相棒23

相棒23 14話 中園照生の受難

相棒23 14話あらすじネタバレ

中園参事官は倉庫のような場所に監禁され、そこへ一人の男がやってきました。

中園参事官(小野了)が突然、音信不通になりました。

「中園参事官が無断欠勤?」

「こんなことめったにないですよね」

中園は内村刑事部長が蕎麦作りを始めた事を数日前に聞き、自分も新しい趣味を始めようとしていることが判明します。

「最近始めた趣味が関係しているのでは」

「手作りの蕎麦を振舞える、素晴らしい趣味ですな」

「お前みたいな奴は妻には愛想をつかされ、娘には濡れ雑巾のように放置される。今のうち趣味を見つけておけ」

中園参事官はまたしても内村刑事部長に嫌味を言われ、趣味を始めました。

内村刑事部長(片桐竜次)は自分の忠告により将来を悲観した中園が衝動的に行方をくらましたのではないか?と考え、特命係に捜索指示を出しました。

聞き込みから始めた右京(水谷豊)と亀山(寺脇康文)は、中園が昨今、老後の楽しみを見つけようとしていたという情報を入手。

「中園さんちなら奥さんと娘さんと海外旅行だよ。今頃、飛行機の中なんじゃ?」とご近所の藤野。

「旦那さんになにか変わったことはありませんでしたか?」

「手芸は趣味じゃないみたいだから、何かできることを始めたんじゃないかな」

「退職したら家族から離れるのが一番。男の手芸教室、始めてみたんだ。ほら巾着、中園さんもどうかな?」

藤野は中園に、手芸教室に通い始めた事を伝え、新しいことを始めることを勧めていました。。

そんななか、内村のスマホに中園が監禁されている動画が送りつけられてきました。

伊丹に電話をした、亀山。

「なんだよこっちは忙しいんだよ」

「右京さん、参事官、誘拐されていたみたいです」と亀山。

犯人の要求は、私人逮捕圭動画配信グループのリーダーの解放が動機です。

「名誉棄損で未決保留の男を自由にしろ。さもなければ中園を殺す」というものでした。

「私は今、正義の執行者に誘拐されている。午後6時までに正義の執行者を解放せよ。さもなければ私の命はない、トゥービーコンティニュード」

永瀬優斗を含めた、私人逮捕系グループ「ジャスティーズ」。

「ジャスティス?」

「一時期流行した私人逮捕系動画配信グループです」

「メンバーは永瀬優斗、野田翔、蛯原圭太の3人です。監禁現場の映像は蛯原のスマホから送られてきました。」

「世直しストリーマーを自称する彼らの動画は決まったセリフで締めくくるのがお約束で…リーダーの永瀬は現在、名誉棄損罪で未決拘留中です」

その言葉が、「トゥービーコンティニュード」。

ジャスティーズは、罪のない男性に突如、声をかけ、痴漢容疑で交番に突き出したことがありました。

中園は警察の会見で問題のグループを悪しざまに非難しており、それを逆恨みしての犯行と思われます。

「そいつを徹底的に締め上げろ。それに拉致現場の特定を急げ」

内村刑事部長は捜査一課含めた警察官たちに中園の身の危険が迫っていることを伝えるのでした。

「特命係がこんなものを現場で見つけたそうで」

中園が娘からのプレゼントだと鞄に下げていたウエストアイテムが。

「娘からのプレゼントだって鞄に下げていた」

誘拐現場にて、中園と犯人は対峙しています。

「何度言ったら分かるんだ。こんなことをしたって君たちのリーダーが釈放されることはないぞ。」

「だろうな、で、あんたは殺される」

「君たちは世直ししたかったわけじゃないのか?」

「それを頭から否定したのは誰だ。ジャスティーズの動画が世の中に配信された時…」

犯人の男は中園が記者会見で、ジャスティーズを批判したことで、逆恨みしているようです。

「世直しストリーマーなどと名乗っておりますが、勘違いも甚だしい。あのような輩に正義などという言葉を口にする資格はありません」

「私の発言を恨みに思ってこんなことをしたのか…うっ!」

犯人は中園のみぞおちを殴りました。

その頃、鑑識の益子(田中陸三)に犯人の手掛かりを聞き出した、右京と亀山。

「何か出ましたか?」

「これなんだろうな」

「塗料か何かですかね」

「なにかに追いますか?」

「酸っぱい匂いが…癒合剤ですね。」

「癒合剤?」

「樹木を剪定した切り口に塗布する薬剤です。除菌剤によってはお酢のようなにおいがしますね。多くは木に馴染むオレンジや茶色をしていますね。」

「ここから指紋は出ましたか?」

「出てません」

「犯人は参事官を襲う時に癒合剤の付着した手袋でここに触れた。」

「で、その手袋は?」

「剪定作業に使う物だった」

「盆栽も作業する時、木、切ったりしますよね」

「参事官が最近始めた趣味は盆栽、果たしてこれ偶然でしょうかね」

「じゃあ俺はジャスティスと盆栽に接点はないか調べてきます」

「じゃあ僕は中園参事官の盆栽のほうを」

「了解」

右京と亀山は役割を分担しながら、独自の捜査を開始。

捜査一課はジャスティーズの一人で拘留中の永瀬を事情調査し、中園参事官が脅迫されている動画を見せつけました。

「お仲間の蛯原圭太のスマホから送られてきた。お前が糸引いているのか?」

「ジャスティスを生みだしたのはあなた達なんですよ?」

「はぁ?」と怒りを抑える、麗音。

永瀬は言葉を続けます。

「警察が悪い奴らをちゃんと逮捕してくれないから。別の力が必要になってくる。治安への不安が原因なんですよジャスティスの存在が犯罪の抑止力になっているっていう感謝の声も。」

「お前のお喋りに付き合っている暇はねぇ」

「犯行を指示したかどうか聞いているんです」

詰め寄る、麗音と伊丹。

蛯原、永瀬、加藤は、中園の記者会見を見て腹立てていました。

「彼奴らちゃんとやってくれたかな」

勾留中の永瀬は仲間達が自分の代わりに、中園に危害を加え、「制裁」を下したかを気にしていました。

「誘拐とは…大それた企画だな!」

彼のにやつく顔に、犯行への怒りが抑えられない、芹沢。

しかし、右京は別の可能性を視野に入れ、中園が通っていた盆栽教室を訪問します。

「中園さんでしたらうちに通っていました。中園さんに何かあったんですか?」

「少々、厄介ごとに巻き込まれてしまいましてね」

「こちらの教室で中園さんはどのような様子でしたか?」

「楽しそうに学んでいらっしゃいますよ。特に剪定の作業が好きだとおっしゃってました。とっても明るい方で初心者クラスの人気者」

「剪定は目の上のたん瘤をやっつけるみたいだ」と笑って教室を楽しんでいた、中園。

「とても綺麗なお庭ですね、紅葉に桜」

「こちら生徒さん達の作品です、忌み枝を切りました。」

「木にとって不必要であるばかりか、時として悪影響すら及ぼす枝のことですね。悪影響を及ぼす枝のことですね」

「お詳しいんですね」

「恐縮です。」

「光を遮ったり風通しを悪くしたり、始末しないと木がダメになってしまう」

「きちんと切り口に癒合剤も塗ってますね。ところで生徒さん達の名簿があれば拝見したいのですが」

「構いませんけど」

主催者の結城江梨子(西山繭子)に話を聞くと、教室の人気者の中園にはこれといったトラブルはなかったとのこと。

「どうかされましたか?」

「あ、いえ」

右京は何かに気付きました。

江梨子に名簿を貸してもらいました。

更に捜査を進めると、中園と江梨子の間に不穏な噂があることが分かります。

間もなく、亀山が右京の携帯に報告の電話を入れてきました。

「ジャスティーズと盆栽の関係は見つからなかったんですけど、参事官の自宅近くの防犯カメラにメンバーの野田翔が映り込んでいました。そっちはどうすか」

「盆栽教室の名簿の中にジャスティーズのメンバーは載っていませんでした」

「ヤサが見つかったぞ!」

その後、刑事の一人が叫び、亀山は仕事に戻ります。

「野田について何か分かったようです。また連絡します」

盆栽教室をジャスティーズの一人、野田が出てきたところが目撃されていました。

一人の女性をふと見かけた右京。

「感心しませんねぇ人様のお庭を見るのは」

「お互い様でしょ、探偵さん。ここの先生、妻子持ちの男と不倫しているのよ。その人、警察のお偉いさん」

「その噂どなたからお聞きになったんですか?」

「私がこの目で見たの!庭で抱き合ってたんだから。白昼堂々、人目もはばからずよ」

「ほう、人目もはばからず、ですか」

その相手こそ、中園参事官と江梨子でした。

捜査一課、伊丹、芹沢、麗音は野田の自宅を調査。

「あれ、野田さんはお留守ですか?」

「ああ今さっきすれ違いました。川沿いの通りあたり」

野田に声をかけると、野田はあっという間に逃走しようとしますが、鉢合わせた亀山と共に野田を逮捕。

「野田、中園参事官をどこへ監禁したんだ」

「はぁ?あいつ本当にやったんだ」

早速、蛯原を取り調べる伊丹らと右京。

「でたらめ言ってんじゃねぇよ」と凄む伊丹。

「いやだから本当ですって。家の前で待ち伏せて一発殴って逃げようって。でもまだやってないんですよ。」

「その計画、蛯原と2人で立てたんですか?」麗音が聞くと野田は素直に応じました。

「はい。俺はやりたくなかったけど、永瀬さんの言うことは絶対だから。とにかくあの警察幹部のことを探ってみようって」

「で、殴る計画から拉致監禁に予定変更か?」

芹沢は中園が誘拐されている動画を野田に見せました。

しかし、野田は予想外の現状に困惑しています。

なんと野田は誘拐に加担しておらず、蛯原が実行犯だと伝えました。

右京と亀山は、状況を整理し、益子に中園参事官の監禁場所を特定してもらいました。

「野田は参事官を一発殴る為に自宅近くに張り込んでいた。でも蛯原は思い余って誘拐してしまった。ってことですかね」

「監禁現場の動画からは何か分かりましたか?」

「つぶらな瞳のおかげでばっちりだ。」

「覆面、ですかね?」

取り調べの間に、鑑識の益子に中園参事官の居場所を調べてもらうと、蛯原の家でした。

「なんだよ、これだから犯行は蛯原だけです。俺は何も知らないんです。信じて下さい」

「永瀬はお前たち2人に参事官への報復を指示していた」

「何も知らない、信じてほしい。あなた方が強引に拘束した無実の人々もそのように訴えていたでしょうね。」

「はぁ?」と野田。

「何が言いたいんですか?」芹沢は右京の言いたいことが分からず、問い掛けます。

「我々は最初から間違った方向に誘導されていたのではないかと。犯人はなぜ参事官の前で目出し帽を被っているのでしょう?ジャスティーズの犯行だと明かしている以上、最早、正体を隠す必要などないはずです。」

ここで亀山も口を挟んで独自の視点で右京と共に、推理を推理を語りました。

「ジャスティーズは世間に顔が知れているから今更映り込みを警戒する必要もない」

「にも関わらず覆面をしている理由はなにか?実は正体を偽っていることを隠す為ではないのかと。」

「ジャスティースは無関係で第三者の犯行だっていうんですか?」と伊丹。

「ええ。報復の為に彼らの名前を語っている可能性はあります。」

「なんすか報復って!」怯える野田。

「お前ら動画再生を稼ぐために何の罪も犯していない人にまで言いがかりつけて。あなた達は人を無実の罪を着せ、交番に引っ張っていったらしいな」

「そして今、あなた方はあらぬ罪を着せられて警察の追及を受けている。まるで自分たちの行いの報いを受けているようではありませんか?それこそが本当の目的ではないかと。つまり、誘拐犯はかつてジャスティーズによって冤罪に遭った人物。」

「参事官が誘拐されたのはジャスティーズに罪を着せるのに都合良かったから。」

「その企てに犯人に利用されてしまった」

「その節はあり得ない。犯行現場は蛯原の自宅が発信元なんですよ」

「アドレスなんて偽造加納だろ」

「サイバーから連絡があって偽装の工作はなかったようです」

取り調べの後、疑問点が生じる、亀山。

「うーん蛯原が本当に犯人だとすればどうして拉致現場から盆栽に使う薬剤が出たんすかね」

「盆栽教室について他にも気になっていることがあります」

「なんすか」

「なぜ噂の最中に事件が起きたのか?」

「誘拐事件?」

「中園さんとお教室でトラブルは?」

「そんなうちの教室が関係しているっていうんですか。」

「それと、離婚の原因、ご主人からのDVですよね。壁には修正の痕があります。夫は盆栽教室を経営していました。でも、ギャンブルにつけ込んで、お金にも女にもだらしない人でした。ここは、親から引き継いだ大事な家なんです。あの男は他に女を作って新しい家庭を作っています。」

「手切れ金よ…きゃっ!」

「最後まで可愛くない女」

その頃の中園は、誘拐犯の男に詰め寄られていました。

抱き合ったのは、視線を感じて、恋人のふりをするよう、江梨子に頼まれたのでした。

元夫が自分を訪ねてきたのではと不安がトラウマが残ったのです。

「お願いします、今だけ恋人の振りをしていてください」

「はい」

「あの時、誰かの視線を感じて」

「あ、ひょっとして元夫が逢いに来たとか?」

「あの男は別の女の人と家庭を持っています。視線を感じたのは嫌な記憶のせいです」

「嫌な記憶?」

監禁場所で犯人に首を絞められていました。

「彼女はトラウマに悩まされていた!」

「夫とは離婚してから一度も会っていません。ある日、突然現れるんじゃないかって。また殴られるか怖くて」

「DV被害を受けた方がトラウマに悩まされるのは普通の感情です。カウンセリング窓口にお繋ぎ致します」

中園は結城の心に寄り添った言葉をかけていました。

「警察本部と恋人だと誤解されている状況が元夫を避けるのに役立つ…そう考えたのでしょうかね」

「でもそのことで参事官を憎んだ人物がいたかもしれません」

その頃、犯人に暴行を振るわれている中園。

「つまり、トラウマにつけ込んだわけだ!警察官の肩書を利用して!彼女が自分を必要としているように仕向けたんだろ」

「何を言ってるんだ」

同じ頃、右京は、盆栽教室の結城を再度、訪問。

「あの、こちらの名簿ですが、入会した順番に名前が並べてあるのでは?」

「そうです」

「中園参事官の後に入会した人物が一人いますね」

「加藤さんですか、中園さんとは別のクラスですけど」

「中園参事官にターゲットを絞るためにその行動を詳細に探っていたとすれば」

「情報を得る為に盆栽教室に利用していてもおかしくありませんね」

亀山も右京の推理に同調。

「この加藤っていう人の住所、分かりますか」

「はいたしかこの近くに住んでるって…」

「虚偽の住所だと思いますよ。犯罪の一環として教室に入会したのであれば、自身に関する情報を正直に申告したとは思えません。加藤だという名前も偽名ではないでしょうか。」

「どうやって真意に辿り着けば」

「その加藤さんの写真ですがありませんか?」

「あ、パンフレットに授業風景を撮影したものが」

「見せていただけませんか?」

「はい」

「ジャスティスの動画は現在、プラットフォーム側で全て削除され、ネット上で確認することはできません。しかし、撮影担当だった蛯原の手元には元の映像が残っているはずです」

「亀山くん彼らに確認してもらえますか」

その頃、捜査一課、伊丹達は蛯原の経営しているバーへ。

「蛯原圭太さん、単刀直入に聞く。中園参事官の監禁場所はどこだ」

「ええ、世直しストリーマーが誘拐なんかするわけないっしょ!」

「世直しもしてないけどね」と芹沢。

「動画はお前のスマホから送られたことだって分かってる」

中園が蛯原のバーで監禁されていることを疑っています。

「おととい、スマホを盗まれたんです。」

「いつ?どこで?」

「一昨日、駅前のカフェでスマホで席取りしていたら誰かに持って行かれてて」

「なんだよ、頓智気亀!」

「加藤という男の画像をスマホで送る。それを蛯原に見せろだ?」

亀山は芹沢に盆栽教室に通う「加藤」の写真を見せました。

「あれ?あれ?」

「あ、この男」

「あっ!」

すると、蛯原は「加藤」を名乗る人物を知っており、すぐ加藤の正体を伝えました。

その男は、ジャスティーズの私人逮捕動画のネタに連行された人物でした。

特命係は結城江梨子にも、真犯人を特定しました。

「いかがでしょう」

「間違いありません」

「ご協力、感謝します」

その頃、中園はカメラに向かって自分達、ジャスティーズを批判したことを中園に反省させます。

「私はこう見えて家族を大切にする男だ。妻子を裏切るような事は決してしない。やってもない罪を懺悔できるか!」

「警察だってやってもいない罪を人に着せたりするだろ!無実の人間を何日も閉じ込めるこんじゃないのか!」

「それはご自身のことではないでしょうか」

「参事官、ご無事でよかった」

「お前たち…じゃ、ジャスティーズじゃないのか!」

「加藤冬樹さん、本名は小宮山冬樹さんですよね?」

右京と亀山が到着。

「もう顔を隠すことありませんよね。彼はジャスティーズの被害者です。」

「蛯原のタブレットに残っていた動画だ」

「無実の罪で交番に突き出された後、3日間、お前は中野高田署に、拘束されたみたいだな」

「あなたが逮捕された記録は所轄に残っていた記録から手に入りました。かつての勤務先は東洋フードサプライ。店舗の一つが回送中でしたので、そこを監禁場所に使っているのではないかと」

「俺はジャスティーズと警察、両方とも憎かった」

「あなたは警察幹部をターゲットに犯罪を行い、その罪をジャスティーズに擦り付けようと目論んだ。盆栽用の手袋をはめて、中園参事官を拉致」

「ジャスティーズの犯行だと仄めかす動画を撮影し、警察関係者の送りつけた。」

「そして野田のアパートに現れ、刑事たちがメンバーの身柄を報告するのに手を貸した」

「ジャスティーズの件で職場の連中から白い目で見られ続け、会社を辞めざるを得なくなった。警察は難のフォローもしてくれない、疑うだけ疑ってあとは知らんぷりだ。ジャスティーズと対して違いやしない!」

「お前はジャスティスと同じだろ。人にぬれぎぬ着せて暴力的に連れ去って、お前は自分で苦しんだことと同じことをやっちまったんだよ」

「ナイフを捨てて下さい、これ以上、罪を重くしてはいけません」

亀山は、ナイフを取り上げました。

「ああ、杉下…あ、あり…よくやった」

その後、中園参事官は無事、救出されました。

事件は解決したと思われましたが、右京はまだ引っかかります。

そこで、連行されていく小宮山を呼び止めて気になる点を確認しました。

「最後に一つ宜しいですか?なぜあなたはそもそも何故、江梨子さんと参事官の仲を疑ったのでしょう。誰かから噂を聞いたのですか?」

「自分の目で見たんですよ。先生にパンフレットを作るのを手伝ってほしいって頼まれてそれで教室に」

「つまり、2人が抱き合っていると誤解しうる場面を目撃した?なるほどそういうことでしたか、有難う。」

「亀山君、犯罪を犯すために盆栽教室に入ったにも関わらず、江梨子さんの個人的な頼み事を聞いてあげる。つまり…好意を持っている」

「好きになっちゃったんじゃないですかね」

小宮山が結城江梨子に好意を寄せていたことを探り当てる、右京と亀山。

「それよりさっきなんであんな質問を?」

「石楠花の事が気になりましてね」

「石楠花?」

「果たして、花を咲かせますかね?」

その後、結城江梨子を訪問。

「石楠花?」

「ええ、石楠花。どうやら育ちが良くない気がしましてね。原因はあれではないかと?」

右京は花壇に置いてある有機石灰を指さしました。

「植物には賛成の土を好むものとアルカリ性の土を好むものがありますが、石楠花が好むのは酸性の土。石灰は土壌をアルカリ性にしますから、この庭の肥料としては極めて不向きなのではないかと」

「石楠花の他に色々飢えているので」

「ところでどうして小宮山にお芝居を見せたんですか?」

「は?」

「あなたは小宮山に個人的な頼みごとをし、日時を指定して、小宮山をここに呼びだした。」

「そしてそのタイミングで…彼にお芝居を見せて中園参事官との仲を敢えて誤解させた。そうとしか考えられないんですよ。小宮山は貴方に好意を持っていました、それを利用して、あなたは彼が中園参事官を糾弾するよう仕向けようとしたのではありませんか?」

「そうなったら例え、不倫疑惑が事実無根だとしても、警察幹部という立場上、参事官はトラブルを回避し、盆栽教室を辞めようとするはず」

「それこそがあなたの狙いでした。盆栽教室から参事官を追い出そうとした」

「何故追い出そうとする必要があるんですか?」

「調べさせていただきました。元夫の村井さん、1年前から行方不明ですよね」

「忌み枝を始末しないと木がダメになる。あなたはそうおっしゃっていましたね。ああなたにとって元夫は忌み枝のような存在だったのではありませんか?始末して、庭に埋めた。違いますか?遺体は土の中でも匂いを出すことがあります。匂いを消すには石灰が有効です。もしこの庭に遺体が埋められているとしたら…?」

「石灰が多く撒かれている場所は?あのあたりですかね」

「やめて!」

「もうこれで最後にして。今後この家に立ち入らないで」

「偉そうな口利きやがって。だったらこの家でも何でも売って金作って来い」

「元夫を殺した後、貴方は何食わぬ顔で、盆栽教室を続けていた。警察官がこの家に出入りすることはあなたにとって脅大きな威でした。いつか庭の死体に気付かれてしまうかもしれない。あなたは参事官を盆栽教室から追い出す方法を考えた。そこで思いついたのが、そこであなたに好意を寄せている小宮山を利用することでした。」

「警察官、私が恐れていたのは警察官の中園さんではなく、自分自身。」

「どういうことですか?」

「カウンセリングにお繋ぎします。正しく処置すれば、傷は治り、元気を取り戻せる。盆栽だってそうじゃありませんか。大丈夫」

「明るいあの人にふと心を許してしまいそうで、全てを話してしまいそうで怖かった」

「鑑識が庭を調査した結果、別れた夫の白骨化した遺体が見つかった」

「私の監禁場所を突き止めた件を含めて今回だけは褒めてやる。最も遺体については私も分かっていたが、最初からあの庭には何かあると思っていた。そこで盆栽教室の生徒となり、潜入捜査を試みたというわけだ」

中園は自分の手柄にしようと特命係に嘘をつきました。

「えー盆栽教室楽しそうだったじゃないですか。すっきりしますな、目の上のたん瘤を」

「だ、黙れ」

「ああ、参事官、いえ…なんでもありません」

「せっかく盆栽という趣味を見つけたのに残念だったな。」

「いや、退職後の趣味はおいおい探すことになります。」

「俺が打った蕎麦をお前が茹でるってのはどうだ?まぁ最もまだまだ先の話だけどな」

茉梨(森口遥子)の花の里で、夕飯を共にする、右京、亀山、美和子(鈴木砂羽)。

「それにしても盆栽教室の美人先生がね」

「美人には棘があるって言いますからね」

「石楠花の花には危険や警戒、花に有毒な成分が含まれているそうですよ。だから中園参事官はその毒にやられてしまったと言えるかもしれませんね。」

「それで最後の最後にお手柄を横取り」

「今回は中園参事官もひどい目に遭ったんだからお手柄を譲ってあげたら?」と美和子。

「それにしても小手鞠さん、今日の花は一段と春めいて良いですねぇ」

「可愛いですね、梅の花。桜が一段と」

「みんなでお花見に行きましょうよ。」

「賛成」

「美和子スペシャル、お花見バージョン腕を振るっちゃうぞ」

美和子のまずい得意料理に一同は少し表情が硬くなるのでした。

相棒23 14話感想・みどころ

中園参事官が私人系動画投稿者に誘拐されるというなんとも今どき起こりそうな事件でした。

犯人はその私人系動画投稿者「ジャスティーズ」によって痴漢をした事実無根の罪を着せられ、仕事も何もかも失った男、小宮山でしたね。

その小宮山が自分に好意を持っていることを利用し、中園が元夫の遺体を見つける前に彼を盆栽教室から追い出そうと考え抜いたのが、結城江梨子でした。

夫からのDVのトラウマに苦しみ、苦渋の決断で罪を犯した彼女に寄り添った中園が不憫です。

普段は内村刑事部長に頭が上がらず、特命係にも目の敵のように、厳しい物言いで接する、中園。

家族を愛し、警察官として市民を守る優しい正義が、このような形で利用されるのは切なかったですね。

つらい思いをした結城と、私人系グループと同じ土俵に立ってしまった小宮山が、自分の犯した罪を償えることを願いましょう。

桜が咲く季節、右京達は美和子スペシャルの洗礼を受けそうで、ちょっと半ば期待しちゃいます。

 

 

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