366日

366日5話 遥斗の葛藤と明日への希望

366日5話あらすじネタバレ

水野遥斗(眞栄田郷敦)が目を覚ましました。

「水野さん、お名前分かりますか?声は、出せますか?」

友里が呼びかけるなか、遥斗はぼんやりとした意識で、家族と友里を見ていました。

「…遥斗!」

明日香が病室に到着するものの、彼には分かっていません。

連絡を受けた雪平明日香(広瀬アリス)が病室に行くと、遥斗の両親、輝彦(北村一輝)と、智津子(戸田菜穂)、妹の花音(中田青渚)が遥斗を見守っています。

池沢友里(和久井映見)が遥斗の意識を確かめ、周りの人間が誰かを問いかけました。

「おそらく、けいれん発作の予防薬が影響しています。軽度の右半身麻痺があり、筋力の低下によりリハビリには時間がかかるでしょう。それから他の症状として高次脳機能障害が出ています。脳の損傷によって引き起こされる症状の一つです。どこを損傷しているかによって変わります。水野さんは失効症、記憶障害があります。地名など、意味記憶は影響を及ぼしていませんが、身近な人などエピソード記憶が欠けており、ご家族の顔など関わった人達の顔がわかっていません。リハビリと共に回復していく場合もありますが、現状維持のままの場合もあります。」

しかし、明日香はおろか、家族の顔すらも認識していません。

遥斗は意識を取り戻したものの、高次性機能障害を患っていることが分かりました。

軽度の右半身麻痺、日常生活の動作が上手くできない失語症、記憶障害が出ていました。

さらに、記憶障害の中でも、自分が瀧園したことと、関わり合った記憶が失われていることも判明します。

明日香と家族は、受け入れ難い事実に直面しながらも、遥斗の回復を祈って寄り添い、看護師の宮辺紗衣(夏子)は遥斗の解除を担当することになりました。

智津子と輝彦、明日香は遥斗に優しく声を掛けていました。

「おじさん」

「おう、ありがとう。ごめんねなんか。遥斗あんなだと明日香ちゃんもつらいよな。」

「私なんかよりおじさんおばさんなんかもずっと」

「今の遥斗見てると、子供の時を思い出すよ。大人しくて人見知りもすごかった。わかってるんだよ、なんで俺じゃなくて遥斗なんだろうな。…ごめんな明日香ちゃん。明日香ちゃんにだって人生がある、もし遥斗のことが負担になったら…」

「おじさん、遥斗、よく前を向けって言っていました。私は遥斗さんの生きる力を信じようと思います。」

遥斗はリハビリ療法士に付き添われながら、リハビリに取り組みました。

明日香は自宅で夜、高次脳機能障害について本を読み、勉強することにしました。

数日後、小川智也(坂東龍汰)と下田莉子(長濱ねる)が、遥斗の見舞いに来ました。

智也と莉子も明日香から事情を聞いて、穏やかに接します。

「私は莉子、こっちは智也。」

「俺、智也、こっちは明日香。」

「…済みません。」

「良いよ、謝る必要ないよ。何も悪いことしていないだから。」

「私、理学療法士の資格とれば良かったな。」

莉子と智也は、自分達の事を話しますが、遥斗は戸惑うばかり。

そんな時、コップに一凛の花が生けられているのに気付いた明日香。

莉子や智也が持ってきた様子はなく、明日香が遥斗に聞いてみました。

「遥斗、このお花どうしたの?誰から。」

「あの子、いつも来る」とだけ答えるのでした。

「もしかしたら花音ちゃんかな…」

「ああ、花音ちゃんか意外といいところあるよな。」

お見舞いに訪れた明日香、莉子、智也は帰り道を歩きます。

「遥斗も頑張っているから私達も頑張らないとね。」

明日香の事を、静原(前田公輝)も気にかけていて、遥斗が少し話せるようになったことを喜んでくれました。

明日香がまた遥斗の見舞いに行くと、吉幡和樹(綱啓永)が病院を訪れました。

和樹はサクランボをあげました。

「本当に何も覚えていないだな。でも、気を遣ってこっちになんとか合わせようとしてくれている。昔からそういうところ変わらないな。明日香、大丈夫か。」

「ありがとう。」

その夜、花音に遥斗が一輪の花をあげたのではないかと電話したところ、違うことが判明。

「え?花?私じゃないよ。明日香ちゃん本当にごめんね。大変でしょ。」

明日香との電話の後、花音はボーイフレンドで、遥斗の後輩がお見舞いに行きたいと言い出しました。

「俺、先輩のお見舞い、行きたいよ。」

「そんなに知らない人がきたら混乱するよ。まだ我慢して。」

後日、明日香が見舞いにやって来ると、友里の小学生の一人娘、菫(宮崎莉里紗)であることが判明しました。

「あれ、菫ちゃん!どうしたの?」

「あ、明日香さん、あの子、同じクラスの子。」

彼女は精神外科病棟に向かう少年に気付きます。

菫の同級生だというその少年は、遥斗が助けた、阿久津翔(中村羽叶)でした。

「明日香さん、何しているの?」と声を掛ける花音。

「阿久津翔君…お兄ちゃんが助けた子だ。」

「助けた?僕が?」と遥斗。

「お兄ちゃん翔君に会ったことあるよね。3回くらい花を持ってきてくれた。」

「翔君、4年生になってからほとんど口利いてくれなくて…野球チームもやめたんです。」

その後、菫の話だと翔は野球のチームの試合に向かおうとしていたとのこと。

「遥斗らしいね、駅で痴漢に遭った子を助けて、試合ボロ負けしたこともあったね。」

その時、助けた女の子に無視されても遥斗はこう言っていました。

「つらいことを思い出させてしまうかもしれないし、元気にしていたなら良かったじゃん。」

遥斗は根気よくリハビリを続け、看護師の駒沢のコーチングの元、奮闘していました。

歩行訓練は、渋谷というスタッフが担当しています。

阿久津翔は、あの時、自分を助けてくれた遥斗がリハビリを頑張る姿に、胸を痛めていました。

自分のせいだと責任を強く感じ、なかなか遥斗に声を掛けられません。

そこで、翔の病室に花を生けました。

「翔くん」

そんな翔の気持ちを察して、明日香は声を掛けました。

「お花、いつもありがとう。私がお礼言うのもなんか変だけど。実はね私、あのお兄ちゃんの心が読めるんだ。お兄ちゃん、翔くんには毎日楽しく過ごしてほしいって思っているよ。俯かないで前を向いていてほしいって。」

「こんにちは。」

看護師の宮辺(夏子)にふと、声を掛けられた明日香。

「ああ、宮辺さん、こんにちは。お花を持ってきたのはあの子みたいです。」

「翔くん、あの日から罪悪感を感じているみたいですね。」

遥斗はその夜、一人で立ち上がろうとしますが、体がまだ安定せず、倒れてしまいました。

「水野さん、大丈夫ですか?大丈夫ですか?お痛みはありませんか?お体、起こしますね。」

看護師に起こされ、骨にも異常がないことがその後のレントゲン検査で分かりました。

遥斗は無気力になっていきました。

「すいません…」

翌日。

明日香が、遥斗の母、智津子(戸田菜穂)と鉢合わせると、遥斗が病室にいないことに気付きました。

別の看護師が遥斗を部屋まで送ったものの、遥斗が病院からいなくなりました。

その頃、翔は杖をついて歩く遥斗を見かけ、すぐ病院へ戻って、明日香に知らせました。

「お、お兄ちゃんが川に!」

夜になり、雨がふる中、遥斗は何か思い詰めたような複雑な表情をしていました。

橋の上にいる遥斗を見つけた明日香は慌てて声を掛けました。

「遥斗!なにしてるの!」

遥斗の動きが自殺するのではないかと思うところがあり、明日香。

遥斗は橋の上から落ちようと足を踏み出していました。

遥斗の頭にタオルを掛けました。

「どうして?遥斗?」

遥斗の体は震えていました。

「どうしたらいい?1人じゃ何もできないし、自分が誰かすらも分かんないし、なんかもう…生きている価値あるのかな。」

「翔君、遥斗が戻るまで待ってるって言っていたよな。お父さんとお母さんには連絡しておいたからね。」

「ありがとうね、翔君。」

まだ、遥斗の両親に付き添う、翔。

「ごめんなさい。」

翔は自分のせいで、遥斗がこうなった状態を理解していました。

泣いている翔を遥斗が優しく抱き寄せます。

「頑張ろうな…」

「乾燥機見てくるね。」

「あの、心配かけてすみませんでした…」

「もうこんなこと二度としないでね」

「はい…ありがとう。」

母と会話してから、明日香にそっとお礼を言う、遥斗。

母の智津子が去ってから、遥斗と明日香は優しい時間を過ごしました。

「生きてる価値、あるよ。私には遥斗が必要。家族も友達も。あなたが生きていてくれるだけで嬉しい。戻ってきてくれてありがとう。」

「もう少し、いてほしい。」

「ずっと一緒にいるよ。」

「ありがと」

その様子を見ていた看護師の宮辺紗衣(夏帆)は、明日香と遥斗の心のつながりを理解するのでした。

翌日。

明日香以外にも、智也や莉子、花音が、翔に少しずつ笑顔を取り戻させていました。

翔は病院の体育館で、智也とキャッチボールをします。

智津子と和樹、友里も遥斗を見守ります。

そこで、子供の頃の遥斗にかつて声を掛けたように、キャッチボールをしました。

遥斗はボールを投げるのがうまく、友里曰く、「手続き記憶」が役立っていることが分かりました。

記憶がなくなっても、何度もしていることが体に染みついているのです。

遥斗はふと、子供の頃に、キャッチボールをした記憶が一瞬蘇りました。

「お父さん…」

「遥斗…よし!遥斗、来い!」

遥斗とキャッチボールをする、輝彦。

ゆっくりでいい、一歩ずつ、明日はきっと今日より明るい。

そう思う、明日香。

しかし、宮辺は、遥斗の学生時代のものを持っていました。

果たして、宮辺は遥斗と何があったのでしょうか。

366日5話感想・みどころ

リハビリをするなかで、遥斗がなかなか思うようにいかない自分に苛立ち、生きる希望を失ってしまう様子がとても胸が痛みました。

それまでできていたことができないって、少し、遥斗に共感できるところを感じました。

しかし、遥斗の周りには、明日香や、智也、莉子だったり、家族がいます。

遥斗が死にたくなる気持ちもすごく分かります。

でも、彼のことを思い、真っ先に駆け付けた明日香や、仲間達の存在に救われ、前に進めると思いました。

遥斗と輝彦のキャッチボールをしている姿や、子供の頃の記憶が少し蘇り、「お父さん」と呟いた時は涙腺が緩みました。

遥斗に助けられた翔が、責任を感じ、心を塞ぎこんでいたものの、彼もまた、明日香たち大人の優しさに助けられて、目が輝きを取り戻しましたね。

人が人を助け、そのタスキをリレーのように繋いでいく…明日香たちの遥斗や、翔を思う関係性はとても温かい絆を感じました。

看護師の宮辺が、遥斗についてなにか思うところがあるようですね。

つらい闘病生活を明日香達の力で乗り越えようと踏み出す、遥斗に余計なことはしないでほしいですね。

遥斗の前進を応援するとともに、水を差すような彼女の動向を、明日香達が全力で回避してほしいと思う5話でした。

data-ad-format="rectangle" data-full-width-responsive="true">
data-ad-format="rectangle" data-full-width-responsive="true">

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください