相棒23

相棒23 3話 楽園だと思っていたペンションの怪奇

相棒23 3話あらすじネタバレ

薪を割る男がいるペンション「らくえん」。

右京(水谷豊)は、携帯の電波さえ届かない山奥のペンションにいました。

相棒の亀山薫(寺脇康文)も妻で記者の美和子(鈴木砂羽)と共に、別の宿泊先にいます。

「ねぇ薫ちゃん動画サイトにあったけどこれ」

美和子が見せた動画では、女子高生が踊っている最中、自殺の様子が映っていました。

偶々、撮られたと思われるその映像にはビルから転落する男、古瀬と共に、右京らしき人物の姿が映っていました。

「ねぇこれ右京さんじゃない?」

「あ、のようにも見える…右京さんだ!」

宿泊客は小説家の岸(ふせえり)と編集者など、右京を含めて7人ほど。

思い思いに過ごしている様子を見る限り、いずれも曲者揃いのようです。

ペンションに泊まる前、角田課長(山西惇)が麻薬の売人を逮捕しました。

「今朝この付近で不審な男を見かけたんだよな」

角田が付き添いの警官と共に、密売の容疑がかかるその男が殺され、自殺したように動画で映っていました。

美和子が見つけたのはその動画です。

捜査一課の伊丹(川原和久)、芹沢(山中崇史)、麗音(篠原ゆき子)らとも合流し、家宅捜査も行うものの、これといった目ぼしい証拠はありません。

ペンションでの右京は、岸、カップルの加藤と美晴、亜紀と父親の大塚親子、村岡、中田と知り合いました。

「デジタルデトックス良いですよ」

「なんじゃそれ?」

「スマホとかを見ないようにして、景色を楽しんだりするんです。」

一方、オーナーの樫村(福士誠治)は、黙々と仕事をこなす誠実な人物の様子です。

ただその表情にはどこか陰がありました。

翌朝、残りの休日を返上して出勤した亀山は自分の留守中、右京が違法薬物の摘発を手伝っていたと聞きました。

その捜査過程で浮上した怪しい人物の自宅を訪れると、男は既に不審死を遂げていました。

亀山は、サイバー対策課の土師(松崎亮太)の解析にて、「バジリスク」と名乗るハッカーのアカウントを持つ、半グレの鮫島に辿り着きました。

2年前、ハッキングで50億の仮装通貨を盗み出して、ダークウェブから去った謎の存在。

それがバジリスクでした。

「金儲けは奴の十八番。資金を増やしても不思議じゃない。鮫島が裏で仕切っていたフロント企業だからな」

亀山は角田にも協力を求めます。

間もなく、六本木のとある会社に目を付けました。

その頃、右京はペンションで看板の放火騒動が起こり、ここにいる誰かの放火を疑います。

「すみません氷もらえますか?」

ペンションに住む中田は、従業員の女性、綾乃から氷をもらいました。

その夜、右京はペンションに泊まる面々と夕食を共にします。

「ああ勘弁して下さいよ、もう話したでしょ全部。あの眼鏡の刑事なにするかわからない。鮫島さんからPCからバックドアが生きているか調べてという指示でした。2年前に調査した時のままでした。侵入を検知したら偽のメールが検知される仕掛けもするよう言われて。その罠は2日前に発動しました。」

「明日10時新宿王新ビルにて」

「古瀬はその偽メールを見て押収場所へ行った」

鮫島と接触した男、村岡と問い詰める亀山。

このメールをきっかけに、自殺に見せかけて、古瀬という男は殺されたのです。

村岡とのやりとりをきっかけに、右京が泊まるホテル、ペンション「らくえん」に手掛かりがある事を掴んだ、亀山。

ふと、ペンションでは、一回停電が起こるもののすぐ解決しました。

「ああびっくりした。」

「ブレーカーが落ちただけだな」

「ネットの次は電気まで使えなくなると思った」

従業員の綾乃が行方をくらましました。

綾乃を良く知る従業員の樫村は慌ててみんなに知らせます。

「綾乃がいない!」

右京は、納屋にあった塗料のブレーカーに仕掛けがある事に気付きます。

これが停電の原因です。

「おや部屋にいなくてよろしいんですか?あなた厨房で氷を入手したそうですね。みどりさんはワイン、あなたは氷を使った。停電を起こすために使ったのでは?」

「どういうこと?」

岸の編集担当者でマネージャーの中田が、停電を引き起こしたことを伝えました。

「ブレーカーにちょっとした仕掛けの痕跡がありました。氷が解けると重りが傾き、紐で繋がったブレーカーが落ちる。」

「納屋に仕掛けがありました。綾乃さんのエプロンにも同じ塗料が付着しています。」

「3年前、若い女に言い寄られて、出来心で手を出して美人局でした。」

「あの頃お金に困っていたのはそういうわけね」とみいどり。

「鮫島から脅されていました。先生が金を貸してくれてなんとかしのげていました。2年前に脅迫は終わった。このペンションに行けと脅されました。」

「なんで私をこんなところに連れてきたのよ。恩を仇で返したわけね」

「一人だと怪しまれるからそれで…。恩があるから言うこと聞いてきたんだ。誰があんたみたいな我儘で時代遅れの作家なんか担当するか。俺がいなきゃ引退だ!」

「メールでは具体的にどのような指示が?」

「あの女を傷つけろというだけ」

岸と岸のマネージャーはすっかり右京の指摘にギクシャク。

間もなく右京を追っていた、大塚達は六本木署の刑事でした。

2人は右京を鮫島と誤解して尾行して来ました。

「僕に何か?放火の証拠となる煙草を保管し、納屋で現場を記録するよう写真を撮り、まるで刑事です。」

「あんたか、あんたが鮫島だろ」

「それで僕を見張っていたんですね。僕を鮫島と間違えたんですね?」

右京は大塚に警察手帳を見せます。

その後、部屋に戻り、大塚と話し合います。

「この男がバジリスク…殺されたなんて」

「鮫島の仕業か?綾乃って人が消えたの」

「鮫島の会社の防犯カメラ映像です。この清掃業者、偽物でした。ゴミ箱を漁って個人情報を盗み取る、トラッシングというハッキングの手口ですね」

「そうやって得たパスワードからPCに侵入。鮫島を狙った攻撃です。何者かに雇われた可能性を考えました。これまで無差別な愉快犯だったバジリスクが鮫島の金を狙う。」

「それが綾乃さんだったと?」

「彼女がバジリスクと共に50億を盗み出した。私たちはそう考えたんです。」

「そこであんたを見張った。」

「鮫島復活の噂を聞いて、かつて鮫島の部下だった2人組を追ってこのペンションにきました。」

「あんた黒幕っぽいとこあるよ」

「その部下というのは?」

「ああ、あの若いカップルだよ」

そのカップルとは美晴と加藤でした。

その頃、樫村は倉庫で綾乃を発見し、無事を確認しました。

右京はペンションに到着して間もなく、綾乃と樫村から、古瀬との彼らの接点を聞いていました。

綾乃と古瀬彰人は同じ児童養護施設出身で、樫村は綾乃を通して亡くなった古瀬と友人になりました。

「気を許せたのはあいつだけで、当時、綾乃が働いていた喫茶店でよく知り合いました。」

当時、喫茶店に着ていた鮫島は、綾乃を脅迫していました。

「鮫島と知り合ったのは綾乃がかつては働いていた喫茶店です」

「美味しい、もっと食べたいな、大好物なんだよ、ジャムクッキー。」

「最初は高価なプレゼントを無理やり渡してきて勿論断りました。それがだんだん脅迫めいてきて…」

綾乃が働いていた喫茶店を放火た鮫島。

「鮫島の力の根源はその資金力。あなたを逃がすためには鮫島から資金を奪う必要があった。」

「実は昨夜から今朝にかけて立て続けに3件の予約が入ったんです。今は皆さん客室に」

「怪しい動きをする人を見つけ出す。」

「危険すぎます」

「じゃあどうすればいいの?また怯えて違う場所で暮らす?」

そして現在の倉庫の樫村と綾乃。

「もう杉下さんに言われて逃げ出したよ」

そんな綾乃の背中にそっと毛布を掛ける、樫村なのでした。

冴島の部下は、美晴と加藤です。

「あなた方でしたか。綾乃さんを狙った実行犯は。看板を放火したのもあなた方ですね?」右京。

「知らないね」

「昼間あなた方が森で何かを埋めていたのを見ましてね。掘り返してみました。痕跡を残さないようにつけた手袋が動かぬ証拠となった。」

揉み合う、大塚と、右京と、加藤と綾乃。

「ああ、君そっちは危険ですよ?」

「ああ?熊でもでるのかよ」

「いえ、出るのは、亀です。」

間もなく、美晴と加藤が右京の正体に気付いて、逃げようとするのをようやく現場に到着した、亀山と捕まえて阻止しました。

美晴と加藤は鮫島の50億を目当てに綾乃を襲おうと共謀しました。

「鮫島のこと話してもらうぞ?」

大塚は加藤を問い詰めます。

「鮫島さんは完全復活したんだよ。鮫島さんからは逃げられねぇんだよ。あんたはずっと怯えて暮らすんだよ」

綾乃を傷つけるような言葉を吐く、加藤。

「念のため封じておきました。電話をトリガーとして口座から金を引き出す。バジリスクは樫村さんあなたですね?バジリスクは腕に特徴的な痣はあります。あなたの腕の位置にも同じ痣が。最初に気になったのはこれです。古瀬さんの部屋にあったコンビニの袋と同じ。樫村さんはゴミ箱を結ぶ時独特の結び方の癖があります。古瀬さんは鮫島復活の噂を掴み、あなたは古瀬さんの部屋を訪ねた。」

「古瀬さんの部屋にあったパソコンあんたのものだよね?」

古瀬と樫村はかつて、鮫島を通じてつるんでいました。

「事件を整理しても魔性。中田さんあなたは脅されて綾乃さんを傷つけるように命じられた」

「はい」

岸みどりの編集者兼マネージャーの中田は渋々罪を認めました。

「あなた方は、50憶を餌に、綾乃さんを狙うよう、指示を受けた。」

「そうよ。綾乃って人が金の隠し場所を知ってるから脅して言うことを聞かせろって。看板を燃やせばいうことを聞くからって」

認める美晴。

「おい喋んなよバカ!おい!」と加藤。

「2組の目的は綾乃さんに危害を加える事。綾乃さんに再び危機が迫ったら2年前と同じ方法で鮫島の力を奪おうとするはず。それこそが犯人の狙いです。その人物はずっとこの部屋にいて、鮫島さんを狙っていました。確実に自らの手であなたを葬り去る為に。みどりさんあなたが鮫島ですね?」

「田村一郎は、1カ月前に富士の樹海で見つかりました。死後2年ほど経過しました。資産を失ったことで生きる希望をなくしたのでしょう。」

鮫島こと、岸みどりの息子、田村一郎は、既に2年前に他界していました。

別の鮫島は岸みどりでした。

岸みどり(ふせえり)は息子を亡くしていました。

「1カ月前に息子の田村の死を知り、残されたパソコンで部下に連絡をとり、鮫島の死を偽造。バジリスクをおびき出すための罠を仕掛けた。」

そして古瀬を殺したのは、岸でした。

「あの子の亡きがらに誓ったの。バジリスクをこの手で殺すと」

「あなやはバジリスクならこのパソコン見せなさい!本物はどこ!」

「俺だ…俺がバジリスクだ。」

古瀬と部屋で揉め、古瀬は樫村と綾乃を庇って、岸に殺されてしまいました。

「小さい頃に一度一度捨てたけど母親思いの優しい子。パソコンのパスワードは私の誕生日だった。」

「親子揃ってどうかしてるよ」

亀山も、ペンションのみんなも、岸みどりのおぞましさに呆れ果て、言葉も出ません。

「綾乃さんは終わりの見えない暗闇に怯え続けていました。暴力で人を支配することがいかに罪深い事か息子さんの分までよく考えてくださいね?いいですか!」

右京はにやりと笑うみどりをビシッと叱りつけるのでした。

みどりは鮫島…、息子の田村と同じようにジャムクッキーを頬張るのでした。

「鮫島から奪った50億」

「ちっちゃ!」

「仮装通貨はデータ上の資産です。ハッキングの心配のない資産はこの場所にうってつけでしたね。」

ペンダント型の仮装通貨のUSBを右京と亀山、綾乃に見せる、樫村。

「どうして鮫島から50億を盗ろうとしたんですか」

静かに樫村に問いかける右京。

「綾乃と古瀬を守りたかった。恩人だから。この土地が嫌いで都会に逃げた。そこでも馴染めずネットに逃げた。ここには楽園なんてない、そう思った。2人に出会って。2人を守りたかった。」

「ここで待っているから」

「綾乃さん、あなたはもう隠れる必要ありません、褒められた手段ではありませんが、あなたは綾乃さんを守り抜きました。」

「ちゃんと罪を償って戻って来なよ、彼女の元に」

右京と亀山は、樫村の更生を背中を押して後押しするのでした。

その後、小出茉梨(森口遥子)の花の里で飲む、右京と亀山と、美和子。

亀山は茉莉に温泉まんじゅうをお土産に渡しました。

「今やスマホがない生活なんて考えられない。たまにはやろうかなデジタルデトックス」

「当たり前になると有難みは忘れてしまうもの。デジタルデトックス。たまにはスマホをデトックスしてみるのもいいかもしれませんね」

「たまに離れるとありがたみがある」

「それって俺のことですか?」と亀山。

「お好きにどうぞ」

「もうスマホの話しでしょ、右京さん」

3人は静かな晩酌を楽しむのでした。

相棒23 3話感想・みどころ

右京と亀山が泊まった別々のペンションで、一つの真相に繋がる事件が発生していました。

時系列が行ったり来たりで、別々の事件を追っているかと思いましたが、パズルピースがハマったように爽快でしたね。

右京が泊まった、デジタルツールをデトックスすることで、利便性に頼らないペンション。

しかしそこに宿泊していた客は、鮫島というヤクザの男が共通項でした。

綾乃を脅して、50憶の行方を探っていた醜い大人達の思惑が渦巻いていましたね。

しかし、綾乃を思っていた樫村は更生していけると思いますが、救いようがないのは、岸みどりでしたね。

岸は鮫島を名乗っていた愛息子の田村一郎を亡くし、このペンションに忍び込んでいた黒幕でした。

彼女もまた生前、綾乃と会った鮫島こと一郎のように、ジャムクッキーが大好物。

右京に厳しく罪を悔いるよう言われてもどこ吹く風でしたね。

スマートフォンから離れ、デトックスすることで癒しを求めていた宿泊客たちの不運な共通項が切なかったです。

血眼になって探した50憶はペンダントに見せかけられる仮装通貨。

これに目がくらんだ歪な面々から、綾乃が救われたことが不幸中の幸いな4話でした。

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