結婚相手は抽選で最終話
放送日:2018年11月
東海テレビ土曜ドラマ
結婚相手は抽選で 最終話のあらすじ
抽選見合い結婚法の施行から1年。
宮坂龍彦が仲間達と立ち上げた反対活動団体「ASBE」は多くの人に注目されていた。
ASBEは反対集会を計画しており、代表の広瀬は龍彦にスピーチを求めたが、龍彦はそれを断った。
そんな中、冬村奈々が勤めるラジオ局の番組に広瀬が出演することとなり、それを知った奈々は龍彦を待ち再会を果たす。
お互いの近況を報告し合ったが、スピーチを断ったことを知った奈々は、龍彦は似非ヒーローだと罵り、2人は再び別れることとなってしまった。
しかし、奈々は反対集会に現れ、奈々からの言葉に龍彦はスピーチをすることを決断し、壇上に立った。
結婚相手は抽選で 最終話の感想
龍彦の傷は一体どういう方法で癒えるのでしょう
とうとう最終話です。
龍彦から断って欲しいと奈々にお願いされ、龍彦は奈々とのお見合いを断りました。
一方、娘がいると告白したことにより、嵐望と好美は別れることとなりました。
Hikariは同性愛者であることを抽選見合い結婚法担当大臣で母親に告白し、それぞれが苦悩を抱えながら進み始めました。
時は2018年8月4日。
抽選見合い結婚法が可決されてから1年強。
3,000組のカップルが結婚をする中、その1割の300組が離婚。
テロ対策活動後方支援隊対象者は非公開ではあるものの、医師や医療従事者は僻地で活動をさせられていました。
嵐望と別れた好美は3回のお見合いを断り、母親と一緒に僻地へ移り住み、看護師として働いていました。
一緒に働く医師は、国の刑罰でも好きな仕事ができるならテロ対策活動後方支援隊よりマシだと言います。
“国の刑罰”という言葉を聞くと、お見合いを3回断ることにとても重みを感じます。
好美はというと、大きなお腹を抱えていました。
島に来て7ヶ月…。嵐望の子供なのでしょう。
奈々とのお見合いを断った龍彦は、ASBEの一員として勢力的に活動をしていました。
ASBEで行われる集会でスピーチをして欲しいと代表の広瀬が言いますが、龍彦は断ります。
広瀬はLGBTであることを暴露されとても傷ついていましたが、演劇に出会い自分を表現することで傷が癒えたことから、龍彦にも自己表現をして欲しいと言いました。
龍彦が潔癖症や人間不信になったのはスピーチをしたことから…
それをスピーチで癒すというのはなかなか難しいことです。
一方、龍彦にお見合いを断ってもらった奈々は、バイオリンを弾こうとしていました。
そんな奈々が働くラジオ局にASBEのメンバーがやってきます
番組が終わると、奈々は龍彦のことを待っていました。
ドラマが始まった頃の奈々のことを思い出すと、こういった行動ひとつひとつに奈々の変化を感じます。
その変化を与えてくれたのは龍彦でした。
ブログに目を通したり、味噌汁を作ったり、心のどこかで龍彦のことが気になっているのがとてもあわかります。
抽選見合い結婚法の事の深刻さ
ASBEの活動を受け、抽選見合い結婚法による犯罪などが浮き彫りになってきました。
「偽造夫婦になろう」と持ちかけられて裁判沙汰になってしまったり、事はとても深刻です。
小野寺大臣はその現実を受け入れ国に意見を提出をしているようですが、国の方は受け入れる様子はなさそうです。
ASBEが頑張っても、大臣が受け入れても現実は変わらない。
これでは取り越し苦労となってしまいます。
お互い“何か”意識をしながら再会した龍彦と奈々でしたが、感情を露にし、ぶつかり合いました。
龍彦がこんなに感情的になることは今までなかったのでとても驚きです。
活動家というのは勇気のある人で、今、龍彦がやっていることは偽善ぽく、ヒーロー気取りで中途半端だと奈々は言います。
しかし、龍彦は勇気ある行動をしたことによって、潔癖症や人間不信になってしまったのですから、現実を変えるのはなかなか難しいものです。
奈々も変わりきれない自分に悩むからこそ、きつく龍彦に当たってしまうのでしょう。
一方、お腹の子供の名前に悩む好美。
そこに嵐望からメールが届きました。
嵐望はあれからも連絡をしていたんですね。
タイから来た娘と同様に、好美も大事な存在であるということがメールに書かれていました。
こんなに愛されていても、娘がいるということは大きな問題のようです。
龍彦にとってのレジスタンス
2018年8月19日。
ASBEによる集会が開かれました。
そこには龍彦の同僚も…。
龍彦がSNSの管理者だと知った時にはとても驚いたことでしょう。
地味な人がすごいことをやっていたというのはスパイダーマンみたいだという例えに思わず微笑んでしまいました。
集会が始まり、次にスピーチをする人を呼びに行った龍彦。
そこには奈々の姿がありました。
奈々が次のスピーチ?と思ってしまいましたが、どうやらそうではなく、あれだけ怒りを露にしたのに、龍彦に克服してもらいたいという強い思いから再び現れたようです。
龍彦への強い思いを感じます。
そして、龍彦は、奈々の「大丈夫」という言葉に、スピーチをすることを決めました。
壇上に登るその時はとても恐く緊張したことでしょう。
壇上に登った龍彦はとても勇ましい姿でした。
学生の時もそうだったのでしょうね。
原稿がなくとも連ねていく言葉に感動してしまいました。
単に政府非難するだけでなく、政府のおかげで自分達も変われたのだという発想の転換に、龍彦の頭の良さを感じます。
この演説を観ていた嵐望は、好美を諦める決意をしました。
「自分達の人生は自分達で選んで決める」という龍彦の言葉にもっと押していくのかと思いきや、引いてしまったのは残念です。
そして好美も、嵐望が去っていくことに動揺している様子。
抽選見合い結婚法の廃止
龍彦の演説を聞いていた小野寺大臣は、法の廃止について掛け合い、2018年12月17日、とうとう抽選見合い結婚法は廃止されました。
同僚に肩を叩かれ、握手を求められた龍彦でしたが、潔癖症の症状は出ず、むしろあの頃期待されていたのとは違い、結果を出したものだったので、きっと過去は塗り替えられたはずです。
好美は出産をし、法律廃止により島を離れることができることになったことをきっかけに、嵐望にメールを送りました。
好美が自分の子供を産んでいたことを知り、メールには居場所が書いてあるのですから、飛んでいかないわけにはいきません。
嵐望は見かけによらずとても真剣である人間なのだと実感しました。
北風くんのLGBTの告白から回を重ねるごとにドラマの内容が重くなっていきましたが、Hikariの告白に動揺を隠せなかった小野寺大臣はは山口さんのおかげで、HikariのLGBTの告白を受け入れることができたようです。
母親として子供の人生を精一杯応援するという言葉に思わず涙が流れてしまいました。
地球上のすべての人間の新たなる課題であるという発言にも胸を打たれました。
そして、同じ母親という立場の好美の母親は、このまま島に残り新しい人生を送ることを決心しました。
もしかしたら一緒にくっついていくのではないかと思っていたので、好美には好美の人生を大事にして欲しいという言葉にホッとしました。
龍彦と奈々のこれから
龍彦、奈々、それぞれは味噌汁を作り、お互いを思い出します。
お互い大切な人になっていることがわかります。
レジスタンスの成功のお祝いという理由をつけ、奈々は龍彦を食事に誘いました。
クリスマスのようですね。
これまで、龍彦と奈々の結婚条件は明らかになっていませんでしたが、「本音を話せる人」という2人の共通条件に、運命を感じます。
これは2人が交際を始めるに違いないと思いましたが、最終回までにはそうならず、残念。
だけど、これから観ることのないこのドラマの続きの中で、2人はぶつかり合いながらも、交際し結婚していくのではないかと思うと幸せな気持ちでこのドラマを終えることができます。