相棒23 6話あらすじネタバレ
ヒロコが花の里で、右京達に手料理を振舞いました。
右京、亀山、亀山の妻、美和子(鈴木砂羽)、茉莉(森口遥子)は試食。
「なんか美味しいけど一味二味足りない。」
「これ助け合い食堂で出そうと思っているのよ」
翌日。
「助け合い食堂か、あそこしかNPIがやってないからな」
その頃、特命係と親交の深いゲイバーのママ、ヒロコ(深沢敦)が殺人現場付近で目撃され、そのまま姿を消しました。
「亨ちゃん大変なの。今すぐ来て!ヒロコママが」
「ヒロコママが人を殺したって?!」
殺害されたのはNPOを利用したマネーロンダリング疑惑がかかったコンサル会社の社長、幸田。
現場に到着した、右京と亀山と捜査一課の伊丹(川原和久)、芹沢(山中崇史)、麗音(篠原ゆき子)。
そして、鑑識の益子(田中陸三)。
「幸田ゆういちろうさん、出社して社員が目撃したそうです」
「相当刺されている」と益子。
「この会社飲食業界専門のコンサルだそうです。捜査二課が目を付けていたようです。NPOを利用したマネーロンダリング疑惑です」
「マネロンねぇ」
右京と亀山はヒロコの仲間のオネエたちに聞き込みをします。
「ずっと話がこじれてたのよ」
「経緯についてお聞かせ願えませんか?」
「私達が手伝う助け合い食堂なんだけど…」
ヒロコたちが手伝う助け合い食堂「ハートテーブル」に、大森と矢野が訪れていました。
「ハートテーブルさんの社会貢献活動には以前から共感しておりました。ぜひファンドレイジングのソリューションを提供させてください」
大森の提案後に、矢野拓海が伝えます。
「まず地方創生を応援税制、すなわち企業版故郷納税の対象事業として国から認定を受けていただきます。」
「我々、東英ネクストに度率先して寄付をしますよ」
ヒロコが関わっているボランティア食堂を隠れ蓑に、自治体の援助まで、脱税や援助の着服をしていたことが発覚しました。
「その目的は単なる税金対策。寄付金も迂回の上で会社に還流させたといったところでしょうね」
「そうしかもあの社長、自治体の援助も着服していたみたい」
本部にも嫌がらせの電話が殺到していて、しばらくはハートテーブルの活動は見送りです。
ヒロコが抗議に向かったというのですが、そのまま行方不明になっているそうです。
その頃、伊丹、芹沢、麗音は益子から、幸田が殺された現場にピンバッチの留め具が落ちていた事を知りました。
「これピンバッチの留め具じゃありません?」
「こいつか。」
「私達のバッチはねじ式ですけど」
「「バタフライクラッチですね。別名、蝶羽。その名の通り蝶の形に似ていることからそう呼ばれています」
「聞いてない情報あざーす」
右京の饒舌と捜査の割り込みを嫌がる芹沢。
「どういたしまして。表のプレート部分も見つかりましたか」
「いやまだ見つかってない」と益子。
右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)はヒロコのボランティア仲間の、泉川(西銘駿)らと協力して捜査を開始します。
東映建設のビルで遺体となった大森に手を合わせながら推論を展開する、右京と亀山。
「もしヒロコさんが犯人だとすれば、犯行後行方をくらますのはごく自然な行動ですが」
「ヒロコママが人を殺すなんて信じられません」
「ヒロコさんの犯行でなければ、既に犯行が行われていたのなら、ここを訪れた不明点が2つ。遺体を見つけたのになぜ通報しなかったのか、そしてなぜ姿を現さないのか」
「犯人と鉢合わせて連れ去られたことなんてないですよね」
その後、アルバイトをする店長で、ヒロコを見かけた大森傑から話を聞く、右京と亀山。
「見たんですか」
「ええビジュアルにインパクトがあったから覚えてます。モフモフのコートを木て、頭は五分刈り。」
「化粧ばっちり?」
「背がこんくらいで、横幅はこんくらい。なんか挙動不審だったよ」
ヒロコの身体的特徴を言う、大森。
「誰かに連絡しようとして躊躇った?」
「彼女を見かけた時間は?」
「俺が帰る頃なので10時過ぎ」
その後、ハートテーブルへ行き、泉川を訪ねた右京達。
「ボランティアのヒロコさんについて手分けして探しているところです」
「ああ夕べは10時頃、ここを飛び出していったんですね。」
「ええそうなんです。すごい剣幕で」
そう答えるのは食堂のリーダーを務める女性。
「あなたの写真もありますね。」
そこで、右京は泉川も食堂を手伝うメンバーである写真がある事を指摘。
「以前は食堂を利用する側でした。食べる事にも事欠く生活をしていたので本当に助かりましたよ」と泉川。
「そして現在は教師をしているようですね」
「なんで教師って?」
「卒業証書に教育学部とあります」
「泉川くんは定時制高校で教えています」とハートフル食堂の女性。
「どちらの高校でしょう?」
その後、泉川がヒロコと会っている筈だと推測した、右京。
「亀山くん泉川さんを見張っていてください。彼はヒロコママと接触する可能性があります。」
一方、捜査一課は司法書士の矢野(征木玲弥)から事情を聞いていました。
「幸田さんのスマホの履歴を調べたところ、幸田さんが最後に連絡を取ったのは、矢野拓海さんあなたですね。発信時刻は8時過ぎ。」
「念のため昨日はどちらに?」
「遅くまで彼と仕事の話をしていました。」
「NPOを使った脱税スキームについて幸田さんに入れ知恵したのは、司法書士のあなただったとは」
「脱税なんて人聞きの悪い」
矢野は、幸田に脱税方法を入れ知恵していた疑いがあり、最後に連絡を取っていたのも矢野でした。
そんななか、幸田が10年前、未だ解決されていない強盗事件に関わっていた可能性が浮上してきます。
「10年前の事件。松濤資産家強盗事件。企業家の家に目出し帽を被る強盗が押し入り、被疑者特定に至らず。」
「2012年って公訴時効か…なんでそんなもの」
「ボディにサファイヤが埋め込まれたもので、同じ万年筆が幸田社長のデスクから見つかりました」
「偶々同じ万年筆を持っていただけだろ。」
なんと10年前の強盗の一人に、幸田社長、もう一人は彼の会社に出入りしていた人物であることが判明しました。
「盗んだ金を元手にした可能性か?」
忽然と姿を消したヒロコを追う右京と薫の時効直前の強盗事件と奇妙な符合が一致します。
ヒロコは泉川を引き留めました。
「泉川くん私一緒に警察行くから」
亀山が咄嗟にヒロコと泉川を引き留めました。
そして、ヒロコの店に泉川を連れて行き、事情聴取をする右京と亀山。
「ヒロコさんが現れるとわかった理由ですか?これです。生地にごく小さいな穴が開いています、ピンバッチを止めていた痕跡ではないかと。どこでバッチを落としたのでしょう。」
「あのビルに行ったんだね?」
「隠れてないな。どういうことかなヒロコママ」
「遺体を発見したヒロコさんが通報せずに姿を消したのは何故か。こっそり会って警察に出頭するよう伝えたのではありませんか?」
「杉下さんにはお見通しね」
ヒロコが幸田を訪ねてきた時は幸田は既に亡くなっていて、伊丹が言っていたフラワーのバッチが落ちていました。
そのバッチは教員バッチでした。
後日、泉川を訪ねる、右京と亀山とヒロコ。
「私、教員バッチだから幸田社長を殺したのは泉川さんだと思ってしまって」
「僕じゃありません。幸田社長にマネーロンダリングについて問い詰めようとしました。彼の遺体を発見してもいません。」
「じゃあなんであのビルに行ったこと黙ってたの?」
「犯人だと思われる理由が怖くて」
その頃、取り調べを受ける矢野。
「おとといの番、あなた本当は東栄ネクストを訪れたのでは?」
「人違いですよ。俺みたいなタイプ、新宿には多いでしょ」
「幸田殺害の件は認めないにしても、10年前の強盗の件は認めますよね?」と麗音。
矢野は10年前の強盗事件の一味でした。
しかし、強盗は左利き、矢野は右利きであることが判明しました。
「あ、ヒロコママだ」
「あ、薫ちゃん、矢野くんに聞いて色々分かりそう」
「偶々、矢野がしょっぴかれるところをうちの常連が見ていたのよ」
木原知世から矢野の話を聞きます。
「彼奴、頭キレていたけど、父親が闇金してて、進学を断念。私はキャスト。あいつややさぐれていた」
「矢野さんと同棲していましたね。2015年に、矢野さんについて気になったことはないでしょうか?」
「ああ、そういえばイメチェンしてた。然金髪をやめてパリッとしちゃってね。浮気でもしているんじゃないかと思って後を付けた。新宿の写真撮るみたいな奴に入ってった。プリ機みたいな」
「証明写真ですね」
「で、出てきたところを問い詰めてそのまま別れました」
特命係に戻った、右京と亀山は、知世から聞いた話を元に、独自の推理を話し合います。
「履歴書用の写真を撮っていたんですか」
「イメチェンは就活のため」
「であれば彼女にそう語っていたと思いますよ。」
「行動を探られて腹を立てていたというなら何か変化があると思いますよ。」
「見た目を別人にする必要はないですよね」
「君相変わらずですね。何も知らないくせに僕の思考を刺激してくれる」
「嬉しいのか悲しいのか」
「強盗事件の犯人は別人に代わっていたのかもしれません。強盗の準備をする際、ポリ袋に自分の指紋を残してしまった。矢野は強盗の実行に加わらなかった。幸田はその為別の人物を用意した。その人物が左利きだったというわけですよ」
矢野を取調室で追求する、右京。
「あなたは強盗事件に関与したものの、犯行には加わらなかった。あなたが東英ネクストを訪れた時、同時刻に訪れた人がいたんですよ」
「泉川さんだよね」
「おや、泉川さんのことをご存じないですか?」
泉川は左利きでした。
「泉川さんが大学を卒業したのは2019年。大学に入ったのは2015年。強盗事件の時ですね」
「助け合い食堂を利用していたので、金には困っていたんでしょう」
「私話聞いたことある。ご実家がかなり荒れた家庭だったらしく、教師の夢を叶えたくて高校入って、学費貯めて。新聞会社で新聞配達をしながらうちにもよく届けてくれた。」
「配達の中に新宿も含まれています。」
「泉川君が配達をしていた時期と重なりますね」
「同じ時期にキャバクラで働く矢野と、新聞配達をする泉川さんがいた。強盗計画に巻き込まれた」
「彼が強盗の共犯者…結びつかない」
「彼は受験シーズン…強盗するとは。」
「受験シーズン、何日か覚えていますか?」
「2月25日です」
「別の犯人に行われていた事件は強盗事件だけじゃなかった」
矢野と向き合う右京。
「あなたは風貌を変えた理由、2月25日、国公立試験の初日です。」
亀山も泉川を取り調べます。
「君は矢野の姿を幸田社長が殺されたビルで見かけたんだよね?助け合い食堂メニュー記録2015年2月28日の記録、28日にインフルエンザの病み上がりだから泉川くんにうどんを作った。25日にインフルエンザだった君が試験を受けられると思えない」
矢野は2015年、大切な試験を控えた、新聞配達中の泉川を見かけ、助けました。
彼が国家試験を受けることだと察します。
「毎日毎日クソみたいに新聞配達してこのざまかよ。マジ笑える。無理に決まってるだろ」
「明日なんだ、最初で最後のチャンス」
「身なりを整えて証明写真を撮ったあなたは、証明写真を細工。翌日あなたは替え玉になって三橋大学教育学部を受験」
矢野は大森からの強盗を断り、替え玉受験をしました。
「あの人が代わりに受けてくれたのを知ったのは合格通知を受け取った日でした」
「君は翌月、三橋大学教育学部に入学」
「僕は体力も限界でした。」
「でも矢野さんはどうして協力を?」
「僕も分かりませんでした。知らないまま10年が過ぎて。NPOの人から幸田社長の司法書士だと聞いて。どうしても話がしたくてあの日。警察に話せば恩を仇で返すことになる。」
泉川はあの日、幸田社長が殺されたビルで、矢野を見かけ、話しかけました。
「あなたですよね?替え玉受験を引き受けてくれた」
「知らねぇよ。おたく、誰」
矢野は乱暴に泉川を立て看板に突き飛ばし、去って行きました。
泉川は幸田殺しが、矢野だと誤解し、警察に証言しませんでした。
そして後日、大森という男を訪ねた右京と亀山。
「あなたがヒロコさんを見かけた時間、少し気になっていたのですよ。閉店後2時間もとどまっていたのは何故でしょう」
「色々やることがあるのよ。アルバイトなのに店長っておかしいよな。時給ばかりとられて」
「あなたが店を出る寸前、看板が表に出ていることが分かりました」
「なにか不測の事態が発生していましたね」
「おや左利きですか?」
「10年前、幸田さんと同じ店でバイトしていましたね?」
「彼に強盗を持ち掛けられましたね。9年前違法賭博で逮捕されてるよな?」
「あなた彼に金をせびっているのでは?」
「過去の犯行を出汁にしてな」
「なにか証拠でも」
「返り血を浴びた服を洗い、看板を中に入れるのが遅くなりました」
「正当防衛だったんだよ」
飄々と語る大森。
「時効が過ぎても仲良くしてください。ご家族とかに知られたくないでしょ」
「お前が…死ね!」
「うわぁやめろよ!」
あの夜、報酬を受け取った大森と幸田は揉めました。
「引き際を逃した」
「10年前の共犯者が幸田の殺しの謎を自供しました。」
「あの日、幸田の犯行に巻き込まれそうになったんじゃないか?」
大森は矢野に連絡をしました。
間もなく、警視庁で、泉川と矢野は対面します。
「彼はもう替え玉受験について告白している」
「一つ聞きたかったんだ。10年前僕を助けてくれたあなたが、どうして善意の人達を利用したのか?どうして助け合いの活動をお金の道具にしたのか」
「馬鹿じゃねぇのこっちが本当の俺なんだよ」
「残された最後の謎。10年前、あなたはなぜ泉川さんの為に替え玉受験を決行したのか。あなたも進学を志しながらも、不遇な環境の為に未来を諦めざるを得ず、すさんだ生活を送っていました」
「泉川君と出会った時はそんな時だった。」
「2人にはどんな会話がなされたのか我々が知る由もありません。ただ一つ言えるのは、泉川さんとの出会いが大きな影響を与えたということです」
あの日、具合が悪いなか、泉川は矢野に言いました。
「最初で最後のチャンス」
「チャンスなんて贅沢なもの。初めからなかったんだよ」
「あるよ。最後のチャンスはあるんだ」
「替え玉受験を境に生き方を変え、猛勉強して司法書士になった、悪い人間関係を断つことができなかった」
「あなたは本来、人を助けたいと思える人間です。あなたが苦労して自ら掴みとった資格を不正行為に利用してはいけません…いけません!」
事件が解決し、ヒロコの店で寛ぐ、特命係。
「今日、生徒たちに自分の過去を語って聞かせるそうです。教員免許を返上してやり直すそうです」
「泉川くんならきっとやり直せるわ」
「生徒たちにとっては宿題ですね。教師の人生という教材を手渡されるんですから」
「きっと沢山考えて学ぶことになるのでしょうね」
「人間いくつになっても勉強ね。そうだ、2人共新しい事学んでみない?助け合い食堂が再開したのよ。手伝いに来てくれたらヒロコスペシャルのレシピを教えるわ」
「行きますか?」
「行きましょう。」
右京、亀山は事件が解決し、ヒロコの助け合い食堂を手伝うことにしました。
相棒23 6話感想・みどころ
相棒ファンにはお馴染み、ゲイバーのヒロコママ、久々の登場です。
ヒロコママの存在って、出てきただけでほっこり和ませてくれますね。
お人好しで優しいヒロコママが人を殺すわけないですよ。
案の定、事件現場で遺体を見て、その関係者であるボランティア仲間の泉川の力になろうとする優しさに癒されました。
2人の若き男性の思いのすれ違いが尾を引く切なさでした。
どちらも決して悪い人ではないのに、貧困と不遇な境遇から脱出すべく、足掻いていましたね。
泉川は教師免許を返還し、矢野は司法書士の資格を得ながら、悪い仲間だった大森との繋がりを断ち切ることはできなかったのが悲しいですね。
そして今回の事件でマネーロンダリングなど悪どいことをしていた幸田と、大森がなんとも報われない最期でした。
泉川と矢野のような、罪を認めて、自分を開拓していける人になれれば良かったのにと思いました。
ヒロコママの食堂も無事、復活し、人生はいくつになっても勉強だからこそ、学びの秋も感じさせる6話でした。
次週は12月11日の放送になり、来週はお休みです。
ゲストは、元祖トリオザ・捜査一課元メンバー、三浦刑事こと、大谷亮介さんです。