言っていました。」
「情けねぇな、迷惑ばっかりかけてよ。これでいいんだよ、俺に会いたい奴なんて誰もいねぇんだ。」
武良井は強がる清宮に、康恵の電話番号が書かれたメモを渡しました。
「何かあったら、ここに電話しろって。」
「もう別に何もねぇよ。」
そこへ、結依がジェンガをやりにやってきて、清宮はねじり鉢巻きを急に頭に巻きます。
「なにしてんの?」
「大勝負の時はこうやってやるって決めているんだよ。プロポーズした時もこうやって決めたんだ。なぁブライ、俺が決める。お前が倒したら俺が決める。倒さなかったら俺の番だよ。」
結依とジェンガを無事。楽しむことができた、清宮。
「そうだ、これ貸してよ。病棟の子たちとやりたいんだ。」
「ああ、良いよ。」
「じゃあ明日、返すね。また明日」
結依にジェンガを貸した後、病院の待合室の椅子に座る、清宮は、武良井がくれた妻の携帯電話が書かれたメモを意味深に見つめていました。
そして携帯にかけます。
「あ、清宮です。えっと、えーと…ブライにこの番号聞いて。いやいやどうしてもあいつ賭けろって言うからさ。なんだい、また小言かよ、ハハハ。」
清宮は家族に電話し、その後、容態が急変しました。
結依はジャンガを返しに清宮の病室を訪ねたその日、清宮が息を引き取る瞬間を目撃してしまいました。
結依は清宮のノートを拾います。
「死ぬ前に康恵とやりたいこと」
「死ぬ前って…。」
そこには、わらび餅ドリンクを飲むと書かれていて、結依と会話したときのものでした。
結依は悲しむ様子を武良井に見られ、武良井にノートを預けました。
「死んだら武良井に預けること」
武良井は清宮のノートを見ます。
「じいじずっと寝てたね。うん、ゆっくり休めたね。」
清宮の娘と孫、康恵が病院を訪問。
「こないだ電話もらったと思ったらほんのすぐ。なんで逝っちゃうかな。」
「清宮さんからです。」
「別れた夫からこんなものもらっても読む気しないわ。」
「今すぐでなくて良いです。清宮さんのことを思い出したくなったらその時に読めばいいと思います。」
武良井は康恵にノートを渡しました。
康恵と一人娘の梨紗とやりたかったことが書き記されていました。
「なんで…待っててくれなかったの?」
ノートにチェックマークを付ける、康恵。
「武良井さん色々有難う御座いました。主人の事。」
その頃、物音に気付いた、榊原、
結依が清宮のことで自身の命の危うさを感じ、ジェンガに八つ当たりしていたことを知りました。
「これ返せなくなっちゃった。清宮さんすごい元気だったんだよ。鉢巻してゲラゲラ笑ってさ。退院したら、みんなでわらび餅飲みに行こうって約束したのに。おかしいよ、こんなの…やっぱり、怖い。ねぇ榊原先生、私、治るよね?死にたくない。死にたくない!死にたくないよ!死にたくない…!」
榊原は、希が酸素マスクをしている時、同じ言葉を吐いた記憶が蘇りました。
「死にたくない…死にたくない…」
「希?」
「ありがとう…」
そういって希は息を引き取りました。
そして目の前の結依を見て、榊原は希とますます重ね合わせ、結依の肩にそっと手を置きました。
すすり泣く結依の顔が、榊原は、希と重なりました。
院内警察7話感想・みどころ
本日の院内警察は、涙が止まりませんでした。
でんでんさんの名演と、結依を演じた、梨里花さん、榊原の妹、希を演じた、井田すずさんの演技に引き込まれました。
結依と、榊原の妹、希。
希と結依は雰囲気もですが、天真爛漫で温かい心を持ったところが似て、胸が詰まりました。
結依は自分の病気は一進一退で家族や周りが気に掛けてくれていることに感謝し、まだまだ、自分は大丈夫と思ってしまう、いや、そう自分に言い聞かせている姿に、抱きしめたくなりました。
「大丈夫だよ」って言ってあげたくなりました。
可愛くて、素直で、純粋で本当に屈託のない笑顔を浮かべる結依は、希の生まれ変わりじゃないかっていうくらい、面影がありますね。
最後まで希は生きる希望を捨てなかった…。
息を引き取る希が、死にたくないと呟いていた記憶は、榊原を今でも武良井と同じように傷になっていることが伝わりました。
清宮の探してほしいものは、別れた元妻。
モラハラ夫だった、清宮ですが、妻子を誰よりも愛していた不器用な男でした。
もう顔も見たくないと言っていた康恵ですが、心のどこかで繋がっていたんですね。
自分の余命がないことを医師の宣告を受けて悟り、できることをしようとした彼の背中を見送りたくなりました。
彼が結依に接している時、孫に接するような優しさは勿論、彼自身が、家族と心が離れてしまったからこそ、子供だった頃の娘との時間を再体験しているように感じました。
子供好きで、本当は家族と向き合いたかった彼が、武良井が調べてくれた康恵の携帯番号にかけた時、泣いていた彼にもらい泣きしてしまいました。
最後に一番電話したくなる、声が聴きたくなるのは家族ですよね。
武良井と榊原は、それぞれ大切な人を亡くした傷を抱えていて、時間が止まっているように感じます。
榊原もまだ、結依を通して、時間が妹の希を救えなかったあの頃に時間が巻き戻されているように思いました。
結依が、清宮の死を目の当たりにし、「死にたくない」と、泣いた時、小さな肩に手を置く榊原の目の前には、あの時、救えなかった妹の希がいましたね。
「俺が治す。」
榊原の決意を応援したくなりますし、結依は退院して、二度と死の恐怖と向き合わない普通の時間が戻りますように。
そして、同じ傷を抱えた武良井の関係が今後どのように変化するか楽しみな7話でした。