イチケイのカラス9話あらすじネタバレ
入間みちお(竹野内豊)や坂間千鶴(黒木華)たち「イチケイ」が扱うことになった新たな案件は、「世田谷家政婦殺害事件」でした。
その家政婦、高見梓(春木みさよ)が、家主の桐島優香(八木さおり)をバルコニーから突き飛ばしたのです。
桐島には一人娘の希美(松風理咲)もいて、第1回公判に参加することが決まっていました。
出勤途中、坂間千鶴は男に付きまとわれていることに気付いていません。
物陰から千鶴を見る黒ずくめの謎の男・・・。
このことを心配する石倉(新田真剣佑)は千鶴の送り迎えをすることに。
書記官の川添(中村梅雀)を中心にさっそく、裁判員の選任手続きが行われ、裁判員候補者が集います。
その結果、塾講師の大前正一(山崎銀之丞)。結婚相談所勤務の落合清美(池津祥子)、土木作業員の田部公平(山口森広)、主婦の立原理沙子(太田順子)、証券マンの西園寺勝利(永田崇人)、大学生の小中渚(行平あい佳)、「みちおを見守る会」の傍聴マニア、富樫(明樂哲典)でした。
法廷で審理をした後、みちお達と一緒に評議をする仕事を任されました。
家族に審理の内容を話すこと、ネットに多少、常識を守って裁判の様子をツイートすることは許可すると説明した千鶴。
第1回公判の後で、塾講師の大前は突然、降りると言い出し、「みんなにもったいない、考え直してほしいと責められます。」
事件現場の映像を見て、3階のバルコニーの柵は腐っていた、被害者は緊急搬送されたものの、亡くなりました。
すぐに救急車を呼べば助かっていたかもしれず、遺産相続トラブルが、被害者と加害者の家政婦の間で起こっていました。
高見梓は火災事故で夫と娘を失くしていて、旦那の会社を売却して遺族として多額のお金をもらっていたことも判明。
桐島はバルコニーの柵が腐っていることを教えてくれようとしていた、救急車を呼ぼうとしたけど、助けを求めずに黙って傍観していたと話す梓(春木みさよ)。
優香の第一発見者の配達員は、「お願い、助けて、許して」と優香が言っていたと証言。
一方、梓はそれを否認しています。
梓を担当した救命医は、「被告人は優香が亡くなった時ほっとしている様子だった」と証言。
傍聴マニア(伊藤俊介 お笑い芸人オズワルド)、(お笑い芸人 畠中悠)は興奮。
幼い頃に両親の離婚を経験し、心臓病を抱えていた希美は病院に行くのがつらかったが、回復後に、梓が家政婦としてやってきて、良くしてもらったと語る希美。
自分にとってもう一人家族ができたようで嬉しくて叔母のような存在だと思っていたと言葉を続けた希美。
自分は高見のことを信じていると言葉を締めくくった希美。
「どうして一緒に死ねなかったんだろう、自分も一緒に死ねたらよかった。家政婦として被害者の優香に支えられてきた」と高見梓が話していた証言も出てきました。
被害者の優香を梓が突き落とす映像がないことも不可解です。
あまりにも良心が痛む事件に、裁判員たちは困惑。
みちおたちは「育ちや環境が違う正しさがある、みんなが思う多様性を活かして正しい判断を下すことが大切」とみんなをフォロー。
坂間も、「悪人の中にも善意がある。被告人の気持ちをもっと知りたいと思わないか?」と口出しします。
映像から、優香と梓が激しくもみ合い、争う音声が流れますが、この詳細について黙秘する梓。
この展開に怪しむ裁判員たち。
その後、身元不明の男性の遺体が発見された土砂崩れのニュースに被害者の優香が過呼吸を起こしたことがあったと優香の関係者が証言。
身元不明の遺体が所持していたライターが発見。
そのライターの持ち主だった土砂崩れで亡くなった人の知人であるクラブのママが、優香を訪問したことがありました。
みちおたちが優香と土砂崩れの関係を調べたところ、亡くなった2人の人が亡くなった日が同じだとわかりました。
ふいに、派遣社員の新村早苗(行平あい佳)が途中、このケースの複雑さに心の負担を感じて抜けると宣言。
駒沢(小日向文世)は裁判で関係者から恨まれたり、想像を絶するつらい事実を知ることにもなる、でも、背負う必要はないとフォロー。
早苗が突如、抜けることになり、補助裁判員を一人加える事態になりました。
みちおたちはさらなる深刻さが伝わるこのケースに、優香の娘、希美から証言を聞く必要があると判断しました。
優香が心臓手術を受けた時、土砂崩れの被害者で、ドナーだったのは被告人、梓の娘でした。
また、身元不明の遺体の主は、桐島重利の夫でした。
勝手に会社を作り、借金トラブルが絶えない利重は、梓を騙して籍を入れました。
事件当日、優香はそのことを含め、希美の心臓のドナーになった少女は、梓の一人娘であることを知っていたと、梓に話しました。
さらに、桐島重利と結婚していた当時、重利は妻が重度の小麦アレルギーだと知っていて、優香を殺そうとしていた過去があり、優香は咄嗟に抵抗して、彼を殴って逃げました。
そして、倒れている夫を山林に埋めて放置した優香。
その後、土砂崩れが起きたのです。
土砂崩れのニュースを見て優香が過呼吸を起こしたのは夫とのことが原因でした。
利重の死後、数日後に、彼が通っていたクラブの女性が、優香に遺品のライターのことを話し、お金を要求してきました。
そのライターはクラブでもらった記念品だったからです。
娘の希美がこのままでは実の父を母が殺したことで苦労する、心臓の手術を経てやっと前を向いて歩いて行こうとしていた希美が苦しむことになるから、遺産を梓に渡すことを考えていました。
優香はわざと、バルコニーの柵が腐っているのを知って、娘のことを梓に託し、自死したのでした。
全てを打ち明けた梓にみちおは「助けを呼ぶべきだったと思うか?そのまま死なせたほうがよかったと思うかどちらですか?」と聞きます。
「わかりません・・・私はどうすべきでしたか?教えてください」と告げる梓。
被告人、梓は懲役一年執行猶予3年の結果をみちおは下しました。
「自殺ほう助」ということです。
全ての公判が終了後、一人の男が納得がいかない様子で傍聴席にいました。
その主は、過去の集団カンニング事件で坂間の判決に恨みを持つ男でした。
「努力してもできないことがある。偉そうな顔しやがって」と暴言を吐き、千鶴を突き飛ばした薪下。
彼は、集団カンニング事件で、貧困家庭で育ったカンニング事件の加害者の一人。
貧困を理由に努力しても這い上がれない悔しさから事件を起こし、千鶴に裁かれたことに恨みを抱いていて、それで、千鶴を尾行していたことが判明。
千鶴は案の定、男、薪下に突き飛ばされ、みちおは咄嗟に千鶴を庇いました。
たんこぶができましたが、千鶴を付け狙う男の正体を調べてから、薪下が傍聴席に現れることを予測して、千鶴を助けました。
次回のゲストは再び、みちおの同志を演じる板谷由夏さんです。
リコカツ9話感想・みどころ
個性的すぎる裁判員たちの特性があり、みちお達にとって、意見も主張も感受性もばらばらなところがコミカルで楽しめました。
坂間を付け狙い、過去の事件での坂間からの判決に逆恨みをする薪下との事件が大ごとに発展しなくてよかったけれど、突き飛ばされ、殺されていたかもしれない坂間を身を徹して守るみちおがかっこよかったです。
貧困が原因で集団カン二ング事件を起こした薪下の心情も複雑なものがあるかもしれないけど、衝動的に人を逆恨みで襲撃するのはお門違いだなと思いました。
希美と優香、そして、梓の計り知れない背景に心が痛みました。
心臓の移植手術を受けて生かされている希美の心臓のドナーは梓の娘。
さらに、優香の夫、利重が自業自得で金銭トラブルが多い人生を歩んできたのに、お金欲しさに妻子を利用する最低な男だと判明して怒りで煮えましたよ。
アレルギーがある人を殺す為に小麦を使って殺害しようとして、命よりもお金を求める歪んだ精神が垣間見れましたね。
一人娘の希美のことも妻同様、お金がもらえると企んでいたなんて、人間として欠けた男と優香は出会ってしまって不憫です。
梓が家政婦と雇い主の関係でトラブルに陥って事件が起きたのではないことが少し、救いなところかなとおもいます。
希美が証言した時、梓は第二の母のようで慕っていたことや、母や自分との関係が良好なことを訴えたり、梓のことを信じていると話した時は目が真っ直ぐで、心も綺麗な人柄が伝わりました。
優香は、自分が死んで、母親が実父を殺した事実を希美が知らずに済むと決死の覚悟で柵から飛び降りて、それを助けることができなかった梓の悔しさが伝わり、胸が痛みました。
みちお達に出会った梓ですが、罪悪感を背負って亡くなってしまった優香が無念でなりません。
優香と梓に愛情いっぱいに育てられた希美を演じたのは、過去ドラマ「グッドドクター」で存在を放った「伊代ちゃん」役の松風理咲さん。
可愛くてあどけないルックスは健在ですが、今回のように複雑な背景を乗り越えようとする少女、優香を自然に演じられていて、優香が実在しているかのように見えました。
梓は自殺ほう助ということで、懲役1年執行猶予3年の判決が付きましたが、優香の「もう一人のお母さん」である梓が、刑期を終えて優香と親子のように暮らせることを願いたい9話でした。