ブルーモーメント3話あらすじネタバレ
SDM気象班統括責任者、晴原柑九朗(山下智久)は、助手の雲田彩(出口夏希)、そして、気象庁気象研究所、予報研究部部長、上野香澄(平岩紙)と共に、SDM医療班候補者のプロフィールを見ていました。
新たにSDM消防班統括責任者となった園部優吾(水上恒司)も加わりました。
汐見は過去に、腕にケロイド状の怪我を負っていました。
ゴッドハンドと知られた名医で、当時は、院長からも頼りにされていました。
ふと、病院の屋上で、患者の一人、柚希(新井美羽)という少女からの電話を受け取りました。
「先生、1日何回、死にたくなる。助けてくれなくて良かったのにな。先生にもらったこの命、私いらない。」
柚希はまだ子供で、彼女は手術で生還したものの、生きることに絶望を感じていました。
柚希が飛び降りることが分かった事で、慌ててクッション代わりになるものを用務員から借りました。
柚希を助けようとして、腕を怪我したのでした。
自分の腕を見つめる、汐見。
柚希は杖で歩けるようになりましたが、体は元気になった彼女から声を掛けられました。
「先生、後悔しているでしょ?私を助けたこと。」
「ハレカン」として、気象をしていた時、ファンに声を掛けられた晴原は、愛想の良い対応をします。
SDM医療班候補者たちの研修初日を迎えるのですが、晴原は候補者に向かい、相変わらずの罵詈雑言。
候補者の中に、天才脳外科医と言われていた怪我で二度とメスが握れない汐見早霧(夏帆)がいました。
「天才脳外科医がいるって聞いて、どんな天才かと思いきや、つまり腰掛ってことか。」
「腰かけてくれただけ、有難いと思って下さい。」
「迷惑なのは、そうですね。患者がそう思うと思いますよ。腰掛の医者に助けてもらうなんて。」
反論する汐見に、園部も厳しい物言いをします。
「僕は命のバトンを渡せる仲間がほしいんですよ。」
初期治療ならありとあらゆるケースに対応できると豪語する早霧でしたが、復帰するための腰掛スタンスに「迷惑だ」と言葉を返す、晴原なのでした。
そんななか、注意報が出ているエリアに火災が発生します。
「当会社専属医療チームと共に対応にあたる」
防災担当の特命担当大臣、園部が出動の許可を得ました。
晴れ腹はSDM出勤の指示を出しますが、研修初日の出勤に医療統括責任者の志賀浩一郎(神保悟志)と共に困惑する医療チーム。
現場へ向かうと、火の勢いが収まらない危険な状態が続いており、多くの要救助者が苦しんでいました。
火災を食い止める為、SDMメンバー、地元消防団とも連携を図ります。
志賀が難癖をつけ、治療ではなく、雑用を命じます。
「腕を怪我されていますよね?」
「初期治療なら対応できます。」
「ここでは医療資材を運ぶことに徹して下さい。」
彼もまた、かつて天才脳外科医ともてはやされていた汐見に偏見を持っていました。
そんななか、気象予報士を本気で目指そうとしていた、雲田彩(出口夏希)。
「もう四月だよな?ここに来た時に何を感じた?」
「暑かったなと感じました。」
救助現場では誤ってごみを出した、榎田がこの火災で被害に遭う地元民から非難されていました。
「こんな奴なんで助けるんだ!どうでもいいだろ!こんな奴。」
「どうでもいい命なんてありません。」
汐見は慌てて処置しようとしますが、志賀(神保悟志)は彼女が手を怪我していることを理由に無能扱いします。
そんな彼女に園部はまた厳しい言葉を掛けます。
「簡単に引き下がるんですね。ここにいる命を一人一人助けたいって言ったのはあなたですよ。」
「君はここで待機。私のチームではミスが許されない。」
汐見はまたしても、志賀に雛されました。
園部優吾は、志賀が周りに厳しすぎる反応を園部肇一に報告しました。
「志賀さんの周りへの関わり方に問題があります。」
「彼はプライドが高くて出世欲が強い。」
「今回の医療チームの中には、汐見早霧先生が期待できますが、彼女の5年前のある出来事について調べて下さい。」
優吾は園部にこっそり調べることを伝えました。
優吾たち救助隊が現場へ向かうなか、晴原は指令室で、柚希の事でトラウマがある事を汐見に追求しました。
優吾が調べるように、園部肇一に指示したのでした。
脳腫瘍で入院していた柚希は、親からネグレクトを受けていました。
「私、死ぬことを望まれている…。お父さんとお母さん、保険金が入るから喜んでいたんだよ。」
汐見は柚希の家庭環境に絶句しました。
それで、自殺未遂をしようとした柚希が、「助けなくて良かったのに」と言ったのは、このことが理由でした。
病院の屋上から飛び降りた柚希を受け止めた時、汐見は腕に怪我を負ったのです。
「希望を捨てろ。つらい過去、絶望も悪くない。絶望の先に最後に君の心に残るのはなんだ?」
その頃、救急隊は、診断がつかない要救助者、多田を診ていました。
彩乃は志賀に反論して、汐見に連絡しました。
「なにでしゃばってんだ。私のキャリアに傷はつけさせない。」
「汐見先生は正確な診断できます。」
「先生、私の位置を救ったこと後悔しているでしょ?」
「してない…してないよ。こちら汐見、今から向かいます!」
「君に治療行為はさせない!」
「あなたの指示は受けません。今の私でもこの手で救える命がある!」
汐見は心を切り替え、現場に向かいます。
「目の前の命を救うのに正しいと思う方に声を上げろ!」
「バトン、渡されてるんですよ。そのバトン、繋がなくていいんですか?!」
彩の言葉にその場にいた医師達も、志賀に反発します。
「志賀先生、先生の医者としての功績は充分承知しています。ただ上に立つ者は他の意見に真摯に耳を傾ける。それを忘れちゃいけない。キャリアを重ねるとそれを忘れ、現場から乖離した者をなんというか知っていますか?」
「…老害」と呟く、晴原。
「園部さん、後悔しますよ。」
「私は現場に丸投げします。現場に任せるのが私のモットーですから。」
志賀は痛いところを突かれ、ユニフォームを乱暴に脱ぎ捨てると現場を後にしました。
多田の容態が急変するなか、汐見はまだ現場につかず、対策本部車ドライバー兼料理人の丸山ひかる(仁村紗和)のバイクに乗って現場へ急ぎます。
晴原は別のビルで起こった火災対策に、水の用意を指示します。
汐見はようやく現場に着き、不整脈の持病を持つ多田の様子を彩から聞かされました。
「お花見の途中、ずっと座り込んで、倒れました。」
「ずっと座り込んだ後で倒れた…不整脈の持病。エコノミー症候群です。」
汐見はすぐ診断し、電気ショックを多田に与えました。
「絶対助ける…死なせない!」
消火活動をする優吾や消防班隊長の佐竹(音尾琢真)ら。
残火処理を終了し、全面消火に成功しました。
「こちら晴原!鎮火、完了!」
「確実にチームの力が上がっています。」
上野(平岩紙)と園部肇一は、SDMの成長を微笑ましく見守りました。
「自分たちにこんなに力強い医療班がいて良かった。汐見早霧、あなたがいてくれて助かった。」
「志賀が置いていったものだ。医療統括責任者、担当してくれるだろ?」
志賀が晴原と園部の言葉から、多田の医療措置を投げ出し、現場から出て行った際に残されたSDMのユニフォーム。
「その前に向き合わなきゃいけない患者さんがいる。」
柚希に会いに行く、汐見。
「後悔しているんじゃないかって柚希ちゃん私に聞いたよね。後悔している。もう少しちゃんとクッションを受け止められていたら…そういう後悔。きっと同じことをする、あの時と同じ状況になったら同じこと。目の前で柚希ちゃんを死ぬのを止めなかったらそのほうが後悔する。私が柚希ちゃんを死なせないから…覚悟して。」
その目は、かつてのトラウマに怯えていた目ではなく、正真正銘の医者の芽でした。
その頃、「覚悟してくれ。灯のことでこの記事が出る。」
晴原は灯の件で週刊誌から、灯の事実を肇一が握りつぶしたと思われていることを伝えました。
「私じゃない。灯のことで真実を追求されるのを恐れた人物がいる。」
「灯の死に関わった人間がいた。」
園部の言葉に、返す言葉もない、晴原なのでした。
ブルーモーメント3話感想・みどころ
かつて、天才脳外科医ともてはやされたものの、子供の患者、柚希を助けようとして、腕の神経が傷つき、二度とメスが握れない後遺症を持つ、汐見。
なんと、汐見が助けた少女、柚希は親に保険金を掛けられていて、死ぬことを望まれていたのでした。
ネグレクトに加えて、信じられない親の悪行に、胸が痛む思いでした。
柚希がこの世界に絶望する気持ちも分かります。
多田に対しても、「こんな命どうでもいい」とありえない言葉を投げ付ける地元民に、憤りを感じました。
多田のことに対しても、「どうでもいい命などない」と言い切り、処置を続けたり、エコノミー症候群の患者を助けることに全力を注ぐ、汐見の背中が勇ましかったですね。
救助の現場で、後遺症を持つ、汐見をあからさまに邪見にする志賀。
女性蔑視も感じられ、キャリアを重ねるごとに初心を忘れ、偉くふんぞり返る彼についていく者は誰もいなくて当然ですよ。
志賀の気質をわかっていた、園部肇一が彼に掛けた言葉が素敵でした。
「上に立つ者は周りの言うことに耳を傾けることが大切、キャリアを重ねるとそれを忘れてしまう。現場から乖離した人をなんというか知っていますか?」
人を助ける事よりも自分の欲ばかりに捉われていた志賀は、追放されて良かったです。
火災現場を鎮火し、医療で一人残らず助けた晴原たちの爽快な展開に胸打たれた3話でした。
ただ、晴原と園部肇一大臣の大切な存在、灯のことはまだ終わっていませんね。